- misonikomioden
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まぁ……、さて。無駄話はやめて、梅ラボさんが被災地のモチーフ、手描きのペインティグを絵画に入れる事について改めて、お考えきかせていただいていいですか? twitter.com/gnck/status/10…
2018-12-07 19:52:18@ynamasu まず確認だが、今回の展示では、《すべてを死るのも》は出展されておらず、gnckは該当作品についてトークイベント中では積極的に発言していない。該当作品についてのgnckの評価は後述。 また、梅沢の発言に関しては、gnckは繰り返し聴いているものという認識だが、出典を明示できるほど今回リサーチし
2018-12-10 23:48:47@ynamasu ていない。梅沢から「発言趣旨の誤解である」という指摘を受けるかもしれないという、生須さんと同じ轍をgnck自ら踏む可能性もあることは、はじめにお詫びしておきたい。 はじめに、梅沢作品全般について検討してみる。
2018-12-10 23:49:31@ynamasu ・梅沢作品はデジタル画像を基本としたコラージュに、加筆することでタブローとして成立させているスタイルが主流である。 ・中心的なモチーフはキャラの断片であり、梅沢作品を特徴付けるものである。 ・初期作《画像かわいいよ画像》のころより写真が素材として用いられることはあった。
2018-12-10 23:49:49@ynamasu ・震災後は被災地を梅沢自身が撮影した画像がモチーフとして入り込む。また炎上によってか、インターネット上の画像は画面から後退していく。 次に、評価のあり得る立場について(実際にインターネット上でもあったリアクションを含む)
2018-12-10 23:50:20@ynamasu 立場1 単なるコラ。絵を描いてないから偉くない。元絵のがよい。元絵に失礼 →反論 元絵の良さにおんぶに抱っこであれば、その通り。コラージュしたことで新しい価値が発生していれば、その限りではない。
2018-12-10 23:50:45@ynamasu 立場2 情報量がいっぱいで凄い →反論 これはただの物量主義。センスない。ただの物量で良いならもっと詰め込む細密画は多数ある。 立場3 その時々の情勢を反映しているから良い(社会反映論) →反論 震災後にもキャラを中心的なモチーフにし続けていることの説明がつかない。
2018-12-10 23:51:49@ynamasu 次に、gnckの立場 梅沢作品は、 ・コラージュという方法を用いて「記号を視覚的にジャンプしていく」視覚体験を創出した点 ・それが、00年代後半の、局所的だが象徴的な情報環境のリアリティを鮮やかに映し出している点 において評価される
2018-12-10 23:52:13@ynamasu 詳しく書く。 ・キャラの記号性について 梅沢は「キャラの目」「髪の毛」「羽」などを特に大きく用いる。 東浩紀のデータベース消費論での指摘の通り、(特にギャルゲーにおけるキャラデザインに顕著なように)キャラの属性を示すために、記号的なパーツが用いられる傾向があった。たとえば、
2018-12-10 23:52:33@ynamasu キャラデザインにおける色とりどりな髪色はキャラ付けと紐付いており、単なる「色」というよりは、その背後に意味を内包した「記号」だと言える。(これは、ギャルゲーの歴史的条件、、、つまり色数のフルカラー化や、立ち絵で個性(キャラ付け)を表現しなければならないなどの制約故に採用されてきた
2018-12-10 23:53:01@ynamasu 方法論でもあり、たとえばアニメーションでは伝統的に採用されてきた「キャラのシルエットで個性を出す」ような方法論は、パーツをバラバラにするコラージュとは相性が悪い)(また、二次創作のムーブメントのためには、描き手を問わずキャラの同一性が確保されることが重要であり、
2018-12-10 23:53:23@ynamasu ・「記号を視覚的にジャンプする」について マンガの視線誘導(言葉と目を結んだ線で人は目を動かすとする理論)や、STGや音ゲーなどの「敵の弾」や「バー」に強い機能が付与されているタイプのゲーム、ブラウザの✖️ボタンや、ニコニコ動画のコメント(通称弾幕)、双葉ちゃんねるやtumblrなどのサムネ
2018-12-10 23:54:22@ynamasu や縦に連なる画像をブラウジングして保存する/しない、リブログする/しないを瞬時に判断していく経験など、画像を大量に扱う際の身体的な反応(画像の記号的な箇所に身体的な速度で反応する)経験があるが、梅沢作品はその経験のタブロー化を試みたものとして検討すると、コラージュという方法論によって
2018-12-10 23:54:41@ynamasu キャラの記号的なパーツのみを選別し、画面を構成することに必然性があることが分かる。 (梅沢は同人ゲーム東方シリーズに言及する際に、敵の弾幕攻撃に「スペルカード」と名称がついたことに積極的に言及するが「弾幕」という記号に、より強い「固有名性」が付与されていることへの興味として
2018-12-10 23:54:56@ynamasu gnckが何を評価しないのかについては、 ・絵の具の扱いについて ・震災をモチーフとすることについて この2点について「単純に反対している」わけではないことを理解してもらいたい。
2018-12-10 23:55:21@ynamasu ・絵の具の扱いについて 梅沢自身はプリントした画面への加筆について「そっちの方がアートになるっていうか…」くらいの緩い発言をしている。 また、筆触については実際の筆触をスキャンして画像として用いるということを行なっており、全てが画像としてフラットに並ぶ状況についても
2018-12-10 23:55:42@ynamasu 作家的な興味を払っている。 gnckは、絵の具による加筆は「それによって絵画空間がどのように形作られるのか」「加筆によって作品の意味が変化するか」に注目する。 《untitled》《ジェノサイドの筆跡》などの初期作においては、蛍光色やラメペンが使用されている。
2018-12-10 23:56:10@ynamasu これはモニタ的な「発光」感を出すための方法論だと考えられるが、そんなに成功していない。ただ、試みの方向性としては理解できる。 《画像かわいいよ画像》や、卒業制作においては、「キャラをなぞる」という方向での筆触があるが、「画面とのインタラクションの発生」という意味では古典的ながら、
2018-12-10 23:56:33@ynamasu 現代的な身体感覚として、たとえばビデオゲーム的な、インターフェイスとの応答と比して検討してみると興味深くなる方向性ではある。とはいえ成功しているかは微妙なところである。また、たとえば、「A4用紙の境目」や、「ファイル(F)などのウィンドウのメニュー」をなぞる時には、
2018-12-10 23:56:54@ynamasu 人の手では自然には現れない直線や矩形が現れており、その質感と印刷面の質感の組み合わさり方は面白くなっている箇所がある。 GUI(コンピュータの操作画面)のウィンドウやレイヤーの構造を人間が感覚できるのは1.表象としての前後関係が存在すること 2.マウスなどを用いてそれらが操作でき、
2018-12-10 23:57:12@ynamasu そこに前後関係が存在していること による。 絵画空間は、線遠近法による空間の表現だけでなく「絵の具のごく薄い物理的な厚み」や、「筆触の重なり合いの前後関係」「バルール(進出色、後退色による前後関係の表現)」によって作り出されており、近代絵画の実践はこの「絵画空間」をどのように
2018-12-10 23:57:51@ynamasu デジタル画像的な「厚みはゼロだがレイヤーの前後関係は存在している関係性」は、既存の「絵画空間」の作られ方とかなり違うルールで出来上がっているが、それぞれの特性を掛け合わせて新たなる異質な「空間」を創出できるかもしれない、という意味において、gnckは肯定的である。
2018-12-10 23:58:30