ロシア帝国・ロマノフ家の皇帝位請求者の正統性は全滅したのか?

直系子孫がいるのって大事だなぁって(戒め)
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はくえー🔱【各国の王侯情報紹介】from:西方元老院 @tomoshibi6o6o

あるブロゴを読んでるんだが、ホルシュタイン=ゴットルプ=ロマノフ家の貴賎結婚してない男子系譜、全滅してるじゃん...

2018-08-02 11:27:38
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ニコライ2世の弟ミハイル大公が生きておられれば、まずその系統が筆頭的な帝位請求者となったであろうが、ニコライ2世の近縁は尽く殺されている。

2018-08-02 11:32:42
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現在もロシア帝室の「君主家でなければ対等結婚としない」規則が生きるのなら、君主国家が軒並み消滅した今となっては、いずれにせよロシアの帝位請求者はやはり滅亡しているかor近く滅亡するのは確かである。 (現当主マリヤ殿下の父は旧グルジア王家の系統と結婚したが、認められていない)

2018-08-02 11:37:13
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ロシア革命前後、ロマノフ家の成員のいくつかの例ではかつての王家の血統(リューリク家、リトアニア・ゲディミナス家、グルジア・バグラチオン家など)の一族の末裔と結婚したが、いずれも国を喪って久しかったのでみな貴賎結婚とされている。

2018-08-02 11:41:59
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ロシア皇位継承法第183条 「皇族の結婚には現皇帝の許可が必要であり、許可のない結婚は合法的とは見なされない」 これによれば、ニコライ3世=ライニンゲン家のカール=エミッヒに至る先祖の誰もが、結婚に際していちいちロマノフ家に伺いを立ててるとは思えないので、ニコライ3世の正統性はないのでは

2018-08-02 11:46:22
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また、 同第36条 「ふさわしからざる結婚から生まれた者には皇位継承権が認められない」 同第126条-皇室成員の条件について 「皇帝に認められた結婚から生まれた者」 同第39条 「皇帝は上記の法を遵守しなければならない」

2018-08-02 11:50:55
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前述のカール=エミッヒが皇帝位を請求してるのは以下の条の記載からかな? 第30条 「皇帝の息子たちの最後の男系子孫が断絶した場合、皇位継承は最後の皇帝の女系子孫に移る」 これで皇帝を称するなら、皇帝として「マリヤ殿下に対する前例」から自らの子孫に継承権を認める可能性は

2018-08-02 12:13:37
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革命後のロマノフ大公たち 皇位継承 blog.goo.ne.jp/geradeaus17071… ロシア革命・ニコライ2世一族処刑後の皇位継承に関する話についてはこのブログに詳しいのでご紹介。

2018-08-02 23:20:58
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このブログの要所を掻い摘んで呟きます。 ブログが参照文献位なるか? という声もあると思うんですが現状、ロマノフ家の帝位請求継承をまとめた文書や研究は皆無なので(そもそも研究価値)

2018-08-02 23:23:18
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1枚目はニコライ2世退位時点の、ロシア皇位継承者の順位です。 うち赤字は革命で処刑された皇族。 こう見ると処刑を逃れ、筆頭継承者となるのはキリル大公ですね。 2枚目は革命後に残った皇族です。 うちグレー背景が貴賎結婚をした皇族、黄色は未婚の皇族です。 pic.twitter.com/zBzloxjP3q

2018-08-02 23:56:51
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そして筆頭請求者となったキリル大公は1924年に 「ロシア皇帝キリル1世」を自称しますが、この称号に対し生き残ったロマノフ諸公は反発しました。 彼が皇帝権限と称して勝手に称号を乱発したのも要因ですが、親族のロマノフ諸公は革命時の「ニコライ2世に対する裏切り」を忘れてはいませんでした。 pic.twitter.com/GSQUxCoYNu

2018-08-03 00:00:30
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キリル大公は、革命後に宮殿で軟禁されていたニコライ1世一家の警護にあたった兵士の上官だったにも関わらず、暴徒が増えるやいなやキリル大公は兵を引き上げ雲隠れしてしまいます。

2018-08-03 00:02:38
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水兵隊長でもあったキリル大公の逃亡により、皇帝一家や近縁の皇族は逃げる手段を喪い、また警護兵を引き上げられたことで守るものがいなくなりました。 これを忘れなかったロマノフ諸公は「キリル大公、憎し」と恨みを忘れず皇帝位自称を支持しなかったそうです。

2018-08-03 00:04:37
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とうの逃げたキリル大公は何をしてたかっていうと、 「自分の宮殿に赤旗を立てて革命を支持し」 「革命体制の赤い帽子付けて」 「国会臨時委員会に対し皇帝への反忠誠発言」 を行ったとも書いてあります。 これが数年後に「自分こそ皇帝」って言っても、むしろ親ニコライ2世から見れば仇です。

2018-08-03 00:08:48
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ロマノフ諸公たちは「そもそも、キリル大公は貴賎結婚だから継承権が無い」と主張しました。 キリル大公は確かに貴賎結婚(しかも秘密で!)をして当時の皇帝から国外追放されていますが、代変わりしてニコライ2世になると赦されて復権した経緯があります。

2018-08-03 00:11:43
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キリル大公はこの復権の際に「継承権の復活」も認められたと(恐らく)主張しますが、それならそれでニコライ2世からの恩を仇で返したことになりますね。 その結果として反発する一派は、女系で最近縁(ニコライ2世の最年長の甥)であるアンドレイ・アレクサンドロヴィチを支持しました。 pic.twitter.com/0hw3NxOC9L

2018-08-03 00:16:38
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しかしアンドレイ・アレクサンドロヴィチ自身も(貴賎結婚のラインに触れるか怪しい)イタリア貴族の娘(しかも結婚当時は非正教徒)との結婚により 「貴賎結婚でキリル大公の継承を認めないなら、じゃあアンドレイ公も同じ立場ではないか」 と論破される事態に。

2018-08-03 00:20:26
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この時点で「男系でかつ貴賎結婚をしていない」という事項を優先した人々は幻滅しソビエトの海に消失した

2018-08-03 00:28:51
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ちなみにこのアンドレイ公の末娘が、現ロマノフ家協会の会長であるオリガ公女だったりする。

2018-08-03 00:36:38
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話はキリル大公に戻る。 「キリル大公の結婚は貴賎結婚」というが、妻はザクセン家の人物なので血縁と地位が問題ではない。 大スキャンダルを起こした(詳細は省くが)ために皇帝の勘気を被り、貴賎結婚と扱われたようだ。

2018-08-03 00:38:02
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「皇帝キリル1世」の一派は、正統王朝主義者(レギチミスティ、легитимисты)を名乗ったが、当のキリル大公はソヴィエト体制を容認した社会主義的帝国としての復活を思索までしたことから、反発する層の幻滅を受けた。

2018-08-03 00:40:20
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しかし「最近縁の男系系譜」であるキリル大公を支持する一派は勢力を持っており、彼らは「キリル大公は貴賎結婚ではない」としてその正統性を訴えた。 だがその状況が崩壊する瞬間が訪れた。

2018-08-03 00:44:13
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キリル大公の唯一の息子、ウラジミール大公が貴賎結婚をしてしまったのである。 …これは貴賎結婚ではないからセーフ! といった本人の息子が貴賎結婚をしてしまったのである! (大事なことなので二度ry) pic.twitter.com/uqQTjSgC8T

2018-08-03 00:47:02
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とはいえヴラジーミル大公の妻は、ロシアに国土を併合され王位を消失した旧グルジア王家の血統なのだが… この、「併合され王位を消失」かつ「臣下となった旧王家」一族と結婚したことは、「これぞ貴賎結婚である」と、反キリル大公だった諸派閥は攻撃した。

2018-08-03 00:50:19
はくえー🔱【各国の王侯情報紹介】from:西方元老院 @tomoshibi6o6o

つまり、 「キリル大公の貴賎結婚は認めない」 「アンドレイ公だって貴賎結婚してるじゃないか」 「おれは皇帝から許可もらってるし!」 「おいお前の息子が貴賎結婚してるぞ!」 という、見るからに(なすりつけあいで)汚い展開となった訳である。 これには王党派もガッカリ

2018-08-03 00:52:39