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これにはドリラー初の敵が出てきます。 ゴーストがブロックの中をやってくるのをストックしておいたホーリーライトで倒すといったゲームで試作を続けていました。 でも、どうしても面白くならなくて、困っていたのです。
2018-07-25 09:08:02こういう時は逆転の発想が効果的なんです。 ドリラーの最大の敵である×印ブロックが左右に二段あって下も×印ブロックという状況、これを開発内部では「棺桶」と呼んでいて、×印ブロックを掘るしかないので、この状況にならないようにプレイする必要があるのです。 pic.twitter.com/QS54CgHrkU
2018-07-25 09:09:52そこで逆転の発想でむしろ「棺桶」に入るのが一番安全って事にしたら遊びがどう変わるんだろう? と考えたのです。 この×印ブロックに変わるホーリーブロックを配置して、これを渡り歩いていくゲームにしました。
2018-07-25 09:10:18敵はブロックの中を移動してプレイヤーに近づいて来ますが、ホーリーブロックは通れないので、ここに逃げ込めば襲われません。 そして敵がいるブロックの塊を消すと倒せるという仕様になりました。
2018-07-25 09:11:40調整は企画のIくんが頑張ってくれたお陰で、本当に怖いドリラーができました。ゴーストが迫ってくるのをかわして逃げながら次の安全地帯までダッシュで掘り進む緊張感は、他では体験できない程のものです。 うちの奥さんは「こわいよー」と泣きながらクリアしていた程です。 つづく pic.twitter.com/WrjvPfBIef
2018-07-25 09:15:56ドリラークロニクル第50回! テーマパーク仕立てで5つのアトラクション。残りはあと二つ。 pic.twitter.com/21nzqQKJQ2
2018-08-01 08:58:02あと二つアトラクションを作らなければならないので、保険で考えておいたアイデアを仕様におこしました。 ひとつは「スタードリラー」といって、「ミスタードリラーG」の宇宙ステージをベースにして、宇宙で起こる様々なトラップを満載にしたドリラーです。 pic.twitter.com/MmLBsQbqhv
2018-08-01 09:00:18例えばブラックホールに一定範囲のブロックが吸い込まれたり、流星が斜めにブロックを破壊して通り過ぎたり、画面外から隕石が飛来し、ブロックに突き刺さり、そこが隕石ブロックに取って変わるとかです。 pic.twitter.com/LkjNkQqFMu
2018-08-01 09:01:04他にもワープゾーンがあったり、UFOが飛来して誘拐ビームで追って来たりといった、宇宙をモチーフにした面白そうな事を、今の仕組みを使って実現できそうな事で、しかもゲーム性をアップさせられるものという縛りで考えました。
2018-08-01 09:02:16もうひとつは「ザ・ホール・オブ・ドルアーガ」。日本名では「ドルアーガの穴」。 これも実は「掘るドルアーガ」という駄洒落になってるんですが、気付きましたか? pic.twitter.com/nJsu8zIiWa
2018-08-01 09:02:56これは「グレート」のドリストーンモードを発展させたもので、ドリラーの縦長のフィールドを一つの部屋と見立てて、トルネコのように上下左右のマップを自動生成でつなげるというアイデアです。 pic.twitter.com/iFWAY9hNtq
2018-08-01 09:03:31元々ドリストーンモードは「ドリネコ」と呼んでいたぐらいで、「トルネコの大冒険」に似ていたので、それならマップもトルネコにしてしまえという発想からこうなりました。 プログラマのHくんと話をして、それなら創れると確認をとった上で仕様を書きました。
2018-08-01 09:04:06こうして何とか5つのアトラクションが揃ったのでした。 後は企画陣が調整を頑張ってくれたお陰で、バラエティに富んだ楽しいソフトが完成したのです。 つづく
2018-08-01 09:04:31ドリラークロニクル第51回! 今回はBGMについてのエピソードです。 pic.twitter.com/xoEIOzswMN
2018-08-08 09:10:56ドリルランドのBGMはとっても豪華です。 それはサウンド担当の天才椎名くんがグレートの時に友達になったドラマーの斉藤タカシさん繋がりで、これまた友達になった高橋ナオトさんというバイオリン奏者が参加してくれる事になったからです。
2018-08-08 09:11:38高橋ナオトさんは1曲100万円とも言われる程の腕の持ち主で、プロで活躍されている方で、アイコのバックでも演奏している人です。 そんな人に破格のギャラで10数曲も演奏してもらう事になったのです。 収録はコロムビアのスタジオで2日間行なわれました。
2018-08-08 09:12:34椎名くんの曲は打ち込みで作っているので、音符の展開がとっても複雑でしかも速いので、生のバイオリンで演奏するには相当のテクニックを以っても難しく、いくつかダメ出しされて修正されたものの、高橋さんのプロとしての意地で挑戦して弾ききってしまいました。
2018-08-08 09:13:22そんな高橋さんは大のゲーム好きで、そんな所から今回の仕事もギャラ度外視で受けてくれたんです。 休憩時間に余興でスターフォースやドルアーガの曲を弾いてくれて鳥肌が立ちました。 つづく
2018-08-08 09:14:50ドリラークロニクル第52回! 今回もBGMについてのエピソードです。 pic.twitter.com/EeeEHAsTLi
2018-08-15 09:12:58椎名くんの伝手でいろいろな楽器の演奏者が集められました。 ナムコの契約書では、基本、全て買い取りの契約になっていて「著作隣接権を放棄する」という項目が含まれています。
2018-08-15 09:13:28要は収録したデータを煮るなり焼くなり、自由にできるし、それについて一切文句言わないと約束してね、という事です。 事前にこの事は伝えてあったはずでした。 ところが、収録の日、その日は休日だったので家でくつろいでいたのですが、椎名くんから電話が!
2018-08-15 09:14:03「実はバイオリン奏者の一人が著作隣接権を放棄するなんて事はできないと言ってるんですよー。それで収録が始められなくて困ってます。スタジオ借りてる時間もあるし、とりあえず収録だけしちゃっていいですか?」
2018-08-15 09:14:31いい訳ないけど、しょうがないですよね。 とりあえず収録は進める事にして、事後で契約を交わす事になりました。 これに関しては法務部も巻き込んで一人だけ別契約を作り、事なきを得ました。
2018-08-15 09:14:59後にこの曲を使う際には、この方の演奏部分を削除した楽曲を使用するようにしたので問題はないんですが、原曲はこの「ドリルランド」でしか聴けないということになります。
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