たらればさんFGO攻略感想記「1部1章から6章まで」の軌跡 #FGO

(2019/03/31) バビロニア攻略記を追記 (2019/03/24更新) キャメロット攻略記を追加 (2019/03/19更新) 続きを読む
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たられば @tarareba722

時折タイムラインの彼方から届く予言めいた助言、5章→6章の時は「エウリュアレを育てるのです…」と、箴言とか警句っぽかったけど、6章→7章の場合は「あなたもウルクの民となるでしょう」とか「ともにギルガメッシュ王に仕えましょう」とかで、完全に予言みたくなっているの、ますます面白い。

2019-03-24 15:24:19

そして7章バビロニア攻略へ

たられば @tarareba722

メモ引用。 「長い間読み継がれた文学といえば、我が国ではまず『源氏物語』があげられる。千年もの長きにわたって読み継がれ、近くは外国語に翻訳されて世界中で読まれるようになった。どうして平安時代の一貴族の恋愛遍歴が二十一世紀になっても人々を引きつけるのだろうか。」→

2019-03-24 15:27:03
たられば @tarareba722

→「その理由のひとつは時代、地域を超えて共感できる、人生の奥深さを思い知らされるような「普遍性」が含まれているからで、長い寿命をもつ文学作品に共通した特徴である。世界には『源氏物語』よりもずっと長い寿命をもっている作品がいくつかあり、その筆頭が『ギルガメシュ叙事詩』である。」→

2019-03-24 15:29:11
たられば @tarareba722

→「『ギルガメシュ叙事詩』は単なる英雄の武勇譚ではない。「死すべきもの」としての、人間の存在への根本的な問いかけを含んだ作品であることが、古代オリエント世界のみならず、四千年もの後の人間にも読まれている理由のひとつであろう」『シュメル神話の世界』岡田明子・小林登志子著、中公新書刊

2019-03-24 15:31:28
たられば @tarareba722

FGO第1部 第7章4節修復中。 現在ウルクで王に謁見しております。ゲーム内でバビロニアの世界観の解説があり、並行して『ギルガメシュ叙事詩』(矢島文夫著・岩波文庫刊)を読んでいることもあって、FGO本編の感想とは少し離れますが、現時点でギルガメシュ叙事詩について思うことを少し呟いてみます。

2019-03-30 23:26:47
たられば @tarareba722

ご承知のとおり、『ギルガメシュ叙事詩』は人類最古の文学作品のひとつであり、(古代の作品にしては珍しく)政治性や宗教性が薄いことや普遍的な「生と死」をテーマとして扱っていること、もちろん物語としての面白さもあって、予想よりかなり楽しく読めています。特に解説が勉強になってすばらしい。

2019-03-30 23:27:37
たられば @tarareba722

この叙事詩がいまだ全体の半分しか解読されてないことや(未発見だったり粘土板が欠損していて解読できなかったり)、それでもこの最古の物語を読めるのは偉大な先人たちの天才的なひらめきとひたすら地道な努力の積み重ねであることがよくわかって、岩波文庫版『ギルガメシュ叙事詩』、お薦めです。

2019-03-30 23:28:53
たられば @tarareba722

なによりギルガメシュ王が女神イシュタルに言い寄られてすっぱり断るの、元ネタどおりなのか…などがわかるし。あと「カルデア」という言葉がばんばん出てきてちょっとドキドキします。カルデアって、メソポタミア南東部の地域名でありかつ新バビロニア王国を建国した人々の名称だったのですね。

2019-03-30 23:29:34
たられば @tarareba722

さておき、このギルガメシュ叙事詩を読んでいてふと、これ『源氏物語』と共通点がふたつあるなあ…などと気づきました。 ひとつめは「友人の死」。もうひとつは「結末」。以下、説明します。 ご承知のように、ギルガメシュ叙事詩において、ギルガメシュ王は唯一の友であるエレキドゥを亡くします。

2019-03-30 23:31:07
たられば @tarareba722

そのことがギルガメシュの死生観に強い影響を与え、物語を進める鍵になっている。 いっぽう『源氏物語』の作者・紫式部も、親しい友人を亡くしています。小倉百人一首にもとられた「めぐり逢ひて 見しやそれともわかぬ間に 雲がくれにし夜半の月かな」は、その亡くす友人を最後に見かけた際の歌です。

2019-03-30 23:31:44
たられば @tarareba722

その友人の存在は『源氏物語』に繰り返し描かれる「身代わり」というテーマのモチーフのひとつになっていて(紫式部は母と姉を亡くしており、その友人が母代わり、姉代わりだったと言われている)、光源氏や薫中将の人生観や死生観、親しい人に対する考え方に影響を及ぼしているといえるでしょう。

2019-03-30 23:32:54
たられば @tarareba722

上述の「めぐり逢ひて」という紫式部の和歌は、「せっかく久しぶりに逢えたというのに、まるで雲間にちらりと見えてすぐ隠れてしまった月のように、あなたはすぐ行って(見えなくなって)しまいましたね…」という内容です。友との久々の邂逅とも、また人生における人と人との出会いとも読みとれます。

2019-03-30 23:33:33
たられば @tarareba722

最後は必ず別れることになるのに、人はなぜ出会いを喜び、心待ちにするのでしょうか。最初から出会わなかったほうがよかったのではないか。出会う必要はないのではないか。 その葛藤は、人の、人と人との出会いの運命といえるでしょう。 そういう示唆が、この「別れの歌」にはあります。

2019-03-30 23:36:20
たられば @tarareba722

もうひとつ、「結末」について。 現時点で発見されているギルガメシュ叙事詩は、やや唐突な終わり方をしています。不死を求めたギルガメシュは冒険の果てに「若返りの草」を手に入れますが、水浴びをしている間にその草を蛇に盗まれます。ギルガメシュは泣きはらし、ウルクに帰って物語は終わります。

2019-03-30 23:37:03
たられば @tarareba722

前述のようにギルガメシュ叙事詩は全体で約3600行あると推察される中で、約半分しか解読されてませんから、この先「ギルガメシュが人の生と死について、どういう結論を出したか」が描かれた粘土板が見つかるかもしれません。しかし重要なのは、この唐突な結末のまま長く伝えられているということです。

2019-03-30 23:37:45
たられば @tarareba722

いっぽう『源氏物語』の結末も、非常に唐突な終わり方をしています。全54帖、約100万字、作中では70年にわたるこの物語は、死んだと思っていたかつての恋人・浮舟が生きていると知った薫が「会いたい」と手紙を出し、その文に「会えない」と浮舟が答えたところでふっつりと終わっています。

2019-03-30 23:38:19
たられば @tarareba722

むろん『源氏物語』も「続きがあるのでは」という研究もあり、もしかするとこの先どこかの宝物庫で紫式部が書いた「五十五帖」が発見される可能性もありえます。しかし先ほどのギルガメシュ叙事詩と同じく、『源氏物語』もこの「終わっていないような終わり方」で、長く長く伝え続けられているのです。

2019-03-30 23:38:56
たられば @tarareba722

この「終わっていないような終わり方」は、物語にある種の効果を与えることがあります。それは「続き」や「結論」を読者にゆだねられること。もっと言えば、こうした結末の演出は、「ここからはあなたが考えるあなたの物語です」と、その空白の終焉から語りかけられるような印象を与えられるのですね。

2019-03-30 23:39:32
たられば @tarareba722

これはあくまでわたしの印象論ですが、こうしたギルガメシュ叙事詩と源氏物語の共通点、「(自らの一部ともいえるような)友人の死」と「(結末を読み手にゆだねる)結末」は、作品に普遍性を持たせるのかなぁと、ぼんやり考えています。 いやーいろいろ深く広く連想させてくれる作品ですね、FGO。(了

2019-03-30 23:40:36
たられば @tarareba722

大変失礼しました。『ギルガメシュ叙事詩』矢島文夫著は「筑摩書房刊」でした(「ちくま学芸文庫」刊)。謹んで訂正いたします。この間違いは申し訳ない。すみませんでした。

2019-03-31 00:30:40
たられば @tarareba722

【補足資料】なおこれが、楔形文字で記された『ギルガメシュ叙事詩』の冒頭。ここからよくあの物語を解読したなぁ…。。と、考古学者たちの偉大な研究の積み重ねに感謝が湧き起こります。 (上述の『ギルガメシュ叙事詩』矢島文夫著、ちくま学芸文庫刊 amazon.co.jp/dp/B07F11K4LB より) pic.twitter.com/BKpxZ3XQ4z

2019-03-31 00:34:27
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