弁護士佐藤倫子先生「5回も逮捕されたのに不起訴」について

ということでどうぞ。
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佐藤倫子 @sato__michiko

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佐藤倫子 @sato__michiko

5回も逮捕されたのに不起訴なんて司法ヒドイ、いうご意見があるのだけれど、被害者の代理人をしている立場(ただし私が被害者代理人だけするという趣旨ではない)からすると、そう言い切る気持ちになれない。

2019-01-31 12:22:16
佐藤倫子 @sato__michiko

確かに、被害者が起訴を望んでいても「被疑者が合意を誤信していた」とか「暴行脅迫が足りない」などとして起訴してもらえない(送致すらしてもらえない)ケースも経験してきた。とても悔しい。

2019-01-31 12:22:36
佐藤倫子 @sato__michiko

しかし、そうやって逮捕にも至らない件も多数ある中、本件被疑者は5回も逮捕された。本件被疑者について、捜査機関はそれなりにやる気があったはずだ。

2019-01-31 12:25:36
佐藤倫子 @sato__michiko

とはいえ、実際に起訴するかどうか決める際、被害者の意向はやはり尊重される。

2019-01-31 12:26:21
佐藤倫子 @sato__michiko

起訴前だと、被疑者の身内が、何とか不起訴を狙って相当程度まとまった金額の被害弁償金を申し出てくることがある。起訴されてしまえば実刑が予想されるような事案であれば、尚更だ。

2019-01-31 12:26:33
佐藤倫子 @sato__michiko

身内には被害弁償義務はないので、この提案は起訴前だからこそされるものだ。他方、加害者が刑務所に行ってしまえば(本人が多額の資産を持っているのでない限り)加害者本人から回収することは困難だ。また、起訴後被疑者が一部否認でもした場合には出頭のリスクもある。

2019-01-31 12:26:57
佐藤倫子 @sato__michiko

被害者が、そういったこと(回収可能性等)を考慮して、また、刑事手続を早く終わらせたいと考え、代理人と相談し、被疑者との間で示談をするということは十分にあり得る。少なくとも、一人一人の被害者がそういう判断をすることを非難できない。

2019-01-31 12:27:23
佐藤倫子 @sato__michiko

被疑者サイドが破格の被害弁償金を提示し、5件の被害者が皆同様の判断をすることは十分に考えられる。当該被害者にとっては、諸般考慮して良い結果だったかも知れない。少なくとも、本当にその件が 不起訴=泣き寝入り だったかは、当事者にしか分からない。

2019-01-31 12:30:18
佐藤倫子 @sato__michiko

被害者がそれに納得している可能性もあるなか「起訴しない司法ヒドイ」と一括りにしていいのか、代理人の立場としては疑問を抱かずにはおれない。

2019-01-31 12:31:00