〝大倉先輩と戸惑い彼女〟

流空 @ri0_0kuu

部活の終了時間になって皆帰るってなった時。荷物を持ってまるちゃんの事を待ってたら『帰りどこ寄る〜？』『んーどこでもええよ』『えー迷う！』大倉先輩と先輩の腕を掴んだ女の子が私の前を通り過ぎた。すれ違う時に先輩と目が合ったから一応会釈したけど、先輩はスっと目を逸らした #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

…まだ怒ってる？まるちゃんと一緒に帰るのがそんなにだめなの？だったら先輩が一緒に帰ってくれればいいじゃん。ってなんでか分からないけど段々イライラしてきて、『ごめんお待たせ、帰ろか！』って話しかけてくれたまるちゃんに対して「…うん」って暗く返してしまった #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

優しいまるちゃんはそんな違和感にすぐ気付いて、眉毛を下げながら『どした？待たせ過ぎた？』って聞いてくれる。「ううん、違う違う」『んーじゃあ帰りながら聞くな？』ほら行こって私の手首を掴んで歩きだしたまるちゃんに着いて行って、まるちゃん独特の柔らかい雰囲気に流されて全部話してしまった

流空 @ri0_0kuu

え！付き合ってたん？！とかああ〜なるほどなあとか色々相槌を打ってくれてたまるちゃんが突然『え？』って止まったから、「どうしたの？」って私も止まって聞いたら『誕生日やって言うてないん？』って。「うん言ってない」『なんで？めっちゃ大事やん』「そんなに？」『そらそうやろ』 #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

「…でも、言えないし」そもそも女の子と絡み過ぎるの嫌ですって事も言えないのに誕生日とか図々しい事言える訳ないじゃん、って弱々しく言ってみたら『…まあなあ』って共感してくれた。「ああもう、先輩私のどこがいいんだろ」『ん〜』「振り回されてばっかり」『…〇〇ちゃんはさあ』「…うん？」

流空 @ri0_0kuu

『大倉先輩の事好きなん？』「え？」『大倉先輩から告白されたんやろ？大倉先輩が〇〇ちゃんの事好きなんは分かるけど、〇〇ちゃんはどうなん？』確かに大倉先輩に告白された時はびっくりして気付いたら返事をしてた。自分の気持ちなんか考えてなかったかもしれない。#エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

でも私はあの女の子達みたいにガンガンいくタイプじゃないから現実から目を背けてたけど、いつもは朗らかな雰囲気を漂わせてる先輩が急に変わったように荒々しくドラムを叩く姿へと惹かれるように目が離せなかった。…今だから思うけど本当はガンガン行ける女の子達が羨ましいし、嫉妬してるんだと思う

流空 @ri0_0kuu

「…好きじゃなかったらこんなに悩まないよ」全部全部先輩のことで悩んでるんだから。ってため息をついたら、『…好きやって先輩に伝えた？』「え？」まるちゃんの質問に思わず固まってしまった。『ちゃんと伝えな後悔するで？』にっこりと言ったまるちゃんの言葉が耳から離れなかった #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

次の日になって、今日は部活が無いから教室で過ごしてた。でもそしたら廊下がガヤガヤしだして、うるさいなあもうって思ってたら『〇〇！大倉先輩！』って友達に言われてびっくりしちゃった。慌てて廊下に出たら先輩が『おお、』って手を挙げて近寄ってきた。#エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

「どうしたんですか？」『あーえっと』大倉先輩がわざわざ私の教室に来て言う事なんて一つしかない。私に質問されてちょっと気まずそうな顔で目を逸らした先輩に「…わかりました」って伝える。『…え？』先輩は驚いた表情を見せてるけどばればれです。「帰れないんですよね」もう何回目だろう

流空 @ri0_0kuu

『あ…おん、そう』「はい」自分でもわかる位呆れた表情を出して、じゃあってもう一度教室に戻ろうとしたら『待って』って手首を掴まれた。「ど、どうしたんですか」『…〇〇ちゃんさあ、』「はい…？」後ろ髪をガシガシと掻きながら大倉先輩は『…俺の事好き？』って突然聞いてきた #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

「…え、ちょ」大倉先輩何言い出すかとおもえば、ここでそんなこと言う…？周りには同級生がいっぱい居て、ただでさえ大倉先輩が来てるもんだから皆見てるのに！「何言ってるんですか、教室戻って下さい！」手首を掴む先輩の手の上から私の手を重ねたら、丁度『あ！大倉先輩！』ってまるちゃんが来た

流空 @ri0_0kuu

『…まる』まるちゃんは別のクラスだからこの騒ぎを聞きつけて来たのかすんなりと私たちに溶け込んだ。『後輩の階に居るなんて珍しいやないですか』『ちょっとな』『〇〇ちゃんに用事ですか？』『せやねん』私の前でトントン会話が繰り広げられてて会話に入ろうにも入れない雰囲気 #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

すると突然、『それで、大倉先輩は今日も帰れないって？』『…え？』「…ちょっとまるちゃん？」…待って、まるちゃん今なんて言った…？にっこりしながら私に聞いてるけど、大倉先輩の目の前で何言ってるの。大倉先輩はびっくりしながらも私をちらりと見てて、「…うん」って答えるしかなかった

流空 @ri0_0kuu

『じゃあ今日も一緒に帰ろ？』「あ、うん」『よし！ほな大倉先輩もまた！』『…おお』爆弾を投下してまるちゃんは教室に帰って行った。…残された大倉先輩と私の間にはなんとも言えない空気が流れてる。『…なあ』「…はい」大倉先輩に何を話しかけられても怖い中で『…これからはまると帰れば？』って

流空 @ri0_0kuu

「…はい？」『まるの方がええんちゃう？』大倉先輩から言われた言葉は私が何としてでも聞きたくなかった言葉だった。…何それ？そんなの私だって女の子達の方がいいんじゃないですか？って思うこと沢山あったのに、自分勝手過ぎる、…どうして何もわかってくれないの？ #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

「…もういいです」『…え？』もういい、こんな人好きになるんじゃなかった。告白なんて受けるんじゃなかった。そう思ったらどんどん泣きそうになって来て「どうぞ先輩は私の事は気にせず女の子達と仲良くして下さい！」『…っえ、ちょ！』涙を溜めながらも先輩に何とか言い放って自分の教室に戻った

流空 @ri0_0kuu

その日はまるちゃんと一緒に帰った訳だけど、なんであんな事大倉先輩の前で言ったの？って帰り道に聞いてみたら『ん〜？別に何も？』って当たり障りの無い返答が帰ってきたから、ああもうまるちゃん怖い……って改めて思った。…その最中にも私の携帯は鳴りっぱなしだったけど出なかった #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

大倉先輩との連絡の取り合いはほぼしない。大倉先輩がLINEを面倒くさがるっていうのもそうなんだけど私から送るのが未だに緊張しちゃって全然会話にならないから。だからこんなに携帯に連絡が入るのが本当に珍しくて、大倉先輩余程焦ってる…のかな…？ってちょっと出てもいいかなとか思っちゃう

流空 @ri0_0kuu

でもどうしても大倉先輩にも私の気持ちを分かってもらいたくて、自己中心的だって我ながら思うけど直接言えない代わりに察して欲しいって気持ちを込めて連絡には応じない。次の日学校に行ったら教室の前にまさかの大倉先輩が立ってて、こんな朝早くに来るはずないって慌てて隠れた #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

なんで？なんでいるの？…私に何を伝えたいの？キョロキョロしながら私が来ないか待ってる大倉先輩には当たり前のように人だかりが出来てて、その人混みを利用して静かに教室に入ったけど、これいつまで続けよう…って思わずため息が出ちゃった #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

それから毎時間の休みに大倉先輩はやって来たけどうまくかわして何とか話さずに済んでる。…でも今日は部活。どうしようって悩んだ結果、「まるちゃん、今日部活休むって言っておいてくれない？」『分かった…けど大丈夫？』「大丈夫大丈夫」まるちゃん利用してごめんね、って罪悪感。 #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

でも大倉先輩が私を気に掛けてくれてたのはその日が最後だった。その日の夜には連絡も遂に無くなって、次の日の朝の教室の前にはもう大倉先輩は居なかった。…もう呆れられたんだって思った。そもそも私が居なくても他の女の子が居るってやっと気づいたんだって。 #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

誕生日まであと三日。もしかして誕生日より前に別れるんじゃないの？って思い始めた。それとももう自然消滅した？私から勝手にキレて大倉先輩の事避けた訳だから自業自得だし、そもそも先輩と私なんて釣り合わないに決まってる。……今まで夢を見てたのかもしれない #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

その日も部活だったけど流石に二日連続で休む訳にはいかないから勇気を出して行く事にした。「…こんにちは」部室の扉をゆっくり開けて中を見るけど皆それぞれ お〜とか声を掛けてくれる。その中でも人だかりが出来てる場所はひと目でわかって、中心の人はまるで私を見てなかった #エイトで妄想