ギガベース日誌　2019年新春ほのぼの閑話

再す誕ふ者ん🍜🍬 @hfsm_ABIDING

「娼館じゃねぇ遊郭だぁ！！なんでわかったんだこの野郎！！！」 「どっちでも同じようなもんだろ。昔遊びに行った事があるからな。艦娘をそのまま遊女にした店。初めて見た時は妙案だと思ったが……ナンバー1に脱走されちゃ面目丸潰れってところかね」　#ギガベース日誌

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ACは装備していたライフルを投棄し、海面に転がる日進の頭を無造作に掴み上げた。 「えっ、もももしかしてお客様？昔に？」 「うん、まぁー、そうだな。一回しか行った事無いが。あんたの声は忘れにくい」 「ちょっ、ちょっと待てよ。なんか俺も……待て、待てよ、おい」　#ギガベース日誌

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依頼側の男の様子が、日進が損傷した時のそれとは違う方向に不安定になっていく。死体を掘り返す犬のように、彼の脳は思い出してはいけない記憶を思い出す。 「俺もっ……あんたの声、聞いた事あるぞ……覚えてる……何回も来てたお客様だ！」 「えっ」　#ギガベース日誌

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「渋い声してて……長良ばっかり指名して……あぁ、嘘っ、名前……会員カードに何度もスタンプ押したから……嘘だっ、そんなまさか……」 「おい」 「あんたぁ……まさか！ぎ、ギガベース鎮守府のっ……人類種の天敵？！なんでこんなとこにいるんだよぉっ？！ひぃぃぃっ！！！」　#ギガベース日誌

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急速反転を試みたヘリ真後ろから、フルチャージされたレーザーライフルの一撃が突き刺さる。 機関部ごと全体を貫かれたヘリは、墜落する間も無く空中で爆発四散した。 「……そうやって顧客の情報を遠慮無しにくっちゃべるから、こういう事になるんだ」　#ギガベース日誌

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30分後。上海海域のはずれにて。　#ギガベース日誌

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「お疲れ様です。提督」 「俺とお前しかいないんだ。そう硬くなくていい」 「じゃあ……ミッションはどうだった？」 「あー、んー……」 このエリアまで機体を牽引してきた大型ヘリ。それを操縦した不知火の質問に対し、DfJは即答を躊躇う。　#ギガベース日誌

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「……D？」 「すまん、失敗した！また依頼主に騙されてな！だから今回の報酬は……」 「その小汚い艦娘は？」 「ああ、これか？拾った。せっかくだし持って帰ろうかと。ほら、バリーが買い取ってくれれば、金の工面にはなるかもしれないだろ？」　#ギガベース日誌

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「……帰ったら、すぐミッションレコードを確認しましょう。不知火と二人でね。今回の失敗を次に活かす為に」 「……」 DfJはすぐさま先のミッションの通信ログを削除した。それは、彼の今までの人生において抱いてきた中で最も大きな危機感に晒されながら行われた動作だった。　#ギガベース日誌

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後日。12月31日。 ギガベース鎮守府にて。　#ギガベース日誌

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「確かに受け取った。しかしこんなレアな艦、どこで手に入れた？」 「詳しくは聞くな。思い出したくも無い。危うく、ずっと隠し通してきた若さ故の過ちを不知火に知られる所だった」 「まぁ、お前がそう言うなら掘り下げはしない」　#ギガベース日誌

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「それよりも、約束の金だ」 「入金済みだよ。しかしお前程の傭兵が急に金に困り出すと言うのも珍しい。またデカい戦争でもするのか？」 「正月の為だ」 「正月？」　#ギガベース日誌

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「クリスマスをあまりに適当にやったせいで、拗ねた艦娘が俺の口座の金を勝手に使おうとしたらしくてな。再発を避ける為、正月は”しっかり”やる。どうにも『お年玉』とかいって、何もしてない相手に金をくれてやる風習があるらしいからな」　#ギガベース日誌

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翌日、1月1日。 急遽呼び集められた艦娘達に対し、提督ことDfJからお年玉が配布された。 些細な金額であったが、ごま塩事件を最前線で経験した卯月はあまりの嬉しさに咽び泣き暴走。甘酒を飲み過ぎ泥酔した菊月と共に艦内を荒らし、子日約一隻が轟沈する惨事を引き起こしたという。　#ギガベース日誌

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ほのぼの閑話新春スペシャル　終わり　#ギガベース日誌