西田豊明先生による「知の鎖国、八百長問題から制度設計に至る一連の考察」
ただし,日本のような豊かな社会では「おちこぼれ」になるのは末尾??%(定量的にはわからないが,感覚的には7%前後,つまり,昔の通知簿の5段階評価の1)くらいであったから,ほどほどに頑張って「並以上(5段階評価で3以上)」なら「人並み=中流」が保障されていた.
2011-05-04 02:38:54現代社会では,プレイグラウンドの数は増えたが,そこでは「5段階評価の5では(プロと言う意味での)飯はとても食えない」といった感じではないだろうか.
2011-05-04 02:40:40もし,どこかのプレイグラウンドで(トップ1%以内?の)プロになれなければ,ヒューマニティが保障されないということであれば,現代社会は極めてストレスフルな社会だ.
2011-05-04 02:42:54しかし,少なくても現代社会では,最低生活を保証しようという福祉社会を目指しているから,これが満足されると,様相は変わる.
2011-05-04 02:44:24もはやプレイグラウンドでの戦いは命を懸けたり,家庭生活を犠牲にしたり,心身の健康を損ねるものではない.
2011-05-04 02:45:52「プレイグラウンドの戦い」は,(プレイヤーが中毒にならないように一定の注意を払いさえすれば)ヒューマニティを犠牲にしなくてもよい.
2011-05-04 02:48:59科学でも高次の賞は低次の指標では定義できない.見つけたもの,作り出したものの価値によって受賞者が決まるのであり,単純に一番乗りをしたとか,論文ポイント制で高得点を獲得した人に単純に賞が与えられるわけではない.
2011-05-04 02:55:13従って,論文数やサイテーション数の総和で評価をしようとしたり,そうしないことをもって客観的な評価尺度を書いているなどと言うことが誤り.
2011-05-04 02:57:22「研究のための研究」だけに視野を限れば,「論文数やサイテーション数は研究の質とは相関する」はそう外れていないと思うが,そもそも「研究のための研究」が役に立つことは僅少(ゼロではないだろうが,コストを差し引くと怪しい)である.
2011-05-04 03:01:21研究がイノベーティブであるゆえんは,それが他の誰もが考えないことを目指しているからであり,その成果は10年や20年ではそう簡単に表れるものではない.
2011-05-04 03:02:46ファン・ゴッホの絵で生前に売れたものはたった1枚であったという http://bit.ly/hANrmw
2011-05-04 03:10:52「科学者たるもの本当にイノベィティブになるためには世間からの評価など気にするな」と科学者が自ら誓うことはよいとしても,他者にそれを強いることはいかがなものか.
2011-05-04 03:14:23大震災は(ちょうど画家が何枚絵を描いたかというような,単純な客観指標を争うだけの)低次な競争などやめなさいというメッセージを科学者コミュニティにつきつたような気がする.
2011-05-04 03:16:45日本の(少なくとも大学)研究者は大変恵まれている.最低生活も保障されている.低次の指標を争う研究をやめて,真に価値があるものを追い求めるべきだ,という当たり前の結論ともいえるが,日頃気づかない「垢」に目を向けることは重要だと思う.
2011-05-04 03:23:06