ギガベース日誌 ACT07「CREATED VICTIMS」05

再す誕ふ者ん🍜🍬 @hfsm_ABIDING

吐き捨てられた言葉に乗った重い怨嗟と後悔の念が、その通信を聞いていた全ての者を委縮させた。 「……さて、最後にもう一つ。現時点より、アスピナ機関はアームズフォート『ダーインスレイヴ』及び全防衛部隊の指揮権及び所有権を破棄。これを全て“ORCA旅団”へと譲渡する」　#ギガベース日誌

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「引き渡し作業は間も無く開始される。引き続き、任務を全うしてくれ給え。何、心配する事は無い」 あまりにも冷淡に。 あまりにも無感情に。 その声は諦観を叩き付ける。　#ギガベース日誌

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「君達は、元より犠牲になる為に創られたのだから」　#ギガベース日誌

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ギガベース、艦橋。 「なんだ？敵艦達の攻撃が鈍くなったぞ」 「アームズフォートからの攻撃が停止……何だ？何が起き」 けたたましい警告音が、一瞬の静寂を蹂躙した。 「対空レーダーに反応……なんじゃこりゃあ！所属不明の超巨大飛行物体が後方より接近！上空を通過します！！」　#ギガベース日誌

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その瞬間、戦場に存在する全ての視線が、空の1点へと集中した。 今まさに殺し合っていた艦娘同士、空挺部隊のパイロット、そしてDfJまでもが、それを見つめ、精神を奪われた。 いつの間にか空を覆っていた鉛色の雲を裂いて現れたそれが、戦場に巨大な影を落とす。　#ギガベース日誌

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その飛行体の様相は、多くの記憶に絶望と共に焼き付いている。 かつて何十億人もの人間を抱え、その半数が大地へと叩き付けられた、自らの行いから逃げ続けようとした者達のゆりかご。 高空プラットフォーム、クレイドル。　#ギガベース日誌

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クレイドルから、無数の黒い粒が零れ落ちる。 それの正体が深海棲艦である事に艦娘達が気付いた時には、既に本社海域のあらゆる場所に降り注いでいた。 続けて降下する、無数の特殊兵器、ビルに匹敵するサイズのカプセル状の物体、純白に染め上げられた第2世代ノーマル。　#ギガベース日誌

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その最後に、クレイドルの下部から切り離された大型艦艇のような物体が、浮遊するダーインスレイヴの中枢部へと突き刺さった。 反撃は無い。魔剣はそれを抱擁するかのごとく受け容れた。 「パルヴァライズ、開始」 洪水の如き黒を流し込まれ、中枢部から構造変化を起こす。　#ギガベース日誌

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浮力を失い落下していくダーインスレイヴの各砲台が深海棲艦の艤装に酷似した形状に変化する。 その頂点、玉座のように変形した半重力ドライブの上に、1隻の深海棲艦が鎮座した。 「旗艦クイーンズランスより、全部隊に告ぐ」　#ギガベース日誌

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「これより、アスピナ及びギガベース所属艦娘の救済を開始する」　#ギガベース日誌