成漢建国記 第1部 野望惹起編

ツイッターで連載している『成漢建国記』のまとめです。中国西部の略陽から南下し、益州及び漢中に割拠した李一族を中心とした物語です。 李一族が略陽から南下し、その代表者・李特が流民らの人心を得て、その頭領となるまでをまとめました。
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ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 76 閻式軍:100名対李特軍右軍:25名、交戦開始。任回軍:100名対李特軍前軍左軍:65名、交戦中、李特軍優勢、任回軍総崩れ寸前。楊褒軍:100名対李特軍本軍後軍:10名、交戦寸前。全方面で兵の数で劣勢であり、李特自身も全部の軍と戦うのは想定外であった。李特は覚悟を決めた。 #成漢建国記

2018-08-04 13:42:19
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 75 現在の交戦状況である。賛成軍(総大将:閻式 以後閻式軍と記す)は李特軍と交戦。反対軍(総大将:楊褒 以後楊褒軍と記す)李特軍と交戦寸前。中立軍(総大将:任回 以後任回軍と記す)李特軍と交戦。李特軍(総大将:李特)自軍以外の軍と交戦。 #成漢建国記

2018-08-04 13:34:29
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 74 右軍は賛成軍に向かう。知らせを受けた李特は言葉を失った。全軍との総戦となってしまった。李流は分別のつく男であるが、一度タガが外れれば行き着くとこまで行く。激昂状態の李流は、他の兄弟をもってしても止められないほどだ。これを見た反対軍がゆっくり動き始める。 #成漢建国記

2018-08-04 06:52:24
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 73 からかいはエスカレートした。李特軍は我慢したものの、調子に乗った賛成軍の兵が李特軍の兵を小突き、激昂した兵が争いを始めた。右軍大将の李流はこれを収めようとした。しかし散々に罵詈雑言を受け、プッツン切れた李流は瞬く間に数人を打ち据え、交戦状態に突入した。 #成漢建国記

2018-08-04 06:44:29
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 72 発端は近傍に位置した賛成軍が李特軍にちょっかいをかけてきたことによる。賛成軍の幹部らは、李特に協力的であるものの、それ以外の者らは決してイコールではなかった。新しく入って、いきなり主導しようとする李特を快く思わぬ者もいた。その者らは、からかいを始めた。 #成漢建国記

2018-08-04 06:38:28
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 71 中立軍は千々に乱れた。統率すべき指揮官も軍の再編に追われ、反撃しようもなかった。反対軍は李特軍と交わらず静観の構えをとった。李驤隊及び李庠隊は、中立軍にとどめを刺さんとしていた。そこに予想外の出来事が起きた。李特軍と賛成軍が戦端を開いたのである。 #成漢建国記

2018-08-04 00:38:02
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 70 中立軍の反応は抵抗する者、自ら鉢巻を取って戦闘放棄する者、逃げまどう者、様々であった。左軍は前軍の側方から中立軍を蹴散らしていく。右軍は本軍及び後軍の前方につき、万が一に備える。李庠は李蕩と李離に、速やかに鉢巻を奪って、次の相手に向かえと指示した。 #成漢建国記

2018-08-03 16:43:02
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 69 叫声と悲鳴入り混じる乱戦状態でも李驤は一直線に総大将の元に突き進む。「どこじゃあ、総大将!李特軍前軍大将の李驤のお出ましじゃあ。さっさと出てこんかぁぁ」李驤はただ薙ぎ倒せば良かった。やがて李驤の前に人がいなくなり、左右に分かれていった。恐怖は伝染する。 #成漢建国記

2018-08-03 13:46:47
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 69 李驤隊は敵と接触するや、一気に押し込む。先頭を行く李驤は短い棒を縦横無尽に振り回す。混戦時に配慮しての選択である。李驤の一撃で倒れ、気絶したり失神した者らの鉢巻を後続が奪取する。どっちつかずの中立軍は否応無く戦うことになり、そこかしこに混乱が生まれた。 #成漢建国記

2018-08-03 13:35:59
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 68 他の3軍は硬直した。迷うことなく進む迅速さもそうだが、普通であれば対立する反対派の軍に向かうと思っていたからだ。李特の考えは旗幟が明確でなければ、こちらにつくかどうか分からない軍こそ、与し易いと判断した。中立派の軍は隊形も曖昧で、まとまりを欠いていた。 #成漢建国記

2018-08-03 13:28:36
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 67 李特は李驤にある指示を出していた。その後、自軍以外の軍容を見て、その指示に確信を持った。やがて、試し合戦開始を告げる角笛が高らかに鳴り響く。それと同時に李驤隊は即座に行動を開始した。一直線に向かったのは、中立派の軍であった。叫声をあげ李驤隊は進んだ。 #成漢建国記

2018-08-03 13:17:32
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 66 各軍が隊形を整える。李特軍は菱形状に配列する。前軍、左軍、右軍、本軍及び後軍が布陣した。前軍大将の李驤は今か今かと開始の合図を待つ。左軍大将の李庠はいつもと変わらず。右軍大将の李流は若干強張った表情を見せる。総大将の李特は悠然と腕組みしてその時を待つ。 #成漢建国記

2018-08-03 13:06:05
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 65 まずは4軍の総大将が集まる。決まり事の確認である。飛び道具禁止、武器は長短それぞれの棒、防具は盾と皮の鎧、参加者は鉢巻を取られたら討死と見なす。全員の鉢巻を取る、総大将の兜を取れば勝利。各総大将はこれを遵守するとの誓紙を書き残した。いよいよ開始である。 #成漢建国記

2018-08-03 12:56:17
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 64 4軍合計400名が試し合戦の場へやってきた。場所は南鄭郊外の平原である。かつてこの地を治めた蜀漢軍が練兵場として使っていたらしい。練兵するために使われただけあって、数百名が集まったところで何の問題もない。太守には抜かりなく付け届け等の根回しのおかげである。 #成漢建国記

2018-08-02 23:22:08

第4章 頭領志向編

ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 63 面々が集まったところで李特は言う。「どうやら、この試し合戦、4つの軍が出るそうだ。我らに与する者、抗する者、日和見を決め込む者、どう転ぶか分からぬ。ああだこうだ考えるのは面倒、我が軍の指針は『向かう敵は全て倒す』これに尽きる。全ての力、まずはこれに注げ」 #成漢建国記

2018-08-02 23:12:21
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 62 李流が問う。「兄上、本軍に人員を割いては?」「いや、戦に長けた者に多くの兵を預ける。我の守りなどこれで十分。玄龍、お前が要だ。しっかりやれ」「おう!俺ら前軍で全部やってやらあ」李庠が言う。「玄通、我らの動きも重要だ。敵軍の動き、前軍の動き、よく見よ」 #成漢建国記

2018-08-02 18:41:43
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 61 前軍に李驤以下40名、左軍に李庠、李離、李蕩以下25名、右軍に李流、李国、李雄以下25名、後軍に李含、李攀、李恭以下5名、本軍に李特、李始以下5名の配置となった。先鋒に攻撃力最強の李驤を置き、左軍及び右軍が状況により流動的に動く。本軍及び後軍は予備兵である。 #成漢建国記

2018-08-02 18:33:54
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 60 李特の元に指揮官が集まる。指揮官は一族が担当する。李庠、李流、李驤、息子の李始、李蕩、李雄。李特の妹婿・李含、息子の李離、李国、一族の李攀、弟の李恭という面々である。皆、精悍かつ引き締まった表情であり、これを見た李特は彼らを頼もしく思った。 #成漢建国記

2018-07-29 09:00:36
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 59 残り5日、李特らはやれる限りの準備を整えた。一族及び流民の中から精鋭を選抜する。並行して武器防具の準備も行われた。李特は各作業の進行を聞き、あとは総大将として、決戦の日を待つだけであった。5日はあっという間に過ぎ、準備万端整って、決戦の時が来た。 #成漢建国記

2018-07-28 13:26:33
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 58 李特は主だったものを集めた。「自衛団は訓練を重ね、いつでも戦える準備を整えていた。玄序、玄通、玄龍はすぐに100名の選抜に当たれ。厳しい目で見極めよ。伯起、仲平、仲儁は武器防具を揃えよ。良い物を選び、用意するのだ。5日後までに最強の軍を揃えるのだ」 #成漢建国記

2018-07-27 23:04:41
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 57 参加者で試し合戦の概要が練られた。騎馬、飛び道具はなし、武器は長短の木の棒のみ。防具は皮の鎧に盾。人員は指揮官を含め100名で行うこととなった。肯定派、反対派、中立派から1軍を選抜することとなり、この結果で流民の指導的立場をどうするかを決することになった。 #成漢建国記

2018-07-27 22:54:24
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 56 「民を守れぬ者に統べる資格などない。自衛団が強ければ強いほど、民を理不尽から守れよう。もしもこれに敗れれば、我はヌシらの下で働く。いかがか?」ざわつく場内、しかし豪胆な楊褒は受けて立つ。「受けた。であれば、決まりを作ろう。これで死人が出ては困るゆえ」 #成漢建国記

2018-07-27 08:20:22
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 55 肯定派、反対派が意見を戦わせる。しかし、交わらずに平行線を描くのみだった。ようやく李特が口を開く。「これではまとまらぬ。ならば楊褒殿、ヌシに民を守る気概はありや?」「無論、壮健な者らを集め、自衛団も抱えておる」「であれば、試し合戦したらいかがか?」 #成漢建国記

2018-07-27 06:30:14
ああだこうだ @ryoushin_16

成漢建国記 54 「ここで一つにまとまらねばならん。我らは流亡の身である。そのことからも侮られ、蔑まれる。そうさせぬための名案であろう」「納得いかんな。バラバラであればこそ、様々な意見が出しやすく、柔軟のある動きができるのでは?」李特は押し黙り、成り行きを見守った。 #成漢建国記

2018-07-27 06:16:41
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