日向倶楽部世界旅行編第70話「強敵を捉えろ」

あらゆる攻撃を避けて来る強敵サザナミは、シラヌイと共に日向達へ迫る。正面からも死角からも攻撃が通じないピンクショッカーズの二人に対し、日向達は…
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三隈グループ @Mikuma_company

「奴は死角からの攻撃を避けて来る」 「一気に突っ切っちまえッ!」 「第二段階へ」 「肉を切らせて貰うッ!」 「目を離さないでよね…」 「馬鹿正直に二対二で戦う奴より、二対一を二回戦った方が勝つに決まってるよなァッ!?」 日向倶楽部、この後21:00! pic.twitter.com/GwdXRGuR9f

2018-12-06 20:46:52
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〜前回の日向倶楽部〜 決勝トーナメント二回戦第二試合、日向と伊勢はピンクショッカーズのサザナミによる強襲を受ける。的確な射撃と、死角からの攻撃すら避けるサザナミは、一人で日向達と渡り合う強敵だった。 伊勢の機転で仕切り直しとなったが、サザナミはシラヌイを連れ、再度攻勢に出る…

2018-12-06 21:00:22
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日向倶楽部 〜世界旅行編〜 第70話「強敵を捉えろ」

2018-12-06 21:01:07
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〜〜 二回戦第二試合、なかよし伊勢型とピンクショッカーズの試合は、互いに態勢を立て直し仕切り直す形となっていた。 「おっ、来るみたいだねぇ」 破損した一基の主砲を下ろし、伊勢は刀を構える。彼女の主砲は右側に残った一基のみ、割合を考えれば大きな損害を負っていた。

2018-12-06 21:02:12
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加えて艦載機である瑞雲も消耗している。装備の豊富さでのアドバンテージは縮まっており、小細工の少ない正面からの戦いを強いられる事となる。 しかし 「ふーっ…まあ、ふふっ…ふふふっ…」 伊勢は余裕の表情を浮かべ、手慰みに刀を振るう、先端からは青い光が尾を引いていた。

2018-12-06 21:03:46
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一方で日向は、状況を確認しつつ敵を迎え撃つ構えを取る。幸い艤装は無傷、目立った損害は艦載機の消耗のみと、まだまだ優位を保てる状態だった。 (機動性に翻弄されないよう、しっかり相手の動きを見極めないとな…だが) 日向は神妙な面持ちでサザナミとの交戦を思い返す。

2018-12-06 21:04:59
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(サザナミ…奴はあらゆる方向、死角からの攻撃すら避けて来る…それが、問題だ…) 死角からの攻撃を避ける方法は、大きく分けて二つある。 一つは経験と判断。戦いの中で培われた経験から、いつ何処から相手が仕掛けて来るかを"読む"事で、見る事なく攻撃を避けるのだ。

2018-12-06 21:06:18
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そしてもう一つは、死角に目がある…という事。経験から"読む"のに対し、こちらは"見る"事で避ける、そういう方法だ。 (奴が経験豊富なら、読む事で避けて来たのも納得が行く。こちらの動きと噛み合えば、神懸かり的な回避運動を見せる事だってあるだろう。) 日向は思索する。

2018-12-06 21:08:07
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(だがもし"見えて"いるなら…後ろに目の付いている或いは、何らかのセンサーによって感知しているとしたら…?考えたくない話だが、頭の片隅には入れておきたい…。) 相手は、サザナミはどちらなのか?日向は慎重に事を運ぶべく、神経を研ぎ澄ませて相手の動向に気を配る。

2018-12-06 21:09:27
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そうしているうち、サザナミが再度接近して来た! 「来たか!」 日向は砲を構え、狙いを定める。しかし、今回接近して来るのはサザナミだけではない。 「もう一人も、やる気出して来たようだね…」 伊勢は刀を構えて動き出す、サザナミの側にはシラヌイも居た。

2018-12-06 21:11:02
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「おいヌイクソ、オメーどっちならイケる?」 随伴するシラヌイにサザナミは訊ねる、これにシラヌイは淡々と答えた。 「どちらでも構いません、しかし機動性の優劣を利用するなら、劣る方が狙いやすいかと。」 「はァ、なるほどな」 機動性に劣る方、要するに日向の方だ。

2018-12-06 21:12:33
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サザナミは少し考えてから口を開く。 「ならヌイクソ、オメーは突っ込んで後ろ狙え、前のには私がちょっかいかける。」 「集中攻撃をかけるのでは?」 シラヌイの問いを、サザナミは鼻で笑う。 「やるぜ?機動性はこっちが上だ、なら分断した後先に合流するのは、私らだよなァ。」

2018-12-06 21:16:04
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二人はそんなやりとりを経た後、加速する。一方、日向もそれに備える。 (奴等の狙いは私だろう…初めは分断にかかって、その後一気に転じて来る…) 相手は機動性に優れているのだから、それを活かして来るはずだ、日向はそう推察する。伊勢もそれは把握しているのか、日向との距離を近く取っている。

2018-12-06 21:16:41
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そうこうするうち、サザナミとシラヌイが日向の射程に入る! 「行けヌイクソ、一気に突っ切っちまえッ!」 サザナミがそう言うとシラヌイは無言のまま速度を上げ、先陣を切る。普通なら気迫のこもった顔つきにもなるだろうが、シラヌイは眉一つ動かさずに突撃する。

2018-12-06 21:17:49
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「真正面から突撃して来るか…当たる気は無いと!」 猛進するシラヌイに日向は弾幕で応戦する、しかしシラヌイは避ける、避ける、避ける! 「軌道予測率74%、射撃予測率61%」 ブツブツと言いながら避けるシラヌイ、そこへ死角から伊勢の砲撃が飛ぶ! だがシラヌイ、これを的確に避ける!

2018-12-06 21:19:51
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「命中率0%、戦闘行動継続」 「なるほどねぇ、こっちもか」 シラヌイの動きに、伊勢はふむぅと頷く。だがそんな事を言っている余裕はない、彼女にはサザナミが迫る! 「おいブス!第二ラウンドを始めようじゃねーか、オメーの準備は待たねーぜッ!」 サザナミの砲撃が伊勢に迫る!

2018-12-06 21:20:58
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しかし当然、伊勢はこれを避ける!熟達した艦娘同士において、馬鹿正直な砲撃など攻撃の内に入らないのだ! 「今回は随分離れてるねぇ、何か嫌な事でもあった?」 彼女は挨拶とばかりに砲撃をかまし、交戦を始める。位置取りには気を配り、日向と分断されないよう心がける。

2018-12-06 21:22:18
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(日向ならあれを捌き切れると思うけど、どうかな?) 伊勢はニヤついた笑みを浮かべて日向の方に意識を向けると、またサザナミとの戦いに集中する。一方で、サザナミも間合いと立ち位置に注意しつつ交戦を続ける。 (狙いは向こうも把握してるか、ケッ…生意気ってんだよな、そういうのはよ)

2018-12-06 21:23:54
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機動性に差があろうとも、やり方次第で相手を足止めしたり、味方を守る事は出来る。伊勢は自分本位な人間だったが、誰かと組んだ時の動き方を知っていた。 一人だからこそ、誰かを活かす方法を熟知しているのだ。 彼女は徹底してサザナミをマークし、シラヌイとの合流を阻止する。

2018-12-06 21:25:37
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その味方である日向は、シラヌイとの交戦に突入していた。 「こいつ、基本的に弾は当たらないか…!」 シラヌイは日向の砲撃を的確に避け、精度の高い射撃を送り込んで来る。日向も攻撃は避けているものの、スレスレの回避が多く、油断は出来なかった。

2018-12-06 21:27:05
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(相手はどちらも回避能力に優れている…こちらから手を出しても、簡単にいなされる…) 技量や経験の勝負なら、日向が負ける事はそうなかった。第一世代の艦娘たる彼女に、経験で勝てる艦娘など滅多な事では現れない。艦娘同士の戦いにおいて、この経験の差というのは極めて埋め難いものなのだ。

2018-12-06 21:28:56
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だがシラヌイは攻撃を避け続けている、それは熟達した艦娘の動きそのものだ。 日向はそれを踏まえ、思考する。 (この相手は艦娘では無い…何か、とても高性能な"機械"と考えた方が良さそうだ。堅実ではない、常軌を逸した攻略法を考える必要がある…!)

2018-12-06 21:31:07
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そうこうしてるうち、シラヌイが迫って来た!彼女は機動性を活かして距離を詰める、日向の主砲が機能し辛い間合いへ飛び込む! (シラヌイ…録画を見たが、あれの拳は強靭だった。だが近接戦のリーチならこちらが優位、飛び込むしか無いッ!) 日向はリスクを承知で間合いを詰める!

2018-12-06 21:32:28
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そこへシラヌイも突っ込んだ!両者距離を縮めた白兵戦にもつれ込む! (先に手を出しても無駄だ、奴に撃たせた所を"狩り取る"ッ!) 日向は甲板を盾に構えながら、鞘に収まった刀へ手をかける。すれ違いざまの一撃でシラヌイの艤装を叩き斬る用意がある!

2018-12-06 21:33:47
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速度を維持しつつ構える日向、相手が応じてこないなら離れた所を撃ち抜くのみ、万全の態勢!シラヌイとの距離が縮まる、最早接敵は確実! だが! 「ッ…!?」 シラヌイは直前で軌道を変え、日向から距離を離す!それだけなら日向も想定内だった、問題はその次だった!

2018-12-06 21:35:20