「戦争体験」には、所謂「平和学習」の文脈から外れる、奇妙な体験談も混ざるという話(勿論深刻な話も、深刻過ぎて笑い話にするしかない話も)

1億人の共通体験である以上、食糧事情も危険の度合いもグラデーションがあって当然だし、タイトルにも入れたように「笑い話のようなことしか語れない」という心のひだも当然あるでしょう。それでも、「いわゆる戦争体験」の文脈を離れた証言も、まずは残しておかねばならない…と思います。カテゴリーは「歴史」で
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悠木 灯 @y_tomo28

3話目、完結です。 最後だけ長くなっちゃいました🙃でもじいが生きてるうちにこんな話ができてよかった。戦争反対。 pic.twitter.com/ZXsL3BQn7h

2018-08-08 23:10:18
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とーり(手洗いうがい) @toori174

今日8月17日は特攻隊員だった祖父の出撃予定日 それにまつわるエピソードを少し 祖父は人間魚雷・回天の搭乗員だったので、出撃していれば生還は100%不可能だった (回天は中から脱出できないので失敗した場合は青酸カリ飲んで自決する) 死ぬ事が決まっているので悲嘆にくれた…訳では全くなかった

2018-08-17 23:19:19
とーり(手洗いうがい) @toori174

祖父は徴兵無ければ、近鉄だか阪急だかの球団に入団が決まっていたほどの偉丈夫でイケメンだったので、慰問に来た女学生に大変モテた。そこで婆ちゃんと出会った…んだけど、婆ちゃん網元のお嬢様。片や死ぬ事が決まってる特攻隊員。婆ちゃん方の親が認めるはずもなく、二人は密会していたんだけれども

2018-08-17 23:22:22
とーり(手洗いうがい) @toori174

日中堂々と会えない二人は、灯火管制下の夜に浜辺で会ってた。でも回天の基地は離れた小島にあったので、祖父はなんと毎回夜に基地を抜け出して、1~2㎞くらいある夜の海を泳いで渡っていたらしい 夜でも鮫に襲われる可能性あったので、赤ふんどしを思い切り伸ばして泳いでったので、当然疲れ果てる

2018-08-17 23:26:06
とーり(手洗いうがい) @toori174

婆ちゃんはそうまでして会いに来てくれる祖父に惚れちゃって、浜辺で逢瀬を重ねた。灯火管制下の浜辺、晴れてた時には星がそれは綺麗だったらしい 特攻隊員の方は達観して覚悟決めて、静かに死に赴く…ってイメージあるけれど、死を間際に控えた祖父のエネルギッシュさがとても印象に残った

2018-08-17 23:30:47
とーり(手洗いうがい) @toori174

この話は祖父の死後、初めて婆ちゃんから聞いたんだけど 祖父は祖母の話はせず、ただ特攻隊員だった事に関しては「出撃まではチョコレートやソーダみたいな甘味も肉も魚も食い放題で、あの時期に良い思いしたな!」と大笑いしてたのを覚えてる まあこんな特攻隊員もいたんだよという、そんなお話

2018-08-17 23:36:58
とーり(手洗いうがい) @toori174

ちなみに爺ちゃんが夜に渡ったという海域の特定はしたんだけども 海流早いし深いしで、昼間でも相当の熟練者じゃないと渡れんのが分かって 爺ちゃんどんだけエネルギッシュやねん、と一瞬でも同じ海域を夜泳いでみよかーと考えた孫は苦笑いでしたとさ

2018-08-17 23:40:48