- arishima_takeo
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諸個人には、買う自由と買わない自由がある。商品交換は、かならず実現されるわけではない。買い手の自由が、交換の不安定性をもたらす。by笠井潔『国家民営化論』
2018-11-22 19:30:05「「貨幣の専制」は最悪の場合でさえも、個人に死を強制しない。「国家の専制」は諸個人を、大量死が待ちかまえる戦場に追いやるのである。せいぜいのところ市場は、マネーゲームの勝者しかもたらさない」(笠井潔『国家民営化論』)。カネがないと「負け組」として表象されるけど、まあ表象だしね。
2018-11-22 19:37:04家事労働に賃金を支払うべきなのは、企業でも国家でもない。妻のサーヴィス労働を享受しているところの、その夫である。妻に家事労働の賃金を支払いたくない夫は、自分のための家事を自分で行なわなければならない。by笠井潔『国家民営化論』
2018-11-22 19:39:20ラディカルな自由社会は、人権なるフィクションを守るために福祉を実施するのではない。人権思想の前提でもある同型的・同質的」な個人という、それ自体としては無根拠な理念を防衛するために、そのコストを負担するのである、by笠井潔『国家民営化論』
2018-11-27 19:05:40「埴谷雄高のような、自分の遺伝子を半分をもつ他人が存在することは許せないという、形而上学的な確信犯以外の女性は、中絶手術の代わりに人工子宮移植手術を選択するにちがいない」(笠井潔『国家民営化論』)。ウケる。
2018-11-27 19:07:22ラディカルな自由主義は、安楽死の権利を、ひいては自殺の権利を主張する。人間には自殺する権利がある。自殺するために、より肉体的に苦痛の少ない方法を求める権利がある。by笠井潔『国家民営化論』
2018-11-27 19:08:51ピエール・ルミュー『無政府国家への道』によれば個人主義的アナーキズムの系譜には、ゴドウィン、タッカー、ハーバート、スプーナーというのがいるそうだが、ロスバードって奴はこれでいうとどういう位置づけなのか。
2018-11-27 19:11:34「わたしが最初に、警察の民営化というプランを思いつたのは、中曽根時代に国鉄や電電が民営化されたときのことである」(笠井潔『国家民営化論』)。要するに、事件は会議室で起こってるんじゃない現場で起きてるんだってことだね(違う)。
2018-11-27 19:34:38「銃社会アメリカを心得顔で批判し、「平和」で「安全」な日本社会を礼讃するまえに、権利および自由の原理にまでさかのぼって、自衛と武装の主題を思考することが求められている」(笠井潔『国家民営化論』)。心得顔って長い人生のなかで一度も使ったことないな。ドヤ顔みたいなもんか。
2018-11-28 18:45:44自由から秩序が生じる原理を、市場の調整機能において発見したアダム・スミスでさえ、夜警国家の必要性は認めている。社会契約論で国家や政府の存在が要請されるのは、どのような契約関係であろうと、契約違反者が生じる可能性を排除できないからである。by笠井潔『国家民営化論』
2018-11-28 18:48:30「自由競争が貫徹されているから、検挙率が高く、冤罪率の少ない警備会社が多数の顧客を集めるにちがいない。警察機能は市場競争にさらされて、いまあるような役所仕事的な横着さも、影をひそめることになる」(笠井潔『国家民営化論』)。どうやって調べるんだろう。警備会社監督会社に頼むとか?
2018-11-28 18:51:43「同型的・同質的な諸個人による社会形成というフィクションは、社会構成員の自衛権、そのための武装権を原理的に前提としている。「自分の食い扶持は自分で稼ぐ」個人は、同時に「自分の身は自分で守る」個人でもあるだろう」(笠井潔『国家民営化論』)。障碍みたいな問題はイレギュラーで扱うのか。
2018-11-28 18:54:42笠井潔『国家民営化論』。死刑廃止に代えて決闘権の復活は結構いいんじゃないか。リバタリアンやアナルコ・キャピタリストじゃなくったって、支持できる気がする。遺族感情への配慮で死刑制度続行を望むのならば、遺族ご本人にやってもらったほうが理になっていよう。
2018-11-28 19:06:18「銀行券の自由発行のプランは、第二次大戦後にハイエクが提案したものである。これは国家が廃止される以前の段階でも、十分に実行可能なプランといえるだろう」(笠井潔『国家民営化論』)。Q的な? ビットコイン的な??
2018-11-28 19:13:39しかし「よい」国家など、原理的に存在しえないのである。国家とは独占した強盗集団である以上、それは本質的に侵略的な傾向性をもつ。侵略戦争に国民的な責任をとるという倫理は、日本国家を解体する方向性においてのみ現実化されうる。by笠井潔『国家民営化論』
2018-11-29 13:00:47平凡なようだが、人類の英知に期待するしかないのである。それで駄目なら、ホモ・サピエンスという種もまた恐竜やマンモスのように、死滅すべくして死滅したのだという事実が、たんに事実として証明されるにすぎない。by笠井潔『国家民営化論』
2018-11-29 13:04:24笠井潔『国家民営化論』読了。面白かった! 武士(=マルクス主義闘士)ではなく商人から始める革命…新自由主義もここまでくると大したものだ。リバタリアンとかなり被ってはいるが、ヘーゲル&マルクスから来ているという出自と小説家=文の商人としての経歴が、この本を類例のないものにしている。
2018-11-29 13:09:13社会のリバタリアン的傾向はいまだと自由の理念によるベキ論で進んでいるというより効率化や財政赤字というお財布ベースで進んでいるから、学者がこれを擁護するのはなかなか難しいよね。現実サイコーっていわれてもな。残された選択肢は、あくまでラディカルにいくか保守派に日和るか…。
2018-11-29 13:16:53とはいえ、笠井さん自身はもう民営化論を手放しているようだが。あと、いま読むと、グローバリズムへの素朴な信頼がひっかかるね。経済のグローバリズムによってむしろ古い感情的ナショナリズムが点火されてるわけだから。
2018-11-29 13:19:20