フリージング・フジサン #8

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
2
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆「イヤーッ!」「アバーッ!?」ニンジャスレイヤーはオイルまみれの駆動機関をミギの体内から引きずり出し、蹴り捨てた。「ピガッ……!ピガ、ガガ」ミギは倒れ込み、痙攣しながら、愛するヒダリのカラテミサイル射出を見届ようとした。「サツバツ!」赤黒の鬼はミギの首を蹴りちぎった。◆

2018-11-10 21:01:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆「サヨナラ!」ミギは爆発四散した。「イイイイイイヤアアアーッ!」ヒダリが両手をひろげ、無数のカラテミサイルを射出した。そしてザルニーツァがニンジャスレイヤーに飛び掛かった。シンウインターは悠然と歩を進める。「いかん……!」サツバツナイトは呟き、跳んだ!◆

2018-11-10 21:02:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」サツバツナイトの眼前に立ちはだかったのは赤熱する鎧を身にまとったニンジャ戦士だった。それはUNIXライトを亀裂から明滅させつつも、まるで甲殻生物や溶岩めいた、有機的に波打つフォルムをしていた。「イヤッ!イヤーッ!」カラテ二連打!「ヌウッ!」サツバツナイトは咄嗟に防御!1

2018-11-10 21:07:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

圧力によってタタミ二枚距離ノックバックさせられたフジキドは、その異様な密度のカラテを訝しんだ。尋常の相手ではない。「オヌシは……!」鎧のニンジャの関節部から、ミシミシ、バキバキと音が鳴った。UNIXライトの明滅は悲鳴じみていた。肩を震わせ、再び襲いかかった!「イヤーッ!」2

2018-11-10 21:09:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」足元の永久氷を溶かすようなカラテ応酬がコンマ3秒のうちに起こった。「グワーッ!」フジキドは既に打撃を受けていた。手ごわい……!この者自身のカラテのみならず、超自然的に歪められた鎧もまた力の源か! 3

2018-11-10 21:12:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

そして灼ける鎧のニンジャ、ザルニーツァの肩越し、フジキドはシンウインターとマスラダが互いのカラテ距離に入ったのを確認する。マスラダは勝算を見ているか?彼は間違いなく激昂のなかにある。ニンジャソウルの手綱を取れるか……!「イヤーッ!」ザルニーツァの打撃を、フジキドは掴んで止める!4

2018-11-10 21:17:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」逆の手と逆の手も組み合った。二者は押し合う姿勢となる!「滅ぼしてくれよう」ザルニーツァの不明瞭な声がフルメンポ越しに響いた。たちまち彼女の両手を通して、サツバツナイトの腕、肩、身体へ、凄まじい熱が流れ込んできた。「ヌウーッ!」サツバツナイトは己の命の火で押し返す!5

2018-11-10 21:20:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ゴウ!ゴウゴウ!逆立ったマフラー布が橙の火を爆ぜさせ、サツバツナイトのブレーサーはテリガキ色に輝いた。その背に縄めいた筋肉が浮き上がり、徐々に押し戻す……だが、そのときだ!KRAAAASH!雨あられと降り注いだのは青白い光のつぶて!カラテミサイルである! 6

2018-11-10 21:22:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イイイイヤアアアアアーッ!」ヒダリである!シンウインターの忠実なるしもべのウキヨは、今やイカルガ・ニンジャクランのニンジャソウルを強制憑依させられた強力なニンジャ戦士であり、ミギの理不尽な死に、激しく憤っていた。空中で弧を描いた無数の光弾は感情のままに襲いかかる! 7

2018-11-10 21:25:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KRAASH!KRAASH!光弾はヒダリのカラテそのものであり、衝突のたびに拳で殴られる等しい衝撃がサツバツナイトを……そしてザルニーツァを諸共に襲った。ザルニーツァは笑ったようだった。二者は一緒くたに撃たれたが、ザルニーツァの鎧は砕ける側から地表の溶岩が冷えて固まるように再生してゆく! 8

2018-11-10 21:29:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KRAASH!KRAASH!KRAAASH!「ヌウウーッ!」炸裂弾に押されて一方向へ押しやられる二者の奥で、シンウインターはニンジャスレイヤーの致命的カラテ打撃を片手で止めていた。シトカ・ニンジャとニンジャスレイヤーの視線が交錯した。氷そのものの眼差しと感情の爆発が! 9

2018-11-10 21:31:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ンンー……」シンウインターは目を細めた。ニンジャスレイヤーは力任せに手を引き戻し、シンウインターの掴みを脱した。赤黒い血が燃えながら舞い、再びニンジャスレイヤーの腕の中に吸い込まれていった。「イヤーッ!」逆の手で彼は殴りつけた。シンウインターの胸を拳が貫きにゆく! 10

2018-11-10 21:34:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ンンン……!」シンウインターの目はオーロラじみた輝きで無限に燃えていた。それはその身体も同様だった。フジミ・ストリートで彼の両腕に巻き付いていた恐るべきオーロラの力は今、彼の全身を覆っていた。撃たれた心臓部から全身へ緑がかった色彩が波打ち、衝撃を拡散、相殺した。ナムサン……!11

2018-11-10 21:37:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(((シトカ・ニンジャ!ユミルの延長上の力か。コシャクな守りをまず剥がすべし!)))ナラクが伝えた。ニンジャスレイヤーの四肢に憎悪の黒炎が流れ、燃え始めた。「サツガイを知っているか……!」「勿論だ」シンウインターは答えた。「そして俺は当然お前をここで殺すぞ、ニンジャスレイヤー=サン」12

2018-11-10 21:44:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」赤黒の炎を帯びたニンジャスレイヤーの拳がシンウインターに叩き込まれる!左!右!左!シンウインターは己のジツを確かめるかのように、慎重に燃える拳を防御する。オーロラが波打ち、飛沫を上げる。赤黒の炎が輝きを喰らい、押し流しつつあった。「イイイイヤアアーッ!」だが! 13

2018-11-10 21:47:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KRAASH!KRAAASH!KRAAASH!「グワーッ!」背中に浴びせられるカラテミサイル!「ンハハハハ!」シンウインターは笑い、怯んだニンジャスレイヤーの脇腹に丸太めいたミドルキックを叩き込んだ。「グワーッ!」転がり、受け身を取るニンジャスレイヤーを、さらなるカラテミサイルが襲う! 14

2018-11-10 21:49:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KRAASH!KRAAASH!氷のホールを青白い飛沫が不規則に飛翔し、ニンジャスレイヤーとサツバツナイトを襲った。ヒダリは満ち溢れる異常なカラテによって今や1フィートほど上空に反重力浮揚し、オイラン天使の虹彩を封じた目を白熱とともに見開いていた。「死ね!死ネ!シネ!オマエタチ!」 15

2018-11-10 21:53:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KRAASH!KRAAASH!カラテミサイルの雨をジグザグに避けながら、ニンジャスレイヤーは再びシンウインターにダッシュする。だがシンウインターは彼の動きを容易に予測できた。ミサイルを避けるために、突撃経路の絞り込みは百倍容易なのだ!「イヤーッ!」迎え撃つオーロラの拳! 16

2018-11-10 21:55:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KRAAAASH!シンウインターはニンジャスレイヤーの拳が粉々に砕け、血飛沫をあげるさまを予想した。だが赤黒の炎は彼のオーロラを喰らい、相殺するにとどめた。「ヌウーッ……」シンウインターは感心した。かつての彼であれば、心を折って便利な道具とする選択肢をまず考えたであろう。 17

2018-11-10 21:58:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

タタミ4枚距離後ろに滑ったニンジャスレイヤーは永久氷にバーンナウト跡を作りながら堪えた。(((マスラダ!一呼吸余分に時間を作れ!カラテ不十分也!)))「チイッ……!」間髪入れず果敢に攻めかかろうとする彼のもとへ、再びカラテミサイルの群れが襲いかかった……! 18

2018-11-10 22:02:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」青白いカラテミサイルの軌道は、しかし、歪んだ。それまでニンジャスレイヤーとサツバツナイト達をまとめて攻撃していた拡散弾は今やある一点に狙いを定めて飛んでいた。狙いを定める……否……吸い寄せられているのだった。新たなニンジャのもとに。 19

2018-11-10 22:05:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……?」ヒダリは訝しんだ。氷のホールにエントリーしたそのニンジャは両手を翳し、カラテミサイルを端から受けていた。そのニンジャは笑ってすらいた。ヒダリは激怒し、更なるカラテミサイルを放った。「イイイイイヤアアアーッ!」「やめとけェ!」ニンジャは笑った! 20

2018-11-10 22:07:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

おかしい、ヒダリがそう考え、カラテミサイル射出を止め、カタナを抜いた瞬間、既にそのニンジャは溢れんばかりの体内カラテを解き放ち、ヒダリにトビゲリを浴びせていた。「イヤーッ!」「グワーッ!」吹き飛ぶヒダリの足に鎖が巻き付いた。ニンジャは鎖ごとヒダリを舞いあげ、叩きつけた。 21

2018-11-10 22:10:06