商店街活性化、目的無き目標の迷走から脱却しよう

商店街活性化を定義しない取組は、根拠の無い目標を設定しますが、これはすぐに自己目的化し、取組全体が迷走することになります。根拠の無い目標の多くは可視的状況への弥縫策ですが、弥縫すら出来ないまま、いたずらに対象空間、事業を拡大してしまいます。今現在多くの商店街音取組が陥っているところです。脱却にするには何を為すべきか>
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情報創発研究 @takeoquolaid

大店法が制定される73年当時、大型チェーン店の出店で商店街は大きな打撃を受けていました。対策を講じる前に影響度合いを測るために出店前後で商店街の要所で通行量を調査、その比較で影響を確認して対策を講じることになりました。 調査の結果、通行量は確実に減少していました。

2019-01-14 21:08:00
情報創発研究 @takeoquolaid

この場合、減少した通行量はショッピング目的の来街者及び来街者の買い回りです。※このことをお忘れ無く!※ 確認された大型店の影響に対してどのような対策が取り組まれたか? あっと驚く「通行量復復元策」。通行量が減っている→通行量を増やそう。 通行量調査の目的は影響度調査だったのですが、

2019-01-14 21:08:01
情報創発研究 @takeoquolaid

調査結果を見たとたん、大型店に対抗するには通行量を復元しなければならない、という短絡が生じたのです。 やむを得ない事情もありました。大型店にお客が流れた、その結果として客数が減り、通行量が減ったのだ、ということは見やすい因果関係ですが、では大型店の吸引力に対抗してお客を引き戻す

2019-01-14 21:18:23
情報創発研究 @takeoquolaid

方法が考えられるか、ということ。 当時の商店街、個店の競争相手と言えば、同じ商店街の同業店、隣接する商店街、上位都市の中心商店街でした。これらの競合に対する競争ノウハウは経験と勘で間に合います。 しかし、突然従来の競争圏外から登場した大型店に対しては通用しません。 本来ならここで、

2019-01-14 21:18:24
情報創発研究 @takeoquolaid

今にして思えば ①大型店とは何者か、その正体を調査分析し、 ②その特徴を踏まえて ③個店・商店街の新しいあり方を構想し、 ④実現を目指す ということが必要でした。 大型店を理解する、商店街が目指す方向を定める、個店の売場も転換する、という作業には、大型店~小売業一般を理解するための

2019-01-14 21:33:22
情報創発研究 @takeoquolaid

理論と転換に取り組む技術が必要でしたが、学識経験者、支援専門家も含めて対策を講じるために必要な理論も技術もありませんでした。商店街だけでは無く、日本国中どこにも無かったのです。 ちなみに、大店法と同時期に施行された商振法による取組、高度化事業も大型店対策と位置づけられたものの、

2019-01-14 21:33:22
情報創発研究 @takeoquolaid

効果を発揮するために不可欠の理論と技術の不備で成果を挙げることが出来ませんでした。 「商店街活性化」を構想するも対策が優先、対策と言えば「通行量の復元」という流れができあがり、高度化事業も「通行量復元策」の一つという位置づけで取り組まれました。

2019-01-14 21:33:22
情報創発研究 @takeoquolaid

このように大型店出店後も有効対応策は商店街の内外から提出されないまま、もっぱらこれまで通りの経験と勘による販促事業が続けらている中で、青天の霹靂のように飛び出したのが大店法の緩和。日米貿易摩擦のまっただ中、新潟市へのトイザらスの出店を巡る紛糾から大店法が緩和された経緯はウィキで。

2019-01-14 21:53:41
情報創発研究 @takeoquolaid

以後、今日までの経緯は、一昨日あらまし述べました。 で、問題の「商店街活性化の定義」については、今日までほとんど問題になっていない、ということですね。スタート時点ではやむを得ない点も有ったのですが、以来、今日まで商店街活性化とは商店街がどうなることか、事業の目的を定義しないまま、

2019-01-14 21:57:03
情報創発研究 @takeoquolaid

目的が定められていない事業に膨大な時間、資金、労力が投入された結果が、現在の商店街・中心市街地の実状ですね。 見直すチャンスは無かったのかと言えば実はありました。 旧中心市街地活性化法の制定。街を一個のショッピングモールに見立てて再構築する。ところが、所要の理論と技術を持たない

2019-01-14 22:01:57
情報創発研究 @takeoquolaid

専門家の手に掛かると、せっかくの機会が事業対象の規模拡大、類似事業メニューの拡大に終始、「商店街活性化=ショッピングモール見立ての所業集積としての再構築」は計画されること無くフェイドアウト、改正中活法では、もはや商店街は商業施策だけは活性化出来ない、と都市福祉機能の増進と

2019-01-14 22:06:49
情報創発研究 @takeoquolaid

経済活力の向上(これが商店街活性化)と目的が抽象化され、よほど商業理論・技術・活性化の経緯に対いていないと、所期の目的を達成する計画は作れない、という状況に至っているわけです。目的無き事業がどのような経過を辿るか、あらためて考えてみましょう。

2019-01-14 22:10:48
情報創発研究 @takeoquolaid

#目標の逐次拡大 続けます。商店街活性化の場合、目標・対象範囲の拡大について見てきましたが、その背後には「目的の不在」がありました。定義無き商店店街活性化、ですね。目的が設定されていないなかで、「通行量の復元」を目標に取り組むとどうなるか? 目的による制限無しに目標が独走する。

2019-01-14 22:18:04
情報創発研究 @takeoquolaid

大東亜・太平洋戦争まんまですね。 ドイツが仕立てたバスに乗り遅れるな、ハルノートが気に入らん、というのでは目的になりません。目的無き戦線は、制約無しに膨張拡大する。 商店街活性化も目的を確立しないまま、「通行量復元」という「目的」の無い、したがって目標に不可欠の「限定」の無い、

2019-01-14 22:25:31
情報創発研究 @takeoquolaid

自己目的化した目標:通行量の増大、の出現。 通行量増大・賑わい創出のためなら何でもあり。集客核の設置、空地空店舗活用、コミュニティ施設、マンション、コンパクトシティ等々、考えられる限りの施策を講じても「目標:通行量の増大」は実現出来ません。なぜか? 理由はハッキリしています。

2019-01-14 22:29:26
情報創発研究 @takeoquolaid

幕間:目的は目標を制約し、計画は行動を制限する。 目的なき目標、計画なき行動に所期の成果を期待するのは思慮分別を欠く所業、組織としてはあるまじきこと。

2019-01-14 22:41:28
情報創発研究 @takeoquolaid

商店街活性化の文脈で言われる通行量とは、商店街・商業街区への来街者数や街区内居住者の出入記録などとは何の関係も無いものです。商店街活性化の目標として設定される「通行量の増大」はショッピング目的の来街者の回遊の増大。 (画像参照) 活性化スタート時点の状況を振り返れば明白。 pic.twitter.com/MEq0e1Upcx

2019-01-14 22:54:51
拡大
情報創発研究 @takeoquolaid

大型店対策として取り組まれた「通行量復元」は、従来の顧客が大型店に吸引された結果減少した客数×客単価の復元を目指すもの。漠然と「来る人住む人を増やす(藻谷浩介)」というものでは無かった。しかし、これは成功しなかった、なぜか?

2019-01-14 22:58:55
情報創発研究 @takeoquolaid

大型店へ移動した人はショッピング行き先としての優位性を評価してのことであり、この人達を引き戻すには「通行量増大策」では無く、ショッピング行き先としての適性を再構築、アピールすることが必要だったが、力量的に実現出来なかった。ショッピング行き先としての魅力の劣位を通行量増大策で

2019-01-14 23:05:02
情報創発研究 @takeoquolaid

カバーできるわけが無い。 これが今に至っても続けられている目標としての通行量増大策が不発に終わる原因ですね。イベントその他で来街させてもショッピングは実現出来ず、翌日以降の来街はゼロ。街の様子はイベント前日に復帰。 全国全市町的に見慣れた風景。

2019-01-14 23:08:48
情報創発研究 @takeoquolaid

ちなみに、商店街活性化とは当該街区の商業集積としての維持または再構築のと里組みである、という方向で定義されていない商店街活性化は、どんな大義名分を掲げていても「通行量の増大による商店街活性化」の派生です。 通行量増大同様、商業集積としての商店街鬼次再構築は実現出来なので念のため。

2019-01-14 23:13:47
情報創発研究 @takeoquolaid

ということで。 #目標の逐次拡大 というタイトルで延々の連ツイにおつきあいいただきありがとうございました。商店街活性化とは商店街が同案ることを目指すのか、定義ー目的を確立すること無く取り組まれる活性化事業は、同質類似の事業を漫然と繰り返すばかり、どこへも進むことが出来無いのだ、

2019-01-14 23:25:48
情報創発研究 @takeoquolaid

ということをあらためて確認し、商業集積としてのあり方を新に確定するコンセプトを導きに構築するチャレンジに出立していただきたく。 我々が提唱する商店街が目指すべき方向と方法は: コミュニティモールプロジェクトgoo.gl/dxQqdu

2019-01-14 23:25:48