日向倶楽部世界旅行編第70話「強敵を捉えろ」

あらゆる攻撃を避けて来る強敵サザナミは、シラヌイと共に日向達へ迫る。正面からも死角からも攻撃が通じないピンクショッカーズの二人に対し、日向達は…
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三隈グループ @Mikuma_company

シラヌイの腕から突然ワイヤーが伸び、日向の背負う主砲に巻き付いたのだ!これが想定外だった! そして日向は瞬時に"ヤバい"と思った、これまでの経験から何かが"起こる"と思った!彼女は素早く主砲を艤装から切り離し、海へと投棄する! 次の瞬間!

2018-12-06 21:36:41
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「なっ…!」 ワイヤーから火花が散り、投棄された主砲に凄まじい電流が流れたのだ!もし主砲を投棄していなければ、彼女の艤装は電流によってオシャカになっていただろう! 「失敗…第二段階へ」 日向が息を呑む間に、シラヌイはワイヤーを切り離し手袋を締める。

2018-12-06 21:37:50
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すると突如、日向の死角から砲撃が行われた! 「ギャハハハハッ!手柄だぜヌイクソォ!"陣形"が乱れたッ!」 それはサザナミ!たった今の攻防により、伊勢と日向の位置関係が微妙に変わった!サザナミはその一瞬を逃さずに突撃したのだ! 「チッ、これでは…まずいッ…!」

2018-12-06 21:39:15
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甲板を盾に二人からの集中砲火を捌く日向、だが攻勢は激しさを増す! 「突っ込めヌイクソ!テメーなら避けられるだろッ!」 「了解」 シラヌイを突っ込ませつつ、サザナミはドレススカートの裾をもたげ、その下に隠れていたいくつもの火器を露出させる!それは、隠されていた彼女の火力!

2018-12-06 21:40:41
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「ッ…!奴にはまだ武器があるのか!」 息を呑む日向をサザナミは嘲る! 「ケケッ…オメーはラッキーだなァ、このサザナミ様の絶対領域(きりふだ)、拝めたんだからよォッ!」 主砲、副砲の一斉射!それと同時にシラヌイが強襲!彼女はサザナミの砲火を避けつつ、日向へと迫る!

2018-12-06 21:42:46
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「クソッ、瑞雲!向こうを足止めしろ!」 日向は瑞雲をサザナミに向けて射出しながら、迫るシラヌイから身を守る。しかし両者の激しい砲火に晒され、彼女は何発かの被弾をする! だがそこへ、伊勢が追いついた! 「逃げないでよねぇ、こっち、見なよッ!」 伊勢は距離を詰めつつ砲撃をぶちかます!

2018-12-06 21:44:27
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しかしサザナミは片手間に避け、日向への攻撃を続ける! 「オメーは後でじっくり相手してやらァ!」 「ふぅん、でも二対一なんて卑怯じゃなあい?」 「二人いるんだぜ?馬鹿正直に二対二で戦う奴より、二対一を二回戦った奴が勝つに決まってるよなァッ!?」 サザナミ、攻撃を続行!

2018-12-06 21:45:50
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だが伊勢も、手をこまねき続ける程単純な艦娘でもなかった! 「うーん、日向ぁ?」 彼女は日向に通信を送る! 「なんだ!」 「30秒、30秒後に私は動くよ。」 「何…!?」 暗号のごとき伊勢の言葉に日向は顔をしかめる。そこへ伊勢は、もう一言だけ付け加える!

2018-12-06 21:47:41
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「目を離さないでよね…絶対に、相手を見失っちゃあダメだよ」 伊勢はそれだけ言うと、通信を終えた。 (見失うな…?何だ、奴は何を狙っている…!) 日向は言葉の意味を必死に汲み取ろうと頭を捻る、伊勢の思考や倫理観は理解しがたいものだ、何を考えているのかなど、到底分からない。

2018-12-06 21:49:46
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しかし一つ確かなのは、伊勢はこの試合に"勝つ"つもりだ、その点だけは信頼できるのだ。 そして日向は、一つの結論に、不確かだがそれにたどり着く。 「…可能性だが、奴がやるとすれば…!」 彼女は交戦の合間を縫いながら、その結論を実行すべく備える!

2018-12-06 21:51:29
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一方、サザナミは伊勢の砲撃を適当に避けつつ、日向を攻撃し続ける。 「チッ…艦載機がブンブンうるせえな、当たりもしねえちょっかいかけやがって」 彼女の頭上には、日向の放った何機かの瑞雲が飛んでいた。最も、それらは何もして来なかった為、彼女は日向に集中していた。

2018-12-06 21:53:03
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彼女の正面ではシラヌイが日向と交戦していた、彼女はそこへ手持ちの主砲、スカートの中の主副砲を合わせた砲撃を行う。誤射の危険があるのだが、シラヌイが避ける前提で彼女は攻撃を続けていた。 事実、シラヌイは被弾していない、そして日向には何発かの命中弾、思惑通りだ。

2018-12-06 21:54:42
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だがその時! 「うおおおおおおッ!!!」 日向が雄叫びを上げながら、サザナミの方へと突っ込み始めたのだ! 「あのヤロー、ヤケクソか!?」 日向は守りを捨て、全速で突っ込む!シラヌイの追撃も気にせず、ひたすらに突っ込む!一基の主砲が破損したが、お構いなく!

2018-12-06 21:56:58
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「チッ…キレた奴が一番めんどくせェ、大人しくくたばっちまえ!」 サザナミは主副砲を構え、日向に狙いを定める!しかし! 「…バレバレなんだ、挟み撃ちなんてのはよォーッ!」 彼女は一旦手を止め、回避運動を行った!彼女には、死角から伊勢が攻撃を行うのが見えていた!

2018-12-06 21:58:34
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伊勢は主砲を放ちつつ、二本の刀を交差させている!サザナミは主砲の攻撃を避ける、これは簡単だ。だが! 「とっておきだよ…私の、オーラ・シュートッ!」 突如、伊勢の構えた二刀が青く輝き、大きな光弾を撃ち出したッ!撃ち出された光弾は真っ直ぐ飛び、サザナミに向かう!

2018-12-06 22:00:24
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「あんなのがあんのかよ…ッ!」 サザナミは間一髪これを避ける、予想外だが飛んでくる方向が分かれば避けられた。放たれた青い光弾は彼女の脇を通り、正面の海面へと沈む。伊勢の奥の手はあっけなく回避された。 そして光弾は、大きな水飛沫を上げる大爆発を引き起こした!

2018-12-06 22:01:58
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それが起きた瞬間!サザナミは眉をひそめた! 「…ッ!違え!奴の狙いは命中じゃあねえっ!」 彼女は目の前を見て叫ぶ。なんと舞い上がった水飛沫が霧となり、サザナミの前に壁を作ったのだ!そしてその壁は、正面に捉えていた日向の姿を包み隠していた!

2018-12-06 22:03:26
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だがサザナミは冷静だった、焦らない! (5秒もすれば晴れる…!どうせ向こうも見えちゃいねぇ、見えた瞬間、ブチ抜いてエンディングよ…ッ!) 彼女は正面に狙いを定める、しかし彼女は、真上を飛ぶ"ある物"に気付き、息を呑んだ! 「…ッ!まさか!」 そのある物は、日向の飛ばしていた瑞雲!

2018-12-06 22:05:02
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それに気付いた瞬間だった! 四発の弾丸が霧を突き抜け、サザナミへと迫る! 「やべぇっ…!」 すぐさま回避運動、しかしもう反応が間に合わない!弾丸が現れた時にはもう、避けきれない! 四発のうち二発の弾丸がサザナミを直撃!彼女の艤装は破損、その能力の大半を失った!

2018-12-06 22:06:23
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「く、クソッ…!これが狙いかよ…!」 戦艦娘の主砲が直撃したのだ、艤装も肉体も大きなダメージを受けている! (これ以上は無理か…!脚が、イカれちまう…!) サザナミは浮き袋を展開し、海に浮かぶ。これは白旗のような、戦闘不能である事のアピール、サザナミの脱落を意味する!

2018-12-06 22:07:41
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「当たったか、なんとか…」 日向は深く息を吐き、サザナミの脱落を確認する。"見て"避けて来るのなら、"見えない"部分を無理矢理にでも作るしかない。一か八かの奇策が何とか成功し、日向は安堵する。 だがまだ試合は終わっていない、彼女は残ったシラヌイに向けてその場で旋回する。

2018-12-06 22:08:55
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シラヌイはというと、サザナミがやられた事に関心は無いようだった。支援はもう無い、という事実だけを認識したように、彼女は動きを変えて日向に向かう。 (奴にも攻撃は当たらんかもな…だが、やりようはある) シラヌイの砲撃へ徹底的な守りを固めつつ、日向は距離を詰め始める。

2018-12-06 22:10:09
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対するシラヌイも砲撃を繰り返しつつ前進する。日向の攻撃に彼女はまるで当たらず、有利不利はシラヌイが圧倒的に有利に見えた。 「軌道パターン2A64、攻撃パターン0…」 彼女は日向の動きを注視しつつ、的確な射撃を送り込む。日向は回避に専念する。

2018-12-06 22:11:59
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そして、二人の距離が極めて縮まった瞬間! 「よし…今だッ!」 日向は突如急加速!シラヌイとの距離を一気に詰め、白兵戦の間合いに飛び込んだ!これにシラヌイは砲撃で迎え撃つ、日向は回避運動を取らずこれに被弾、しかし、詰める!詰める!詰める!

2018-12-06 22:13:14
三隈グループ @Mikuma_company

そして遂に、日向が居合抜ける間合いに突入した! 「せやあァァァァッ!」 「パターン…6B7」 日向はシラヌイの艤装めがけて刀を振り抜く!しかし当然、シラヌイはこれを避ける!当たり前だ、それは分かっていた! 「ぬおォォォッ!」 日向はすぐさま身を翻し、刀を振り下ろす!

2018-12-06 22:14:53