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【勝ち組】なぜトランプ氏は大統領を目指したのか?【負け組】

まとめました、よろしくお願いします。
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はじめに

2017年1月に、国際基督教大学教授・学務副学長の森本あんりさんが、「なぜトランプ氏は大統領を目指したか」をキリスト教の信仰面から考察した記事を発表されました。
↓(現代ビジネス:トランプが心酔した「自己啓発の元祖」そのあまりに単純な思想)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50698

この記事が非常に面白かったため、自分の思う所をツイートし、記録として残すことにしました。

私のキリスト教に関する知識は、Wikipediaベースの浅いもので、キリスト教徒の方は怒られるかも知れませんが、素人の妄言と思って笑っていただけるとありがたいです。

キム @Kim_Kaphwan11

リンク先は、国際キリスト教大学副学長の森本あんりさんによる、「なぜトランプ氏は大統領を目指したのか」を信仰面から考察した記事です。 非常に読み応えがありました。 トランプが心酔した「自己啓発の元祖」そのあまりに単純な思想 gendai.ismedia.jp/articles/-/506… #現代ビジネス

2018-09-24 07:47:17
キム @Kim_Kaphwan11

日本で、他にこの視点による考察はなかったと思われます。 少し前の記事ですが、興味深かったので、いくつか思う所をツイートします。 私に森本あんりさんのような知性や知識はありませんので、稚拙な所も多々ありますが、よろしかったらお付き合い下さい。

2018-09-24 07:51:10
キム @Kim_Kaphwan11

記事では、まずトランプ氏の「師匠」とも言えるノーマン・ピール牧師を紹介しています。 ピール牧師といえば「ポジティブ・シンキング(積極的思考)」。 1952年に出版した『積極的考え方の力』はベストセラーとなり、世界中に影響を与えました。 ↓(積極思考) ux.nu/SPe7i

2018-09-24 07:51:10
キム @Kim_Kaphwan11

このピール牧師に青年時代のトランプ氏が心酔し、『「積極的思考」の生ける伝道者となった』と続けます。 ピール牧師も、トランプ氏を『最高の弟子』と言って褒めていたようです。 しかし、トランプ氏はピール牧師の教えを忠実に守っていたわけではないようです。

2018-09-24 07:51:10
キム @Kim_Kaphwan11

『ピールは他にも「謙遜であること」「怒りに身を任せないこと」「口を慎むこと」「人を憎まないこと」などを教えたが、これらはトランプの耳には届かなかったらしい』 トランプ氏の思想の原点となったのは、ピール牧師の教えと、不動産業者だったトランプ氏の父の姿勢だったようです。

2018-09-24 07:51:11
キム @Kim_Kaphwan11

『ドナルドはこうした不動産業の修羅場を体験しつつ、仕事に対する父の真剣で勤勉な態度を学んでいった』 『父は年に365日働いたという、働くのが心底楽しかったからである』 『父が息子に教えた最大の教訓は、一生懸命に働けば必ず報われる、という信念であった』

2018-09-24 07:51:11
キム @Kim_Kaphwan11

トランプ氏やトランプ氏のお父さんの思想には、「アメリカのキリスト教」の影響があるそうです。 記事では、『日本ではキリスト教の「本場」であるかのように思われているアメリカだが、そのキリスト教は大きく様変わりした亜種の一つである』と書かれています。

2018-09-24 07:51:11
キム @Kim_Kaphwan11

アメリカのキリスト教とは、概ねプロテスタント(新教)のことですが、確かにプロテスタントには勤勉に働くことを美徳とする傾向があります。 まあ「勤勉」自体は、洋の東西を問わず、さまざまな時代や場所で美徳とされています。

2018-09-24 07:51:12
キム @Kim_Kaphwan11

プロテスタントでは、さらに「自分に与えられた仕事(天職)を、一心不乱に全うすることが神の意思に適う」そして「神の意思に適う人には、神が祝福を与え成功し、救われる」という思想が生まれます。 ここに至る経緯は複雑なのですが、頑張って要約すると、以下のようになると思います。

2018-09-24 07:51:12
キム @Kim_Kaphwan11

①プロテスタント以前 カトリックでは「教会の言う事に従って善行を行う」→「神の意思に適う」→「救われる」でした。 教会は「神の言葉」や「神の意思」を独占し、教会に従わない者を「異端」として弾圧しました。 しかし教会はしだいに腐敗し、免罪符の販売等で信用を失っていきました。

2018-09-24 07:54:53
キム @Kim_Kaphwan11

②宗教改革 そんな中、ドイツの神学者マルティン・ルターが「信仰によってのみ人は救われる(信仰義認)」という思想を表し、宗教改革が起こります。 そしてルターの思想に共鳴した人達が「プロテスタント」と呼ばれるようになります。

2018-09-24 07:54:54
キム @Kim_Kaphwan11

つまり「神を信仰する(心から神を信じ、神に依り頼む)」→「神の意思に適う」→「救われる」という思想が生まれました。 今までのカトリックの救いに至るプロセスから「教会」と「善行」を抜くことに成功したわけですね。

2018-09-24 07:54:54
キム @Kim_Kaphwan11

③予定説 ルターと並ぶ宗教改革の旗手、フランスの神学者ジャン・カルヴァンは、ルターの思想を更に進め、「予定説」という思想を表します。 これは、「人が神に救済されるかはあらかじめ決定されており、この世で善行を積んだかどうかは関係ない」という思想です。

2018-09-24 07:54:55
キム @Kim_Kaphwan11

つまり、「誰を救うかは全て神が決める、人間には神の決定(神の意思)をどうすることもできない」という思想なのですが、ここでプロテスタントの人達は困ってしまいます。 多くの人は「自分は救われる」という確信を持てなくなってしまったのです。

2018-09-24 07:54:55
キム @Kim_Kaphwan11

「信仰によってのみ人は救われる」と言われてみても、24時間365日神の事を考え、神に祈っている人など稀です。 さらに信仰を行動(善行)で表すことも否定されてしまいました。 こうなると、多くの人は「救われるにはどうしたらよいか」わからなくなってしまいます。

2018-09-24 07:54:55
キム @Kim_Kaphwan11

④天職の誕生 困ったプロテスタントの人達は、ある意味「斜め上」の発想でこの問題を解決します。 「人にはそれぞれ神に与えられた使命がある(召命)」という考えは宗教改革以前からありましたが、プロテスタントの人達はこの使命を「仕事」と解釈しました。

2018-09-24 07:54:55
キム @Kim_Kaphwan11

「仕事」+「使命」=「天職」という概念の誕生です。 これで「神から与えられた使命を果たす」→「自分の仕事(天職)を頑張る」→「神の意思に適う」→「救われる」というプロセスが出来ました。 再び行動で信仰を表せるようになったわけです。

2018-09-24 07:54:56
キム @Kim_Kaphwan11

こうなると仕事することは「神から与えられた使命を果たす」ことになり、ひたすら真面目に、手を抜かないことが求められるようになります。 こうしてプロテスタントの人達は、禁欲的に仕事に打ち込むことで、救われるという確信を取り戻し、再び心の平穏を手に入れたのでした・・・。

2018-09-24 07:54:56
キム @Kim_Kaphwan11

⑤資本主義の発生 これで「めでたし、めでたし」とならないのが人間のメンドクサイところですね。 禁欲的に仕事に打ち込めば、少なくない人が「成功」します。 つまり頑張った結果、お金を儲けてしまったわけです。 これまでは「お金儲け」は「卑しいこと」とされていました。

2018-09-24 07:58:29
キム @Kim_Kaphwan11

しかし、ここでも発想の転換が起こります。 「禁欲的に仕事に打ち込んで成功し、その結果お金を儲ける」ことは「神の意思に適うことで、神が祝福を与えたからだ」と解釈されるようになります。 つまり、「利潤の追求」が正当化されてしまったわけです。

2018-09-24 07:58:30
キム @Kim_Kaphwan11

しかも「禁欲的」であることが求められていたプロテスタントの人達は、儲けたお金を自分の快楽のために使いませんでした。 一部は公共の為に寄付され、社会福祉の礎となりましたが、大部分はもっと仕事に打ち込む為に使われました。 つまり、事業拡大の為に「投資」されたわけです。

2018-09-24 07:58:30
キム @Kim_Kaphwan11

こうして資本の蓄積・集中が起こり、近代資本主義が発生したとドイツの社会学者マックス・ウェーバーは分析しました。 マックス・ウェーバーの理論については、こちらのサイトが良く纏まっており、参考にさせていただきました。 ↓ philosophyguides.org/decoding/decod…

2018-09-24 07:58:30
キム @Kim_Kaphwan11

かなり回り道をしてしまいましたが、ようやく記事にも戻ります。 記事では、アメリカに伝わったキリスト教(プロテスタント)は、土着化して変容したとしています。 アメリカのキリスト教の特徴は「この世の成功に対する考え方である」とのことです。

2018-09-24 07:58:31
キム @Kim_Kaphwan11

『アメリカでは、成功は神の祝福の徴(しるし)と考えられている』 『神が幸運を与えてくれなければ、どんなに努力しても、成功することはない』 『逆に、成功していれば、それは神が祝福してくれたことの証である』

2018-09-24 07:58:31