創作荘ラインTRPG『ソーセージ・ケイブ』シナリオ９『真冬の炎暑』その１１(完結)とシナリオ１０『真実の槌音』その１、その２(完結)　キャンペーン完結

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

一同は決断し、その助言に従って義手とキューブをセットした。すると、義手から音声が聞こえた。霊体実体化コマンドを実行するそうである。実は、エンジャーの裏切りに気づいたアーカー転送技術部門部長とアンボイド呪術部長が、保険の為にどのキューブを使ってもそのコマンドが実行されるよう

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プログラムを書き換えており、ズバンクス達は一同がエンジャーと対決している時に、船内に廃棄されたゴーレムにキューブをセットしてそれを知っていたのである。カウンポーズ社の社長、重役全てが不在のため、社長代理が社長に昇格する際の条件として制定したのだ。両部長の、皮肉をこめた祝福がとどめ

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だった。実体化に伴い、霊体時に経過した年数が負荷として肉体にかかる。エンジャーは足の爪先から実体化していき、その端からぼろぼろに崩れ去っていく。胸から上だけになってコンソールにとりつくが、義手に手を伸ばしたところで力尽きた。 カウンポーズ社は全ての業務を終了し、現在実行中の

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サービス一切を停止……名実ともに消滅した。一同は、最後に、いまだ眠り続けるカプセルの三人をどうするか話し合った。そっとしておいても実害なしと判断し、出入口を全て塞いでから地上へ脱出した。 　全ての冒険が終わった。

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マリ群島独自繁栄エンディング 　神々はマリ群島を見捨てなかった。それは島の人々に大きな自尊心をもたらした。島の民衆は慎ましやかな生活を維持できることに改めて感謝し、強力な政府が存在しない代わりに誰からも干渉されない、良くも悪くも寛大な精神がマリ群島にもたらされた。

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ジリが焼き討ちされる直前、人魚の女王に引き取られたバルナは、人魚達と人間の橋渡しに尽力し、人間として初めて次期女王になった。 　ヒタ・ジロは神々を祭る神殿が数多く建てられ、参拝客にはキリメート達を初めとするキャラバンが抜け目なくつきまとい、あらゆる商品を売買した。このため

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ヒタ・ジロ歓楽街はある種の門前町としての機能を備えるに至り、その都市文化は熟達の極みに達した。大陸との文化交流では、大陸の若い学生達にとって百人組に選ばれることがなによりの名誉であり、ヒタ・ジロを参拝したといえば名刺代わりになった。フィローは大陸からくる客の為に宿泊業を起こし、

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キリメートと連携して大きな成功を納めた。彼女は不当な不動産価格の釣り上げを廃止し、ホテルの収益の一部を慈善事業に宛てて更なる名声を得た。その後イドガリと結婚し、子供には恵まれなかったものの終生市民から尊敬され続けた。ロメンは歳を取るに連れて円満な性格になり、グーネックが心血を

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注いだ競馬事業をマリ群島全体に行き渡らせた。やがてマリ群島は名馬の産地としても知られるようになった。ジロップは市の権益争いでフィローに破れ、没落して北区を出た。失意のまま僅かな資産をまとめてサンファ島に移るが、佐味藍コンビと偶然会ってから芸能プロデューサーとなり、再び成功を得た。

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その影には冴子の姿があったという。 　ジリの集落はニコラやリリィ達の手で復旧された。その中にはギランマ達の姿もあった。復旧は比較的短期間に終わり、ローゲンスはギランマと結婚した。二人の結婚式にはバルナも出席し、祝福の歌を歌ったところ、他の招待客がバルナに殺到して大騒ぎになった。

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シャッサは自らのコレクションが、戦乱に巻き込まれてどろどろの塊と化したことに強い衝撃を受けた。しかし、自らがその金塊を利用してフィギュアを売り捌く側に回り、大きな収益を得るに至った。集落はまた、大陸の冒険者達にとって一度は訪れるべき名所となった。ニコラのクラーケン退治や、リリィの

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ロック退治は子供達のお気に入りのお話になった。 　エルフの里は、ダークエルフ過激派の台頭を許した教訓に基づき、昔通りに保守的で閉鎖的なグループとなった。ヤガビーはクラウファンと夫婦のままドワーフ王国に戻ったが、二人の愛と実績に敬意を表し両国の往き来は制限つきで認められることに

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なった。もっとも、クラウファンとヤガビーは度々逢瀬を楽しんでおり、子供も生まれたが半年ごとにエルフとドワーフの元で育てられることになった。ローホールとワロールは、エルフの里を出てカニタウナベブギョウと共にジリの集落に行き、正式に結婚式を挙げて牧場を開いた。

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牧場の出入口にはズバンクス渾身の傑作であるペガサスの像が飾られている。 　そのズバンクスは、マリ群島が退屈になり大陸へと旅立った。時々寄せられる便りでは流れの石工として橋をかけたり道路を作ったりしているらしい。その傍にはラスリーがいて、ズバンクスの胃袋を常に満たしているという。

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二人の若者達は大きな噂の的になり、出鱈目スポーツ新聞は修行行脚で彼等が解決した地方政権の腐敗堕落ぶりを面白おかしく書き立てた。 　クレソンヌとルーフェスは正式に結婚し、ジリの集落を出て夫婦で流れの行商人になった。というのは半分は建前で、実態はルーフェスが裏社会ネットワークを造る

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算段だった。ルーフェスは密輸組織を率いて莫大な富を得る一方、スパイや奴隷商人、麻薬業者がマリ群島に入らないよう厳しく目を光らせた。もしこれら有害な人々が島に現れたら、クレソンヌが率いる実働部隊が容赦なく制裁を加えた。

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幾多の冒険を乗り越え、リリィはウエストリバーと無事に再会した。二人の愛はもはや不動不壊に達しており、ヒタ・ジロで盛大な結婚式が上げられた。ウエストリバーはリリィや彼女の仲間達の活躍を歌にして広め、その名声は大陸にまで轟いた。

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仲間達の成功や栄達を祝福し、しばらくは豪華な生活をたっぷり楽しんだニコラは、富貴安泰が必ずしも自分を満足させないことに気づきつつあった。熟慮の末、新たな冒険を求め、彼はマリ群島をあとにした。主だった友人達は彼の船出に立ち会ったが、何故かニコラと同じ船にマリアも乗っていたという。

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ゲームマスター後書き 　二年に渡るキャンペーンもようやく終焉です。なにを隠そう、こうしたオーソドックスなファンタジーTRPG (一応自作です)を、ここまで時間をかけて最後までやり抜いたのは生まれて初めてでした。本キャンペーンは、最初からこの結末が決まっているのではなく、各シナリオごとの

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展開や結末から少しずつ『寄せた』お話です。その意味では、違うプレイヤーが遊べば違う結末になるかもしれません。例えば、方向によっては魔女クレソンヌは大陸からきたスパイで、錬金術師エンジャーは島にまつわる秘密を守る善良な人間だった可能性もあったのです。

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いずれにしろキャンペーンを最後まで遊んで下さった雅氏と藍斗氏には感謝の一言しかありません。更には、悪ノリでカ・ブンレンなるユニットを出すのを快く承知して下さったオズ氏、出走馬の元ネタに名前を貸して下さった諸氏、その他本ゲームにかかわった全ての皆様に心からお礼申し上げます。　以上。