日向倶楽部世界旅行編第66話「実力VS策略」

決勝トーナメント一回戦第五試合、機動力に長けたハイドロチームは、最上たちに策を持って立ち向かう。ハイドロチームの策に対し、最上たちはどう戦うのか…?
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三隈グループ @Mikuma_company

しかしそれは、叶わなかった! 「ッ!うおァァッ!?」 ダイダリアの主砲が撃ち抜かれ、弾丸はあらぬ方向へ飛んで行ったからだ! そして撃ち抜いたのは! 「フフッ、確実に相手を狙うなら、相手の後ろに行くのが正しいものね。」 爪付き主砲灰狼爪を構えた、足柄であった!

2018-10-17 22:41:36
三隈グループ @Mikuma_company

「正しい、だから読める。背後からの"正しい奇襲"を選ばざるを得なかった時点で、あんたの負けよッ!」 足柄はよろめいて着水するダイダリアに狙いを定めると、灰狼爪を振り払って構え、彼にぐんぐんと詰め寄った! 「艤装が何処か分からないから、これで引き裂かせてもらうわッ!」

2018-10-17 22:43:01
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赤熱化する灰狼爪がダイダリアに迫る! それを見て狼狽えたのは、戦闘不能となっていたバトラー!彼は大慌てで叫び、通信を送った! 「…ッ!これは命に関わる、降参、降参だッ!」 バトラーは通信を送り、降参した!それと同時、試合終了のブザーが鳴り、アナウンスが響いた!

2018-10-17 22:44:13
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「そこまでッ!ハイドロチームの降参が認められました!そこまでッ!」 大きなアナウンスが鳴り、試合終了を告げた!足柄は即座に停止し、武器を下ろす。 「ただいまの試合!ハイドロチームの降参により勝者、Wヴィースト!」 スタジアムが歓声に包まれる、決着だ!

2018-10-17 22:45:22
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歓声の中、最上はフーッと息を吐き、額の汗を拭う。 「いや、勝ちましたね…」 終始優勢を保っていた試合だが、激しく動いた為に最上の息は上がっていた。そんな彼女に、足柄は余裕の表情で答える。 「ええ、まあ一回戦だし、このくらいで勝てないとね。」

2018-10-17 22:46:10
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ハイドロチームには確かな策があったが、最上達は高い実力を持ってこれを事前に阻止、破綻させ、そのまま押し切る形となった。実力差がはっきり出た、そう言える試合であった。 決勝トーナメント一回戦 Wヴィースト VS ハイドロチーム 勝者:Wヴィースト 〜〜

2018-10-17 22:47:34
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〜〜 試合終了後、着替えなどを済ませた最上達は控え室で少し休んでいた。 「フーッ…結構疲れたな…」 「フフッ、チャンピオンなんだからしっかりなさいな」 足を組んでスポーツドリンクを飲む最上に、足柄は笑って言った。すると最上も苦笑いして返す。

2018-10-17 22:49:01
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「いやまあ、疲れたって口に出すと、何となく楽なんですよねぇ」 ぐいーっと伸びをし、最上は空になったペットボトルを潰す。足柄はふーんと言いつつ、タブレットを口の中に放り込んだ。 やがて少しすると、最上はスイッと立ち上がった。

2018-10-17 22:50:09
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「あんまりダラダラしてもアレだし、出ますか」 「そうね、次の相手の事も考えておきたいし」 二人は手荷物を持つと、そのまま控え室を後にした。 「そういえば、結局ハイドロ団って何なの?」 「あっ…あいつらに色々聞くの忘れてたな…」 二人はだらだらと話しながら歩いて行った…。

2018-10-17 22:50:49
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そんな彼等と途中、すれ違うピンクの二人組がいた。 「あー雑魚ばっかでマジウケるわ、ミテラの連中の方がまだ強いんじゃね?」 その一人、ピンクの髪をした可愛らしい少女は、姿に似つかわしくない口調でゲラゲラと笑いながら言った。

2018-10-17 22:51:58
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口悪く言う彼女に、同じくピンクの髪で目付きの鋭い少女は、無表情に言った。 「そう言うのであれば、わざわざシラヌイを連れて来る必要はありませんよね。演習戦でのデータは十二分に蓄積されているのを、貴女は理解していますか?」 眉一つ動かさず、シラヌイという少女は嫌味のように言った。

2018-10-17 22:53:13
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それに対し、口の悪いピンクは舌打ちする。 「あーうるせ、マジでもっと気の合う奴と仕事したかったワ。これもデータシューシューよデータシューシュー、オメーはいつもみてーにしかめっ面で敵を撃ってりゃいいんだよヴァーカ。」 彼女の口からは、モラルも知能も低そうな罵倒が飛び出す。

2018-10-17 22:54:43
三隈グループ @Mikuma_company

だが無表情な方は、無表情なまま返す。 「バカの発音はBa、Vaは不適当です。コミュニケーションにおいて支障を来す場合を考え、修正する必要が…」 「あーうるせえうるせえ!ったくさっさとゼロを見つけて、面白おかしく暮らしたいワ…」 ピンクの二人は、ガミガミと言葉をぶつけながら歩いて行く…

2018-10-17 22:56:07
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彼等はピンクショッカーズのサザナミとシラヌイ、Bリーグを一位通過したチームである。 第66話 「実力VS策略」 おしまい

2018-10-17 22:57:58
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【最上】 物腰やわらかで爽やかな印象を持たれやすい彼女だが、戦いになれば相手の強み弱みを探り、隙を虎視眈々と狙うクレバーさを持つ。 普段の立ち振る舞いからそういう一面を読み取ることは難しく、意外なほどその心中を見せない、豊かな表情を持ったポーカーフェイス。 pic.twitter.com/mZpce4OHd9

2018-10-17 23:00:40
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【足柄】 誰からも羨望のまなざしを受けるエリート気質、人生に成功と安定が約束された女性。だがその心中は常に、誰にも理解されぬ嵐を渇望する。満たされるものを探し、荒れ地を叫びながら駆け抜けようとする。 それでも彼女は迷っている。 幸せのエデンに眠るか、火を放つか。 pic.twitter.com/X8eQtly8Nq

2018-10-17 23:04:18
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【ボゥズ・バトラー】 ハイドロチームの仏僧、この海最速の僧侶を名乗っている。 サーフボード型の艤装で高速の機動戦を行い、手にした数珠で無数の艦載機を扱って戦う。未知のテクノロジーが使われているサーフボード型艤装は超硬質であり、防御時は大楯として使用する事も可能。 pic.twitter.com/DBprFruBJN

2018-10-17 23:04:43
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【マンマーメイド・ダイダリア】 ハイドロチームの自称人魚、性別は男。 以前最上達を襲撃しようとして事前に失敗した為、今回はリベンジを狙っている。武装は右手の深海棲艦を彷彿とさせる砲雷撃ユニットのみだが、高い機動力と潜水能力により装備以上の強さを発揮する。 pic.twitter.com/fC1Xj9KrRN

2018-10-17 23:05:59
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【ハイドロチーム】 ボゥズ・バトラーとダイダリアのチーム。 艦載機を操るバトラーと、砲雷撃を主体に戦うダイダリアというバランスの取れたチーム。一見イロモノだが、戦い方そのものは堅実な部類で、要所で小技を光らせるタイプ。両者機動力に長けており、予選でもそれを活かして勝ちを重ねていた。 pic.twitter.com/4ZFfNYaSfz

2018-10-17 23:07:21
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