編集部イチオシ

小説と漫画や映像作品の表現の違いについて

備忘録なので。
62
高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

この、ラインを引いた部分に、小説と漫画や映像作品の物語の進行速度やそのシーンにかける労力の差がよく表れてると思う。 これが、小説の映像化が難しいことの証明でもある。 pic.twitter.com/5bMPbRWdeD

2018-09-05 14:54:49
拡大
拡大
高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

でも、この意味を指摘されずに理解できる人ってあんまりいなさそうなんだよね。指摘されて初めてああってなる知識だと思う。

2018-09-05 15:03:59
高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

で、ちょっとこれについての解説をしたいと思う。受け売りばかりの知識からの論の組み立てなので申し訳ないが。

2018-09-05 18:08:27
高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

まず、小説(文字媒体)と絵、あるいは映像媒体の差について説明した方が早いと思う。 結論から言うと、以下のようになる。 小説などの文字媒体は、読者に想像させる事で情報を伝える娯楽媒体。 漫画や絵、映像媒体は、小説で想像させていた部分を形にして提供する娯楽媒体。

2018-09-05 18:12:06
高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

例を挙げると、以下になる。 俺は、友人に言われたその屋台ラーメンをすすった。 美味い。食堂で食べるラーメンのような素っ気なさの中に、鶏ガラや野菜の出汁が程よくブレンドされた確かな旨味がある。 俺は夢中で口にかきいれるように食べ、気付いた時には丼に汁一滴残っていなかった。

2018-09-05 18:28:51
高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

つまり、これがどういうことかというと、食べているラーメンがどう美味いのかを伝える事で、読者の中にあるラーメンの味を思い出させるのだ。 それが、小説の情報の伝え方になる。 ただ、問題が一つある。 この美味い情報を、読者が得ていない場合だ。

2018-09-05 18:30:41
高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

そうなると、もうお手上げだ。どうしようもない。 ここが致命的な文字媒体の弱点で、共通認識が読者との間にできていなければ、そんなにうまそうじゃないなぁ、となってしまうのだ。 それを防ぐためのテクニックはあるにはあるが、それは置いておく。

2018-09-05 18:36:41
高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

これを漫画や映像で描くと、手間がかかると思う。それも相当な。 孤独のグルメ以外のグルメドラマ(食レポドラマ)が、どれもイマイチなのもここに理由があるわけだが、それはともかく。 このスレッドの冒頭にあげたものも、先ほどのラーメンの描写と同じことだ。

2018-09-05 18:50:50
高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

つまり、言葉は絵ではない。絵ではないからその絵を想起させる文章を書かなければならない。そしてそれは、むりやりビジュアル的な表現を用いることではない。 相手の知識という戸棚を文字で引き出し、思い出させるか類推させ想像させればいいのである。

2018-09-05 19:09:12
高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

そこで、最初の方で述べた結論の話になってくる。 つまり、冒頭の場合、幾人もの人間がわらわらと一人の男を取り押さえるために殺到したことを伝えればいいだけだ。 犯人の細かい描写など必要ないし、取り押さえる男たちがやれ足にタックルしただのなんだのといった描写も必要ない。

2018-09-05 19:13:43
高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

だから、読者が想像する部分を肩代わりして描写する必要のある漫画や映像作品はここで苦労するということになる。 もちろんこれは小説と漫画、どちらが優れているかという、優劣の決定の話ではない。表現方法が違う、というだけの話だ。

2018-09-05 19:16:02
高嶋ぽんず@有識者 @ponzz

締めが思いつかないな(笑)。慣れないことはやるものではない。 兎も角、この手の小説の描写はだからこそ映像作品と違って特殊で、筆者の取捨選択も重要になってくるし、読者に伝える情報の圧縮度も肝要になってくるというわけだ。

2018-09-05 19:22:16