【横山光輝「三国志」講座184「密告者」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第184話「密告者」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は大判・横山光輝「三国志」第11巻に収録されています。
0
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」01】 第184話です。前回、曹操暗殺の企てを立てた馬騰と黄奎(こうけい)。今回の話は、この黄奎の屋敷から始まります。しかし、黄奎の屋敷では何やら不穏な男女の営みが…。

2018-10-19 12:23:02
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」02】 黄奎の義理の弟、苗沢が、黄奎の囲われ者、つまり愛人である春香との許されざる逢い引き。一夫多妻の三国志の時代ですから、妻以外の愛人を持つことはよくある話ですが、その愛人をモノにしてしまった苗沢の行為は不義と言わずしてなんといおう。

2018-10-19 12:26:30
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」03】 しかしながら、苗沢と春香はすでに恋仲。主人の黄奎がいない時を見計らっては、えっちなことをしてたんでしょうね。春香は苗沢との結婚を望んでいます。一緒になりたいという春香に、苗沢は何か大きな手柄でも立てればその願いもかなうかもと答えます。

2018-10-19 12:29:32
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」04】 そんな話をしているところに、黄奎が帰ってきました。急いで服を着る苗沢と春香。見つかったら大変です。 黄奎は、妻の出迎えを受けますが、なんだか様子が変だと言われます。苗沢と春香の様子がおかしいのには気付かない妻ですが、夫の様子には気づく妻。

2018-10-19 12:32:12
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」05】 少し酔っただけだ、と黄奎。その様子を物陰から見ていた苗沢と春香は、たしかに義兄の様子がいつもと違うとみます。ここで苗沢は妙な悪知恵を働かせます。何か手柄を立てれば晴れて春香と夫婦になれると考え、義兄から何かを聞き出すように春香に言います。

2018-10-19 12:34:00
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」06】 何を聞き出せばいいのか、という春香の問に、「劉皇叔は人徳の厚いお方で曹操は悪人だ」と人は申しますが、どうしてなんですか、と聞き、なんと答えるかをよく聞け、と苗沢。聞きだしたらあなたと結婚できるの、と春香。その話次第ではな、と苗沢。

2018-10-19 12:36:17
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」07】 苗沢は、黄奎が曹操に対してよからぬ思いを持っていることは知っていたと見え、何か曹操に対する悪口でも言おうものなら、それを告げ口しようと思っていたのでしょう。最初から黄奎を売る、もしくは排除するつもりだったと考えられます。

2018-10-19 12:37:48
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」08】 恋は盲目。愛しい人からの指示に、深く考えもせず、春香は黄奎のもとにいき、愛人の務めをはたすかのように寄り添いつつ、苗沢から言われたとおりの質問をします。

2018-10-19 12:39:25
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」09】 黄奎は、お前のような女でも、正邪の区別を知りたいと思うか、と春香の言葉を素直に喜びます。愛人でさえこうなのだから、自分が大義をわきまえて当たり前じゃのう、と妙な自信を持ってしまった黄奎。じつは…と曹操暗殺の計画を春香に話し始めます。

2018-10-19 12:41:25
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」10】 馬騰将軍とともに、明日の閲兵式で曹操を討つという計画の詳細までも打ち明けてしまう黄奎。人というのは、重大な秘密を持った時に、つい誰かに言ってしまいたくなるものなのでしょうが、まさか自分の愛人から大事が漏れるとは露とも思わない黄奎。

2018-10-19 12:43:47
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」11】 黄奎の話は、すぐに苗沢に知らされます。春香は苗沢との結婚のことしか頭にありませんので、この話が漏れることによって黄奎がどうなるのかまで気が回りません。苗沢は早速曹操のもとに密告にいきます。こうして、曹操は、黄奎・馬騰の計画を知るのです。

2018-10-19 12:45:45
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」12】 曹操は、黄奎を直ちに捕らえるように言い、曹洪、許褚、夏侯淵を呼ぶように言います。曹操も、黄奎が自分をあまり良く思っていないことを知っていたうえで、(葬り去る予定の)馬騰の行軍参謀を命じたのだとしたら、黄奎は自ら墓穴を掘ったということに…。

2018-10-19 12:48:55
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」13】 さて、翌朝。馬騰のところに曹操からの使者が来て、勢揃いの閲兵をするから城外まで来るように、との曹操の命令を伝えます。馬騰は、計画通りにいってると思い、直ちに参ると答え、曹操の待つ城へと向かいます。曹操の旗印を見て、いよいよ時が来たと馬騰。

2018-10-19 12:50:39
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」14】 しかし、サーッと曹の字の旗が振られると、曹軍から矢の雨が。奇襲に、西涼の兵達も為す術もなく矢を射られまくります。混乱する馬騰達に、許褚の軍勢が襲いかかります。左右から囲まれてしまった馬騰は、斬り抜けろ、と脱出を試みますが、馬を射られ落馬。

2018-10-19 12:52:55
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」15】 どちらが馬休でどちらが馬鉄かわからないのですが、息子の一人はすでに矢で倒されており、もうひとりの息子は馬騰とともに捕らえられます。事態が飲み込めない馬騰は、なぜ自分を捕らえるのか、と計画が露見していない前提で叫びます。

2018-10-19 12:55:42
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」16】 と、そこに曹操が登場。なんのまねか、という馬騰に対し、あきらめが悪いぞ、と曹操。お前が閲兵式を利用して自分を討とうとしていることはわかっているのだ、と言われた馬騰は、言いがかりだと言います。しかし、曹操は黄奎を引きずり出します。

2018-10-19 12:57:22
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」17】 こやつとお前で、余を討とうと企んだであろう、と言われると、馬騰はなんと、と計画の露見を認識。黄奎は、無実でござる、ぬれぎぬでござる、と言い逃れようとしますが、曹操は証人として苗沢を出します。苗沢の出現に驚がくの表情の黄奎。

2018-10-19 12:59:02
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」18】 お前(黄奎)の妻の弟であるこの男は、お前の囲い者の春香に惚れていて、どうしても夫婦になりたいと言って密告してきたと。春香とこの男ができているのを知らず、女にべらべらしゃべってしまったのが不幸だったな、と曹操は全部説明してしまいます。

2018-10-19 13:01:32
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」19】 今の時代だったら、テープレコーダーとかの録音した証拠は?とか言い逃れはまだ出来そうですが、このときの黄奎はすでに何も言い返せません。愛人に裏切られたのがショックだったのでしょう。しかもその相手は、妻の弟なのです。

2018-10-19 13:03:03
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」20】 一方、理不尽なのが馬騰。国の大事を囲い者の女にすべてしゃべってしまい、計画が台無し。なんたる腐れ儒者だ、と黄奎を罵ります。こんなことなら、自分ひとりでやったほうが成功したものを、と嘆きつつ、これも天命好きなようにせい、と覚悟を決めます。

2018-10-19 13:05:15
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」21】 曹操は、首をはねいと命令。馬騰とその息子、黄奎の首が次々に離れていきます。曹操は、内外の不穏分子の排除に成功したわけです。ここで苗沢。自分はなんの恩賞もいらない、李春香を妻としてくださいとお願い申し上げる、と曹操にへりくだります。

2018-10-19 13:07:33
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」22】 苗沢も黙っていれば曹操の怒りを買うこともなかったろうに、余計なアピールをしてしまいました。主人の女に手を出すのも許せぬのに、その女欲しさに姉婿一家を害させた、と苗沢の行動を批難します。

2018-10-19 13:09:26
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」23】 そんな男、生かしておいてもなんの用にもたたない、斬って黄奎一族もろともさらし首とせい、と曹操。とんでもないことをしてしまった、と後悔する間もなく、悲鳴をあげる苗沢の首がはねられ、地面に転がります。

2018-10-19 13:11:22
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」24】 描写はありませんが、この後、謀反の罪の連帯責任として、黄奎の屋敷にいた一族は皆殺しの憂き目に遭ったことでしょう。おそらく苗沢との結婚を夢見ていた春香も…。色恋に目がくらんだ男女が、大きな悲劇を生んでしまいました。

2018-10-19 13:12:52
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座184「密告者」25】 こうして、西涼の雄、馬騰は無念の涙をのんでその生涯を閉じました。馬軍はほぼ全滅状態となってしまいましたが、ただ一騎、後陣にいた馬岱だけがこの危機を切り抜けて脱出に成功。西涼に向け、走っていきます。

2018-10-19 13:15:14