鹿野治助『エピクテートス』読書メモ集
- arishima_takeo
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「エピクテートスという名が、彼の本当の名かどうかはわからない。ニックネームではないかとも言われる。ある学者は「奴隷を意味する形容詞に過ぎない」と言っている」(鹿島治助『エピクテートス』)。へぇー。
2018-08-26 15:41:54心像とは「魂における痕跡」である。感覚する限り、動物といえども魂に物の刻印を受ける。そしてその刻印とその前後の経験が結びついて、快や苦を生じ、したがって欲求や忌避の行動となる。つまり心像の使用となる。by鹿島治助『エピクテートス』
2018-08-27 18:25:03宇宙はわれわれを必要としたから生ぜしめたので、必要なくなれば奪ってしまう。それだけのことである。だのに恐れたりこわがったりするのは、要するに、その事実に余計な「考え」を付加するからである。by鹿島治助『エピクテートス』
2018-08-29 14:32:23エピクテートスが結婚をすすめた時、デーモーナックスは「では先生の娘の一人を下さい」とやり返したとある。by鹿島治助『エピクテートス』
2018-08-29 15:09:46犬儒の宇宙国家的な考えは、悪くいえば敗戦の哲学、負け惜しみの哲学であるが、善くいえば新生の哲学、悟道の哲学であった。by鹿島治助『エピクテートス』
2018-08-29 15:12:49哲学を生かじりした者は、とかく胃病患者のように、直ぐ吐き出して人に見せたり、教えたりしたがるものだ。by鹿島治助『エピクテートス』
2018-08-29 15:22:37勉強しなかったり、この世が気にくわぬという者に対しては「出て行くがいい、戸はいつも開いている」と言うのであった。つまり死んでしまえという言い方は日常のことであった。by鹿島治助『エピクテートス』
2018-08-29 15:26:37「筆者はかつてある未知の人から葉書をもらった。それにはエピクテートスの哲学は、戦場で非常に役に立ったと書いてあった。この人に限らずストアは多くの人に役立ったのではなかろうか」(鹿島治助『エピクテートス』)。いい話だと思うんだけど、それ故にこそ危なっかしさも感じる。
2018-08-29 15:34:45無理なことを言われても、じっと辛抱するために何事もないのと、無理なことを言って来ないために何事もないのとでは、もとより同じではない。しかし結果的には同一である。このようなことはエピクテートスの中に時々出て来る。by鹿島治助『エピクテートス』
2018-08-29 15:37:20「マルクス主義のように社会とか国家とか外部の世界を変革するのではなく、自分の心を変革するのである」(鹿島治助『エピクテートス』)。マルクスは世界を変えよと言った、ランボーは人生を変えよと言った、この二つは同じものなのだ、とブルトンは言ったのだ。
2018-08-29 15:43:29「ソークラテースは満足して牢獄にいたために牢獄は牢獄でなかったし、またいやいやながらいる人にはそこは牢獄だ、とエピクテートスは言うのである」(鹿島治助『エピクテートス』)。ワタミの社長とか好きそう。
2018-08-29 15:46:37というわけで、鹿野治助『エピクテートス』読了。一見簡単に書いてるけど、文章に含蓄があって素晴らしいね。名文。新書でもやっぱり昔のは信頼できますね。そんなわけで、オレも今日からストア派になろーっと!
2018-08-29 15:57:15意志に由るものと意志外に由るものをきちんと分割しましょうというエピクテートス的教えって、当世風にいうと中動態がどうのこうのみたいな話で斥けられちゃう気がするけど、まあ大事なことだよね。
2018-08-29 16:01:09世の中の大抵の揉め事は、意志外なのに意志できたはずだって転倒的に怒ったり、意志なのに意志外にアウトソーシングしちゃうことで生じる気がする。
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