札幌市営地下鉄の運行管理システムと案内システム、自動案内放送システムの仕様など

「札幌市高速電車電気設備概要」で解説されている札幌市営地下鉄の運行管理システムや案内機器に関する情報のまとめ
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総販 @noritetsu_hkd

列車の運行に伴って発生する各種情報は、運行管理システムによって処理された後、案内放送に関する制御情報を本システム専用制御計算機に入力する。

2018-06-24 20:33:57
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計算機は、その情報を解読し出力命令に対応した案内放送文を磁気ドラムに格納されているデジタルデータから編集合成し、アナログ情報に変換した後、東西線及び南北線の指定された駅ホームに対して放送出力を行う。尚、東西線は対列車通信システムを経由して車内放送も可能としている。

2018-06-24 20:35:14
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その他運転指令からの全駅一斉あるいは各駅毎に手動放送を行うこともできる。自動案内放送の種類は、ホーム放送が、接近・到着・出発・待合せ・乗車位置番号指定の5放送、車内放送は、待合せ・発車予告・次駅案内・到着予告・終着駅到着・変更案内の6放送。

2018-06-24 20:37:48
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放送種別と優先順位は以下のとおり。 1緊急放送…各駅駅務室からの緊急マイクロホン放送(指令所操作卓に放送中表示を行う)、火災報知器動作による自動サイレン音送出。 2運転指令所操作卓からのマイク放送…全駅ホーム一斉と各駅ホーム別放送を選択可能。 3自動案内放送

2018-06-24 20:42:50
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4各駅マイク放送…自動案内放送とは混合放送できる。 5ホームワイヤレス放送…自動案内放送・マイク放送と混合放送できる。 6BGM・CM放送…運転指令所から一括して各駅のホームエリア及び一般エリアに対し、BGM・CM・チャイム等を送出し、他の放送と重畳放送できる。

2018-06-24 20:45:31
総販 @noritetsu_hkd

システム構成及び機能 中央制御装置…運行管理システムから出力された案内放送出力要求データは、システムコントローラに入力される。システムコントローラは磁気ドラムにコード化して記録されている文章を文節単位に組み合わせて文章を編集すべく編集回路に制御データを出力する。

2018-06-24 20:48:19
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磁気ドラムには1ブロック32個のヘッドが用意され、16ブロックに分割されている。ドラムが1回転するごとに第0ヘッドから第31ヘッドまで順次切替えて、1単位音声(6,400バイト)データが構成されることとなり、その長さは1T=0.64秒である。又、磁気ドラムは最大320T分の文節が記憶できる容量を有する。

2018-06-24 20:53:30
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次に、編集回路により文節単位に編集された案内放送データはD/A変換器によりアナログに変換された後指定された出力回線に出力される。編集回路は出力回線に対応して設けられていることから、異なる案内放送が同時に多数の駅ホームに、その他車内放送として自動的に送り出すことができる。

2018-06-24 20:56:48
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各駅音声制御装置…中央制御装置から各駅制御装置に送られる音声は総合伝送路のメタルケーブル(白石~新さっぽろについては光総合伝送路)により伝送される。伝送路から送出された音声はラインアップされ、さらに電力増幅を行い、スピーカーに送出する。

2018-06-24 20:59:27
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機器仕様 中央制御装置 基本仕様 デジタル録音編集方式 制御計算機 コアメモリー12kw 1サンプルの量子化数 8bit サンプリング周波数 10kHz 磁気ドラム 1,024kw 出力回線数 容量は最大で128ch、実装は東西線85ch・南北線26ch 収録語数 320T単位音声(T=0.64秒)、 音声出力 0dBm 600Ω 平衡

2018-06-24 21:03:28
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周波数特性 100~5,000Hz 信号対雑音比 40dB以上 アクセスタイム 0.7秒以下

2018-06-24 21:05:39
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駅ホームの放送は、各駅のぶんを指令室でそのつど自動編集して、データではなく完パケの音声として駅まで届いていたんですね。(驚)

2018-06-24 21:17:43
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とても気になる、6000形の車内へ自動放送を流す機能もあった東西線の「対列車通信システム」について、昭和58年4月発行、札幌市交通局高速電車建設本部技術部電気課著「札幌市交通局 電気設備概要」には、次のように書かれています。(一部を抜粋します)

2018-06-25 21:25:17
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ア 概要 対列車通信システムは、中央装置及び駅装置で構成され、地上車上間の各種データと車内用案内放送の2つの伝送機能を持ち、その通信手段は、地上側には伝送必要区間に列車走行路線に沿って漏洩同軸ケーブル(LCX)を敷設し、車上側には1列車に1つの4素子モノポールアンテナを設置し、

2018-06-25 21:29:59
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空間を利用して通信を行うものである。 (ア)運行データ転送 計画ダイヤ又はダイヤ整理機能若しくはダイヤ変更機能により、修飾された実施ダイヤ情報を各列車に対しリアルタイムに伝送し制御することにより、ダイヤ混乱時の遅れ回復、自動運転整理等が容易に行われ円滑な運行が確保されている。

2018-06-25 21:32:34
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又、本機能は運行番号検知装置としての役割を果たしており、運行管理上重要な要素となっている。 伝送の内容は、次記に示すとおりである。 a 地上から車上への伝送内容 (a)運行番号 中央運行管理システムの計算機側から、個々の列車を選択するために使用するもので、

2018-06-25 21:35:18
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車上側では地上から受信した運行番号とを比較し、一致したならば車上から地上へ必要データを送信する。尚、地上側から特定コードを伝送した場合、これを受信した列車は無条件に地上側に運行番号を送出することにより、運行番号(列車番号)検知器としても使用している。

2018-06-25 21:37:58
総販 @noritetsu_hkd

(b)運転種別 列車が次の駅間を走行するための運転パターンで、車上装置でパターン種別を受信することにより、自動運転装置はATC現示速度の何%を目標速度にするかを判断し、次駅迄のATO走行パターンを決定するもので各列車の目標速度を線路上の運転状況によって修飾し、

2018-06-25 21:42:45
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ダイヤ整理を自動的に行う。尚、運転パターンは次の3種類が用意されている。  F:Fast N:Normal S:Slow (c)停車時分 列車が到着ホームで何分何秒停車すべきかを車上に伝送し、間接的に列車の発車を制御するもので、運行管理システム側で計画ダイヤ又はダイヤ整理、

2018-06-25 21:46:03
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ダイヤ変更情報等により決定する。尚、指定停車時分の減算、表示等は、車上装置側にて処理している。 (d)音声データ識別 アナログ(音声)及びデジタル(データ)とも、同一伝送装置(同一搬送周波数)を使用しており、車上側で出力の切替を行う必要があるため、これらの識別データを伝送している。

2018-06-25 21:50:42
総販 @noritetsu_hkd

(e)返送モード指定 車上自動運転装置により常時行っている車上機器動作状況モニタリングデータの返送を指示するものである。

2018-06-25 21:51:58
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b 車上から地上への伝送内容 (a)運行番号 中央運行管理システムより伝送要求があった時、車上運行番号設定気にセットされているデータを伝送する。 (b)編成番号 列車の編成固有の番号で編成番号設定器にセットされているデータを伝送する。

2018-06-25 21:56:11
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(c)モニタリング情報 車上側の各機器に異常が発生した場合に地上側から要求により車上機器動作モニタリング情報を伝送する。 (d)車両故障 車上機器に走行不能となるような重故障が発生した場合に地上側へ伝送する。

2018-06-25 22:01:09
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(e)手動運転 列車の運転方法をATOから手動に切替えた場合に地上側へ伝送する。 (f)自動回送成立 入出庫車両の自動回送運転時、車両機器の自動回送成立条件を地上側に伝送する。

2018-06-25 22:03:12
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c 伝送情報フォーマット 地上→車上 運行番号8ビット 運転種別3ビット 停車時分3ビット 音声データ識別2ビット 返送モード指定3ビット 予備8ビット 車上→地上 運行番号8ビット 編成番号8ビット 車両故障1ビット モニタリング情報4ビット 手動運転1ビット 自動回送3ビット 予備7ビット

2018-06-25 22:06:00