だから、今回の新潮45についても、何か「自分はこういったスタンスで書いたんだ」という説明なく、「とにかく叩かれてるけど私は元気だし、今はSNSでの発信は控えなきゃいけない状況だけども、これから時間が経てばまたこういった歴史戦の最前線でいろいろ報告していきますよ」という意思表明を
2018-09-20 21:16:47身内にしているという格好だったのですね。一方で新潮45の問題について、杉田水脈議員が書いた文章についてきょうは具体的な説明をされることもなく、メディアに対して今まで説明されるということもなく、
2018-09-20 21:16:47各番組、各局、この番組を含めて問い合わせを行っている質問状に対してもゼロ回答の状況が続いているわけですね。こういった状況の中で、大きな問題が二つあります。一つは、杉田水脈議員がこうした思想の持ち主だということは以前から分かっていた。
2018-09-20 21:16:47その議員をフックアップしたというか、拾って「自民党においで」っていう形にしたのが、ジャーナリスト櫻井よしこ氏の発言によると、安倍総理が熱心に口説いたという説明になっていたんですね。ということは、安倍さんは製造責任があるというか、こういう思想や文章についてどう思っているのか。
2018-09-20 21:16:48仮にヘイトは許さないとか攻撃は許さないというのであれば、「こうした価値観に私は与しない」としっかりメッセージを出し、そこについては何かしらの処分なのかあるいは叱咤なのか、そうしたことをする必要があるわけですね。でも「若いから頑張ってくれ」とテレビで発言しているんですよ。
2018-09-20 21:20:31南:……はい。 荻:ね。総裁選の最中で。そうした一つの政党政治のあるいは議員としての振る舞いの問題が出てくる。もう一つは、新潮45が先日バージョン2というか特集2というか、上塗り2を出した。その結果、この問題について新潮社としてこういった雑誌で応答していくこと、
2018-09-20 21:20:31こういったマーケットでこういった言論を続けていくことを宣言したという形になるわけですね。 南:うーん……。 荻:ただ、新潮45の一つの企画として、また杉田水脈議員擁護の文章をたくさん載せたわけですが、他方でこの件については新潮の社内でもかなり意見が割れていて、
2018-09-20 21:20:32というか私が聞く限り新潮社の中では大半の人がこの件についてはいろんな負の感情を抱いていると、「なんじゃそりゃ」という感情を抱いていると、知り合いの新潮社の社員複数の方から聞きまして、僕がこういった批判をラジオや文章でしてしていることも知っていて、
2018-09-20 21:20:32「全面同意だからドンドン言ってください」ということを言ってくる人もいるのですね。また新潮のメディアって複数あるんですが、例えば広報部とかあるいは文芸とか複数のTwitterアカウントが、新潮45に対する批判をしているTwitterアカウントの書き込みをどんどんリツイートをしていて、
2018-09-20 21:20:33あるいは新潮以外の出版社の書き込みもさらにリツイートをしている。あるいは出版社でもない、例えばシャープみたいな企業がある種こういった公式アカウントが「社の内向きの方針と外向きの方針に引き裂かれた際に、対応に困ると思うけれども、でもコミュニケーションは必要だ」と、
2018-09-20 21:20:33ちょっと遠回しながらのエールをリツイートをする。担当アカウント主に送るといった、何かちょっと新しいというか続くような動きがネット上で起きています。新潮45はまあまあ部数は下がっていまして、
2018-09-20 21:20:33そうした中でこういったある種保守炎上商法とかリベラルアンチ商法といった形のマーケットに飛びついているわけですが、別に部数が回復しているわけでもないという状況があってですね、結構ジリ貧感が伝わってくるのですね。
2018-09-20 21:20:34でも今方向修正をすると、こういった路線で買う人が離れてしまったらどういうものを獲得していけばいいのかというビジョンも、実は内部でも確立しがたいような懐事情なのか、あるいはアイディア不足なのか、いろいろなものも透けて見えてくるのですね。
2018-09-20 21:20:34つまり政党政治の問題であると同時に、杉田水脈議員が投稿した段階で新潮45の問題でもあると。なんで校閲がちゃんと仕事をしていないんだと。でもそれに対して、さらに本人不在のままで擁護論文、論文じゃない擁護文章を次々と掲載する。
2018-09-20 21:23:33……論文って言い間違えちゃうんですけど、雑誌に載るときは論文が載るもんだというイメージが強いものですから、新潮45にもそういったものが載っているかと思ったらそうじゃなかったので、訂正しますね。さまざまな文章が掲載されていったのですが、そうしたものを掲載し続けるということが、
2018-09-20 21:23:33結果として新潮社とか出版業界とか書店とか、さまざまな文化に長期的にどんな影響を残すのかということを、いろんなTwitterアカウントをはじめとした各社が今発言し出していると。こうした発言の先に、出版とは何かとか、言論の両論併記が可能なところとそうでないところとか、
2018-09-20 21:23:34暴力性を持った言論とそうでないものとか、実証性のないようなものも多様な意見として本当に入れていいのだろうかとか、そうしたことも含めて色々な議論をする場ができればいいなと思っています。なんだかTwitterの公式アカウントの人たちでミーティングをしようというような、
2018-09-20 21:23:34それはおもしろそうだな動きもあったりして、いろいろな編集者が会社を超えてつながろうという動きもありますし、最近は出版社を辞めてウェブ企業に行くという人もとても多いんですね。僕の本の担当が「これを最後に作れてよかったです」と言ってウェブ企業に行くということが最近続きまして、
2018-09-20 21:23:35「売ってから行ってくれ」と思わなくもないんですけれど。もうちょっと営業期間あるので、そんなに急がなくてもって思ったりするんですが、ウェブ空間でいろいろ言論をやっていこうという人たちも増えている中でどうするかという疑問、というか問いもあるので、その動きを注目したいと思いますし、
2018-09-20 21:23:35社内で校閲しないのだったら私が、すいません勝手にですけれど「ここ、誤字がありますよ」とか「ここ明らかな間違いですよ」ということをちゃんと言っていくことで情報の共有に少しでも手助けできればなと思います。(了)
2018-09-20 21:23:36