2001年からの「公共交通データ標準」の宿題と「標準的なバス情報フォーマット(GTFS-JP)」

伊藤昌毅(niyalist)さんは、東京大学生産技術研究所の助教で、国土交通省の標準的なバス情報フォーマット利活用検討会の座長をつとめるなどされています
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Masaki Ito @niyalist

交通事業者は乗ってもらって稼ぐわけだし、今もそのために時刻表とか一生懸命作って印刷して配ってる。この努力とコストを、スマホがこれだけ普及した時代にどこに向けるかという話。データがだいぶ出てきたので、そろそろオープンデータが利用促進に繋がる姿を、誰にも分かる形で成り立たせたい。

2018-08-02 16:20:30
Masaki Ito @niyalist

しかし、国交省自動車局による「公共交通データ標準」が出来てから、15年以上経つのか?ようやく一つの宿題の終わりが見えてきた感じ。30年前に駅すぱあとが、20年以上前にジョルダンによる時刻表を使った検索が出来てた日本が、まさかこの分野で世界の主導権を取れなかったなんて、思わなかったよね。

2018-08-02 16:24:24
Masaki Ito @niyalist

でも多くの事業者は、データの整備や流通の複雑な仕組みの中で、情報を届けたい思いはあっても、手間やコストを前に二の足を踏んでいる。社内上層部の理解もまだ難しいことも多い。今ある仕組みを完全に置き換えられれば楽なのに、と思ったりもして、IT屋としては歯がゆい思いをすることになる。

2018-08-02 16:36:18

Masaki Ito @niyalist

ご指摘は、国交省自動車局における公共交通データ標準関連の事業についてですよね。GTFS登場以前からの事業ですし、2016年からの国交省総政局における「標準的なバス情報フォーマット」の議論の際にも参照しています。 twitter.com/faracat/status…

2018-08-05 10:17:19
🏳️‍🌈超絶☆晴れ女☆ふくみん🏳️‍🌈 @faracat

@Sujiya_System ちなみに!何度も言いますが!愛媛県の伊予鉄道さんは15年前からリアルタイムの乗継検索してますから!

2018-08-04 14:57:42
リンク 日経 xTECH(クロステック) 路線バスの運行情報をオープンデータで配信、岡山県の両備HD 岡山県のバス事業者である両備ホールディングスは2018年8月2日、路線バス78路線の時刻表や遅延情報などをオープンデータとして提供し始めた。公共交通業界で事実上の標準となっているデータ形式の「GTFS」に準拠した。 4 users 60
Masaki Ito @niyalist

国交省自動車局による事例の報告書はこちら。伊予鉄における事例について、かなり詳しく載っています。日本の最先端ですし、おそらく、世界的にもかなり早い事例。ただ、2016には当時の資料や記憶は国交省にほとんど残ってなく、ツールのCD-ROMも見つかりませんでした。 mlit.go.jp/jidosha/busloc…

2018-08-05 10:27:46
Masaki Ito @niyalist

岡山については、明らかに宇野バスの後追いですので、プレスリリースには「商用バスロケで全国初の標準フォーマットによるオープンデータに対応」とかなり苦しく書いています。日経TECHの記事はそれは理解してますが、「両備HD以外の路線バスは遅延情報などが反映されておらず」は間違いですね。

2018-08-05 10:24:35
Masaki Ito @niyalist

私が個人的に路線バスデータのオープンデータ化(今風のオープンデータという考え方は、2012年頃から出てきたものです)を始めたとき、フォーマットは悩みでした。当然当時の国交省標準も考えましたが、採用事例が少なく、開発が続いているようには見えない。そのためGTFSを採用した経緯があります。

2018-08-05 10:32:09
Masaki Ito @niyalist

今回の関係者で、自分たちがやっていることが「日本初」であると思ってる人はいなくて、2006年の報告書時点で必要性もメリットも実現可能性も明らかだったのに、技術以外の壁に阻まれ出来ていなかったバスロケの「標準化」を、今風の「オープンデータ化」と合わせて実現しようとしているわけです。

2018-08-05 10:42:52
Masaki Ito @niyalist

「オープン」の意味はIT業界でどんどんずれていて、オフコンでなくワークステーション、PCを使うこと、Javaを使うこと、オープンソースにること、今ならサービスのAPIを提供することなど、その時々の技術的事情で変わりますが、要は技術屋サービスの連携の実現と選択肢の拡大だと思います。

2018-08-05 10:50:49
Masaki Ito @niyalist

バスの静的、動的情報の標準化は、「公共交通データ標準」時点でぶっちぎりで日本がリードしていたので、GTFSではなく、これが世界に広がる可能性もあったと思います。普及しなかった理由を、私自身は「早すぎたから」と説明するのですが、とても残念に思っています。

2018-08-05 10:53:57
Masaki Ito @niyalist

とはいえ、一度予算をつけた事業を再度国が実施するのはとても大変だったと思うので、国交省がこの分野にまた取り組むのを、私自身はあまり期待していなかったですし、2016年に検討会を立ち上げたのはとてもありがたく思いました。目指すものは、どう見ても2001-2006頃の取り組みと同じものですので。

2018-08-05 10:58:17
Masaki Ito @niyalist

2016年の検討会は、結果的に「標準的なバス情報フォーマット」を公開するに至ったわけですが、12月開始時点でそのような出口は見えてなかったのも事実です。何らかのフォーマットを定めた方がいいよね、という雰囲気の中から、当時の室長の決断などもありGTFSベースでの提案となった経緯があります。

2018-08-05 11:01:43
リンク www.mlit.go.jp 報道発表資料:「標準的なバス情報フォーマット」を定めました~ 経路検索におけるバス情報の充実に向けた取組 ~ - 国土交通省 国土交通省のウェブサイトです。政策、報道発表資料、統計情報、各種申請手続きに関する情報などを掲載しています。 23 users 462
リンク Wikipedia General Transit Feed Specification General Transit Feed Specification (GTFS) は、公共交通機関の時刻表と地理的情報に関するオープンフォーマットである。GTFSのような共通のフォーマットで情報が公開されることで、複数の公共交通機関の情報を利用する経路検索などのアプリケーション開発が容易になる。 GTFSのデータは複数のCSV形式によるテキストファイルに記述され、ひとつのZIPファイルにまとめられる。テキストエディタや表計算ソフトで扱え、小規模事業者でもデータを作成しやすいことがCSV形式が選ばれた理由 4 users 77
Masaki Ito @niyalist

GTFSベースでいいよね、となった理由として、すでに世界的なデファクトスタンダードになっていたこと、すでにGoogleを離れて、MicrosoftやAppleなども採用していたことなどがあります。国として特定企業を推すわけではないという形はありましたが、それでも、英断だったと思います。

2018-08-05 11:04:45
Masaki Ito @niyalist

長くなりましたが、世界最先端だった当時と今との間に断絶があり、結局Googleの力で標準化が行われたのは残念に思っています。ただ、現実として今はこのレベルに追いつかないと、次に進めないと思っています。それが、私が今「標準化」「オープンデータ化」に取り組んでいる理由です。

2018-08-05 11:14:14