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KUMI_Kaoru @KaoruKumi
ネイティヴ英語と学校英語の関係は、いってみれば現代中国語(北京官話ともいう)と日本の漢文の関係。前者の人間にすればカンブンなんてものはモドキでしかない。 そう。私たちが中学高校で習ったエーゴなる言語は、Englishに似た別の言語であり、カンブンと同じ代物なのです。
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理科の授業でやたら実験をやらせるのは「子どもたちは科学の真理をひとつひとつ自力で気づいていますよ、詰込み教育じゃありませんよー」とアピールするための儀式なんですね結局。戦後民主主義のタテマエを保持するための、効率無視の儀式
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算数で「1ふくろにみかん3つ×3ふくろ=みかん9つ」は〇で「3ふくろ×1ふくろにみかん3つ=みかん9つ」が×にされる、例の論争は、実は数学史と深いかかわりがあります。
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いわゆるかけ算の順序問題。これって簿記の考え方なんですよ。簿記わかりますか。現金1万円で売上4万円で売掛金2万円で…といろいろな種類の項目があって、それを定められたマス目に順に書き入れていけば、利益なんぼ負債なんぼが機械的に算出できてしまう、実用性ぶっちぎりな数学アルゴリズム。
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いっぽうで3×4と4×3は同じ12になる、わあ面白いという感性は「交換法則」なるアカデミックな数学なわけです。 ここから群論や環論や線形代数などが広がっていく。
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ここに曲線があります。検索でてきとーに拾ってきました。これを「y=x^3+ナンタラカンタラ」と見る方もいれば「f(x)=x^3+ナンタラカンタラ」と見る方もいるわけです。 どっちでもいいのですが[続く] pic.twitter.com/i5d0l0Im9w
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前者の目で眺める場合、この曲線は完成されたものとして存在します。 しかし後者ですと、xの値が変化するとともにf(x)の値も変化する、動的なものとなります。
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後者はいわゆる「関数」。ヨーロッパ数学はこっちに進化し、そして微積の厳密な理論化に至り、集合論という無限の可能性を秘めた土地を見つけ出した。今うんと話をシンプルにして語っていますが数学史の大ざっぱな流れをつかむにはこの程度の理解で十分であります。
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そうそうニュートンの『プリンキピア』は前者の姿勢で書かれていて、引力がニ物体間の距離の二乗に反比例することを証明(半分ですけどね)はしたものの、その理論を使って惑星が今後いつどこに来るのかを算出するアルゴリズムまでは発明できなかった。そういうのは「関数」の時代になってからだし。
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話がどんどん大きくなっていくのでここで元に戻します。同じ曲線を眺めても、それをどう眺めるかで解釈は変わってきます。4÷2を「みかん4つをふたつのお皿に半分ずつ載せるとひと皿いくつかな?」と眺めるか「2を1単位とみなしたとき、4は何単位になるかな?」と眺めるかひとそれぞれ
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徹底して実用性を重んじる方は、十進法すら嫌う。時計の針がそうです。短針がひとまわりで12、長針がひとまわりで60。なんで10とか100とかではないのかというと、12と60のほうが割り算しやすい、つまり実用性が高いからです。
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アラビア数学は古来60進法でしたし、その影響を受けてヨーロッパ数学だってそうでした。アラビア数学は商売の銭勘定のために大進化したものなので、計算での端数なんて気にしない。1ドル87円39銭といわれて、両替の際にいちいち39銭よこせとか払えとかいわないでしょ。ああいう感覚の数学。
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
端数を気にしないのなら60進法って便利なんですよ。2でも3でも4でも5でも6でも10でも12でも15でも20でも30でも割り切れるのだから。 それでアラビアでもヨーロッパでもずーっと60進法の天下でした。
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しかし対数が発明されて、60進法では具合が悪くなった。対数とは、詳細は省きますが今までかけ算でえっちら計算しないといけなかったものをたし算でえいやっと計算できてしまう、画期的な計算アプリでした。 しかしこのアプリ、60進法ですとうまく稼働してくれない。10進法だと稼働する
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それから天体観測のデータをもとに惑星の未来の位置を算出するには、端数を切り捨てるやり方だと誤差が大きくなって使い物にならないわけです。 ほら天文学ってもともと星占いのメソッドだったから、星の運行を正確に予想するのは極めて実用性の高い課題でした。
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小数点以下も十進法に切りかえれば、今まで端数扱いだったものをより厳格に扱えて、計算精度を高められる…こうして近世ヨーロッパで10進法がスタンダードになっていきました
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うううまた話が広がってしまったので戻します。「1ふくろにみかん3つ×3ふくろ=みかん9つ」はアラビア数学系なのですよ。とにかく具体的かつ実用性重視。簿記的(簿記の発明はアラビアではなかったけれど考え方はどこかアラビア的)。
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
一方で「3×4=4×3」はヨーロッパ数学的な考え方。すぐ「ナントカの法則」とかこしらえたがるヨーロッパ人の発想法。この場合は交換法則と名付けられた。
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
このように、同じことがらでも、どう眺めるかで言い表し方は変わるし、頭の使い方も変わってきます。
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
「1ふくろにみかん3つ×3ふくろ=みかん9つ」は〇で「3ふくろ×1ふくろにみかん3つ=みかん9つ」が×にされる、日本の小学校は、アラビア寄り。 しかし中学でヨーロッパ寄りになる。
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
思いっきり大胆にまとめてしまいましたが、こんな風に数学史(というか数学思想史)の視点で眺めると、このかけ算論争の背後にあるのが、数学イデオロギーの衝突なんだってわかると思います。
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
算数は、その時代その時代の最先端数学の動向(というかはやりすたり)に、およそ20年遅れで左右される傾向があります。算数で集合論を教えろ論争なんてそうです。何十年も前ですが小学生に集合論を教えることが国の命令で決まって現場の先生方が大混乱。ブルバキ(という数学者集団があった)の影響
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「数学のいっさいは集合論に還元される、ゆえに集合論を学んでおけばどんな数学ジャンルにも切り込める」とブルバキ集団は豪語した。それは間違っていなかったのだけど、各国の教育官公庁はそれをアサッテに解釈してしまった。「これを子どもらにマスターさせれば理数系の人材がわんさか育つぞ」と。
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
ちょうど宇宙ロケットがばんばん飛び出す時代でした。科学技術が日進月歩していると大衆にも実感される(テレビで打ち上げや宇宙船からの生中継が流されまくった!)なか「数学こそこれからの子どもの必須素養」と誰もが思った。そこに集合論が入り込んだ。
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
現在、集合論は小学校ではほとんど扱っていないはずです。敷居は低いけれど、あそこから微積や線形代数まで話をもっていくには、長いながーい論理の鎖が必要なので、とても子どもらには耐えられないことがはっきりしたから。
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