〝大倉先輩と戸惑い彼女〟

流空 @ri0_0kuu

まあ、先輩に告白される前に戻ったようなものだよね。毎日近くには行けないけど遠目で格好いいなって見てたあの日々が懐かしい。やっぱり夢だったんだって心に言い聞かせるけど、……やっぱり心のどこかでは傷付いてて、先輩と元に戻れたらいいのにって一人で作業しながら泣きそうになる #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

そんな中でもまるちゃんは私に話しかけてくれた。泣きそうな顔を見た瞬間ににっこりと笑いながら『今日も帰ろな？』って頭をぽんと撫でてくれる。…最低かもしれないけど、私はこういう事を大倉先輩にして欲しかった。でも今聞こえるのは女の子達の話し声と大好きな先輩の笑い声 #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

部活の最中、私はいつの間にか先輩を目で追ってた。無意識で見て気付いた時には慌てて目を逸らすの繰り返し。避けたの私じゃん！逃げたんだから余計な事しないの！って自分に言い聞かせてたらボーッとしてたみたいで『〇〇ちゃん？』ってまるちゃんに肩を叩かれた #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

「っあ、ごめん」『ええよ、もう一回ここ確認したいんやけど』「うんうん、どれ？」だめだめ、今は部活中なんだから集中しなきゃってまるちゃんと一つの楽譜を見ながら話し合いをして『よし、じゃあこれで練習してみるわ』「そうだね」ようやく終わったって時に何気なく視線を感じた #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

「…？」なんだろって思いながらも、また無意識に先輩の姿を探す。でも目印の女の子達の群れがどこにも見当たらないからあれ？って思いながらキョロキョロ。そこでふと目に入ったドラム。このドラムでいつも先輩練習してるよなあって思ってたら大倉先輩が座っててバッチリと目が合った。#エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

「えっ」って慌てて声に出しちゃったけどすぐに大倉先輩は目を逸らしてた。…たまたま視線が合っただけかな、私を見てたのかなとか思っちゃったけど自意識過剰過ぎるよね？…でもだったらさっきまでずっと感じてた視線は何だったの…？大倉先輩と目を逸らしてからもう何も感じない #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

結局あれから大倉先輩とはもう目が合うことは無くて、ちょっと期待してたんだけどなってがっかりしちゃう。部活の終了時間になって皆ぞろぞろ帰ってる時『…〇〇ちゃん』って話しかけられたからまるちゃんかな？って思いながら「はあい」って呑気に答えて振り返ると、『…ごめん急に』大倉先輩だった

流空 @ri0_0kuu

「…っえ？」大倉先輩と話すのがなんだか久々な気がして緊張しちゃうっていうのもあるけどまさか過ぎて声が上手く出ない。「…ど、どうかしましたか…？」『…あんな』大倉先輩がゆっくりと口を開いた瞬間、『大倉くん！』って先輩の後ろから急に腕に抱き着いてきた女の子。 #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

『ごめん俺今』『早く帰ろ？』大倉先輩が珍しく女の子に抵抗しようとしたけど女の子の方は聞く耳も持たずに先輩の腕をぐいぐい引っ張ってる。そんな光景、今までだったら〝見たくない〟って思って「すいません」って言ってから逃げてたんだろうけど、思い切って我慢してみようって思った #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

「…大倉先輩、それで？」我慢だけじゃない。勇気もちょっとだけふりしぼってみた。女の子を上回るように声をちょっと大きくして話しかけたら、先輩もびっくりしたみたいで目をまんまるにしてる。「早くしないと人を待たせてますよ？」人をって言いながら女の子を手で指してみたりするの #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

『そうやんな』私の言葉に背中を押されたのか先輩は意を決したような表情で『今日一緒に帰らん？』って言った。「…え？」先輩の背中を押したのは間違いなく私だけど、そんな事を言われるとは思わなくて思わず口を開けてしまう。…でもそこに『え！大倉くん！私は？』って女の子が。 #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

『ごめん、また今度な』『え〜！先に約束してたのに！』『ほんまごめん』我儘を言う女の子を宥めるように頭をポンポンと撫でる先輩。…あ、それやだ。って思ったけどそんなのも口に出せるはずもなく女の子は諦めた様子で私をキッと睨んでから去ってしまった。…取り残された私と大倉先輩 #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

『…帰ろ？』大倉先輩が私の手を優しく掴んでから軽く引っ張ってくる。…私了承してないんだけどなって思うと同時に、ああこんなのいつぶりだろってすごく泣きそうになってた。でもそんな時『今日は俺と帰る約束してんねん』っていつの間にかタメ口のまるちゃんが私たちの前に立ってた #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

『…まる』そうだ、まるちゃんに今日一緒に帰ろうって言われてたんだったって思い出したけど…うわ完全に遅かった…って焦ってたら急に大倉先輩が私を背中に隠すように私の前に立った。『俺この子の彼氏やねん』『知ってますけど？』『は？』…えと、私がまるちゃんに教えたんです… #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

『せやからわざと先輩の前で一緒に帰る約束を取り付けたりしてたんですよ？』へへん、と言うような顔を先輩に見せつけてるまるちゃん。先輩も先輩でまるちゃんをどんどん警戒し始めてて、待って何この状況ってこっちが困っちゃう。「ま、まるちゃん、あのね」『俺譲らんから』…何でそんなに頑固なの？

流空 @ri0_0kuu

まるちゃん、私が大倉先輩の事で悩んでるの知ってるよね？どうしてこんな事するの？って事と大倉先輩も大倉先輩で連絡無くなったくせに突然一緒に帰ろうってどういうこと？って事でもう頭がいっぱいいっぱいで「…約束は約束なんで…」って何でか分からないけどまるちゃんを選んじゃった #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

『…〇〇ちゃん』手首を掴んでる大倉先輩の手をゆっくりと外してからまるちゃんの方に向かおうとすると大倉先輩の呼び止めるような声に思わず、やっぱり大倉先輩がいいなんて言いそうになったけど、『…明日は俺と帰ろ？』って私が口にする前に約束を取り付けられた #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

『じゃあ行こか？』さっきまで大倉先輩が掴んでいた手首をまるちゃんが掴んで下駄箱まで歩き出す。途中でちょっと後ろを振り返ったら壁に寄り掛かった大倉先輩が力なく笑いながら手を振ってくれた。つられて手を振り返したら、『…もうちょっと我慢して』ってまるちゃんによく分からない事を言われた。

流空 @ri0_0kuu

「なんの事？」『ええから』さっきまであんなにピリピリとした雰囲気を出てたのに後ろの大倉先輩にバレないようにバッチリとウインクをしてきたまるちゃん。…何か企んでる？って思いながら先輩が見えなくなるまで歩き終えると、『めっちゃ上手くいったんちゃう？』ってにっこにこなの #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

「…何か企んでたの？」『やって、あのままやったら絶対上手く行かんかったって』「え、そうなの？」『わかってないなあ』まるちゃんには分かるの？って思っちゃったけどまるちゃんはまるちゃんなりに助けてくれようとしてたの…かな？さっきまでの緊張感なんかどっか行っちゃったもんね #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

手首を掴んでいたまるちゃんの手がゆっくりと離れて、『明日はちゃんと自分の気持ち伝えなあかんで？』って私の背中を押してくれた。けど…「全然自信ないぃ〜…」『ええ？ちょっとなんで？』まるちゃんは簡単に言うけど自分の気持ちをそのまんま素直に言うってどう考えても無理 #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

『…もう、』顔を手で覆い隠して自信を完全に失ってる私に対してまるちゃんが肩を組んできてぽんぽんとなだめてくれる。『携帯見てみ？』「…え？」『ええから』突然なに？って不思議だったけど素直に携帯を取り出してみたら「…わ、」大倉先輩からの沢山の着信が入ってた #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

いっぱいの着信履歴にびっくりしてたら突然鳴り出す携帯。大倉先輩からの着信みたいだけどまるちゃん居るしどうしようって困りながらまるちゃんを見たら『俺は居らん事にして話しや？』私の背中をとんと叩いて気を利かせてくれたのか早足になってちょっと前を歩いて行ってしまった #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

意を決して先輩からの電話に出たら『…っえ、繋がった？』って先輩から掛けてきたくせにちょっと驚いてる。「繋がってますよ？」『うわ、出てくれると思わんかった』「何ですかそれ」前に連絡してくれた時は全部無視してたから今回も出ないと思ったのかな？『…出てくれて嬉しい』 #エイトで妄想

流空 @ri0_0kuu

「…何かあったんですか？」先輩が私に連絡してくるなんて、って思ってたら『用無かったら電話したらあかん？』って言われちゃってちょっと口ごもったけど「…先輩あんまり連絡しない方じゃないですか」って返したら今度は先輩が口ごもって『…ほんまはまると一緒にさせんのが嫌やったから』って