園児RPGテキスト外伝「宵の流星と暁の詩」幕間

―選ばれた者、選ばれなかった者、それぞれの道― 序章はこちら https://togetter.com/li/1242608 第二章はこちら https://togetter.com/li/1246684 第三章はこちら https://togetter.com/li/1257847 続きを読む
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無銘海姫 @Mumeinight

「聖杯ときたか…あいつはもういない」とはモズ。「そもそも今の七本槍の誰一人聖杯の在処を知らないのだろう」とジャス。「万一見つけられたとしても…」「厳重に封印が施されていたはずです」ミヤコが続ける。「解せないですね…」 #mmytxt

2018-12-07 21:21:40
無銘海姫 @Mumeinight

マクズの言葉通りに解釈するならば、聖杯は既にクリナゴが手にしているという事になる。「じゃあ、封印が解かれたのか」とリョウ。「あれはそう容易く解けるものではないはずですが…そう考えるしかなさそうです」ミヤコはしばし考え込む…その時モヨが声をあげた。 #mmytxt

2018-12-07 21:23:35
無銘海姫 @Mumeinight

「いま聖杯がどこにあるかなら、たぶんわかる」「ポポスノスク…ですか」とミヤコ。さらにマクズが続く。「これをみて」更なる立体映像。あの二人が対峙していたのと同刻…船着き場の南側に繋がれたボートが目に留まる。「せいはいのひかりがみえるはず…!」 #mmytxt

2018-12-07 21:24:57
@hiiragi_r_t_d

聖杯ってなんのことだぜ! #mmytxt

2018-12-07 21:25:15
無銘海姫 @Mumeinight

皆息を呑んだ。確信したのだ、だいぶ力を失ってはいるがこれが真の聖杯であると。 #mmytxt

2018-12-07 21:26:24
無銘海姫 @Mumeinight

だが問題は残っていた。特にミヤコにとっては重大な。「…『海』のムメイ…彼女が何故聖杯を…?」『海』のムメイ。『二つ名付き』ではあるが、円卓に名を連ねた事はない。彼女の二つ名は、海域と海洋生物に影響を及ぼす強大な権能及び海上と海中を自在に駆け巡る姿からだ。 #mmytxt

2018-12-07 21:29:35
無銘海姫 @Mumeinight

しかし彼女は海に縛られていた。海域を大きく離れて活動する事はできないのだ。理由は彼女自身にも分からないらしい。それを含め彼女の事は今でもよく分かっていない…ただ一つ分かっている事は…。 #mmytxt

2018-12-07 21:30:40
無銘海姫 @Mumeinight

(あなたは人を愛しすぎた…私の…いえ、七本槍の道とは交わる事はない)ミヤコはムメイと袂を分かった日の事を思い出していた。七本槍としてあくまで人に不干渉のミヤコに対し、ムメイは難破船や漂流者に積極的に手を差し伸べていた。 #mmytxt

2018-12-07 21:31:54
無銘海姫 @Mumeinight

ミヤコは力を持つ者が人に干渉するのは世界の均衡に影響するのではと懸念したのだ。しかしムメイは力を持つ者こそそれを人のために用いるべきだと主張。元来は水の力に依って立つ者として良き友であったが、今やもう…「私と貴方は既に道を違えた」ミヤコは独りごちた。 #mmytxt

2018-12-07 21:35:45
無銘海姫 @Mumeinight

「…ミヤコどうした」モズが声をかける。「いえ、昔の話です…誰か聖杯が彼女に渡った経緯に心当たりは?」「ししょー!」ネコムラの声だ。「聖杯の封印場所はわからないんだよね?海に沈められてたのかも」「確かに可能性はありますね…」その場合、封印を解いたのは…。 #mmytxt

2018-12-07 21:37:29
@hiiragi_r_t_d

海に縛られた彼女にしか手が届かない領域がこの世界には存在するのだ…… #mmytxt

2018-12-07 21:38:29
無銘海姫 @Mumeinight

「ちがう」マクズだ。「むめいさんは、このふなのりさんからうけとってる…」前日の昼前まで映像が戻る。ムメイが船乗り…ウィアドから聖杯を受け取ったところだ。「聖杯はこの船に積み込まれていたわけね、でもなんで一介の交易船が?」リョウの言葉に不安を隠せぬ者がいた。 #mmytxt

2018-12-07 21:40:03
無銘海姫 @Mumeinight

ジャスと従者ヒイラギだ。ジャスは魔導具の研究に多額の費用や希少な原料を必要としているため、時折ヒイラギを探索に出しそれらを工面している。問題は、二人とも今まで実物の聖杯を見たことがない事だ。「まさかとは思うがな」「だとすれば、私の失態…」顔を見合わせる。 #mmytxt

2018-12-07 21:41:27
@hiiragi_r_t_d

君たち????何か心当たりが????? #mmytxt

2018-12-07 21:42:05
無銘海姫 @Mumeinight

「どうしました」ミヤコが問う。「全て私の過ちです」先に口を開いたのはヒイラギだ。「先の探索クエストの折に白銀の杯を見つけたのですが、よもや聖杯とは思わず交易商に売ってしまいました」円卓が静まり返る。「必要とあらば、我が命を以て償い…」「待て」 #mmytxt

2018-12-07 21:43:42
無銘海姫 @Mumeinight

ジャスが制止する。「ヒイラギが探索で手に入れた物品は全て入念に確認している。我々は聖杯についての知識は持っておらず意図的に流失させたものでない事を理解頂きたい」金属マスクの奥からでも真摯な面持ちが伝わってくるような言葉だった。「…嘘では、ないのでしょう」 #mmytxt

2018-12-07 21:44:50
@hiiragi_r_t_d

軽率に切腹するウッカリ従者すき 関係ないけどコイツ切腹したら動力源が大爆発しそうだよね #mmytxt

2018-12-07 21:45:35
無銘海姫 @Mumeinight

どうやらミヤコも納得したようだ。「…しかしその場合、新たに確かめるべき事があります…ヒイラギさん」「はい」ヒイラギが一歩前に出る。「まず一つ…聖杯を売り渡した交易商についてです」ミヤコが問うと、ヒイラギが映像の船乗りを示す。「彼です…名はウィアド」 #mmytxt

2018-12-07 21:48:26
無銘海姫 @Mumeinight

「南北交易船の中でも彼の船は別格と言われている」ジャスが付け加えた。「聖杯その他を売り渡したのは王都付近の寄港地です、その後船は北へ向かいました」ヒイラギが説明を終えた。「わかりました。では、最も重要な質問を…」 #mmytxt

2018-12-07 21:49:37
@hiiragi_r_t_d

あんまり高くなさそうな値段で売り飛ばされてそうな聖杯 #mmytxt

2018-12-07 21:50:29
無銘海姫 @Mumeinight

「聖杯には封印が施されていたはずです。どのように手にしたのですか?」「いえ、私が手にした時には封印などされておりませんでした」 #mmytxt

2018-12-07 21:52:10
無銘海姫 @Mumeinight

ヒイラギの答えに皆が騒然となった。それはすなわち、既に何者かが封印を解いた可能性を示唆するからだ。「由々しき事態ですね…」ミヤコは深呼吸し、精神を整える。不穏な気配を感じた彼女は分厚い扉に向けて水の矢を放った!「そこで盗み聞きしている者、出てきなさい!」 #mmytxt

2018-12-07 21:54:06
@hiiragi_r_t_d

Q.封印されていましたか? A.されていませんでした (ウミガメのスープ) #mmytxt

2018-12-07 21:54:46
無銘海姫 @Mumeinight

「いやー、情報集めて来いって言われちゃったからさ」姿を現したのは、オオトリと共に退出した筈のマキヅメだ。「あなたはどこまで聞いていたのですか」ミヤコの追及にも彼は怯まない。「さあね、扉分厚かったから。ただ…」「…ただ…?」 #mmytxt

2018-12-07 21:57:09
@hiiragi_r_t_d

飄々たるマキヅメだ!オオトリの悪友が何の用だ #mmytxt

2018-12-07 21:57:49
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