エレン先生が『夏への扉』をよんでみて

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uroak_miku @Uroak_Miku

夏への扉[新訳版] amazon.co.jp/dp/4152090596「猫のためにドアを開けてやる手間に、文明の夜明け以来978人世紀ぶんの人類の労力が費やされてきた」が不可解。原文に当たるに「文明の夜明け以来、ひとは猫のためにドアを開けてきた。そのために費やされた手間を合計するとほぼ10万年ぶんになる」でした

2019-02-10 00:03:01
uroak_miku @Uroak_Miku

そして「実際に計算してみたのだから本当だ、信じてほしい」と続けるとグー。実は原文では「I had once calculated that ~. I could show you figures.」で、「~」の部分に「文明の夜明け~」が挟まれるのですが、私ならここまでアレンジしますね。読む側に「んなわけないだろ」とツッコミさせる技。

2019-02-10 00:13:13
uroak_miku @Uroak_Miku

こういう訳出法はいわゆる構文主義では発想しがたいと思う。しかしこの小説は主人公がそのまま語り手で、物語と同時進行で事態を把握していく(&振り回されていく)わけだから、ノリノリのビート感を日本語訳でも維持すべきだと思う。そしてノリの良さとはすなわち無駄のなさでもあります。

2019-02-10 00:17:32
uroak_miku @Uroak_Miku

英語では時制の違いをぱっとわからせられる。「I had once calculated that ~.」なら過去完了で、「~」部分は過去時制だとすぐわかる。しかし日本語は時制の概念がそもそもないので「前に一度計算したことがあるのだけど、~」と訳出するとちょっとノリが悪くなる。それで「I had ~」和訳部分は後置。

2019-02-10 00:48:48