園児RPGテキスト外伝「宵の流星と暁の詩」幕間
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「聖剣に意志があるっていうなら、聖杯に意志があってもおかしくないよねぇ」「何が言いたいのですか…?」「特に深い意味はないよ。オオトリさんと合流しなきゃいけないからこの辺で」「待ちなさい!」ミヤコが制止する間もなく彼は電光の如く走り去っていった。 #mmytxt
2018-12-07 22:00:23(聖杯の、意志…)ミヤコは考えた事もなかった。聖杯が封じられたのは、あの事件に端を発する動乱がきっかけだ。闇の勢力はその力を悪用しようと試みたが、聖杯の試練の前に失敗し、聖杯もその力を失った。この事態に円卓十三席の一人、『護』の英雄が立ち上がったのだ。 #mmytxt
2018-12-07 22:05:13かの者は誰も知らぬ所に聖杯を厳重に封印した…その護りの力を以て。そして円卓から姿を消したのだ。『護』の英雄の名は既に円卓の記録にない。本人が消し去ったのだ…噂では何処かの山奥で隠遁しているとも囁かれる…だが今その封印は解けた。 #mmytxt
2018-12-07 22:06:06もしも、聖杯自身が封印を解いたのだとしたら?聖杯もまた試練を以て人を見定める。皆運命に踊らされているのではないか?聖杯がムメイの手に渡ったのも、全ては定めの通り…?(…否、あってはならない…)ミヤコは杖を固く握りしめる。 #mmytxt
2018-12-07 22:09:54「…ミヤコ本当にどうした」モズがまた声をかける。この二人の関係は愛憎絡み合い複雑だ。「あの女の事か…所詮は組織に属さぬ故の増上慢」ジャスが呟いた。彼はミヤコとモズの関係をよく見守っている。「…いったん円卓会議を解散します」 #mmytxt
2018-12-07 22:13:20ミヤコは円卓に残り、一人思い悩む。「…聖杯は我々円卓を導くもの…道を違える者の手に渡るなど許されない…」「どうしたのですか、ししょー…?」ネコムラが呼びかける。「あのお姉さん、わたしはいい人だと思うんだけどなぁ…」ミヤコはネコムラの背を優しく撫でる。 #mmytxt
2018-12-07 22:16:44「ああ、我が愛しい弟子よ…あなたは優しいのですね…」愛弟子の姿を見て、ミヤコはため息をついた。「ただ…まだ若すぎる」 #mmytxt
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