尾上先生の勉強風景 (18) ボイヤー『神はなぜいるのか』

尾上先生がダーウィンのフォース(略)
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尾上正人 @9w9w9w92

「人間の間の文化的伝達を子細に見ると、同一のミームの複製とはまったく違うように見える…むしろ逆に、伝達のプロセスによって、驚くほどたくさんの装飾が施されるように見える。これこそ、[ミーム論のような]遺伝子のアナロジーが助けになるよりも障害になるという理由である」51頁

2019-03-05 15:36:03
尾上正人 @9w9w9w92

「心はつねに、いまある情報に多くのことをする。伝達が正確な場合は、とくにそうだ。…人間のコミュニケーションでは、適切な伝達は加工や歪曲を必要とする。…『複製』という考えは、誤解のもとである。…考えが時にはお互いに似通ったものになるのは…似たやり方で再構築されるからなのだ」54頁

2019-03-05 15:44:14
尾上正人 @9w9w9w92

「概念の数よりもテンプレートの数のほうが少ない…概念は人の経験や環境に左右されるが、テンプレートは左右されず、比較的安定している…文化や職業が違っても、大きく違うことはない。…推論が容易なのは…概念のためのテンプレートを心のなかにすでにもっているからである」58-60頁

2019-03-06 04:32:14
尾上正人 @9w9w9w92

「すべての心的表象が複雑な推論の産物だ(したがって、そこにはたえざる変化と無数の変更がある)ということだけでなく、いくつかの変化や推論は、どこから始めようと、特定の方向に向かう傾向がある…心のなかの推論は、多くの場合、人々のもつ表象を予測不可能な形で相違させる、いわば遠心力」61頁

2019-03-06 04:36:16
尾上正人 @9w9w9w92

(承前)「いくつかの領域では、推論はこれとは逆のことをする。…求心力としてはたらき、入力がまったく異なったとしても、ほぼ似たような概念に行き着く。これこそ、なぜ概念の類似性が集団内に見られる…だけでなく、異なる集団間にも見られる…のかという理由である」61-2頁

2019-03-06 04:40:22
尾上正人 @9w9w9w92

「ダン・スペルベルら…伝染病モデル…心的表象は、ほとんどがほかの人々とのコミュニケーションという、外的な媒介者のもたらす結果である。そして、交わされるメッセージの構造自体は、心がそのメッセージにどのように反応するかについてはなにも教えてくれない…人間の心理について…知る必要」62頁

2019-03-06 04:44:31
尾上正人 @9w9w9w92

「宗教を説明するということは、人々が(多様な情報から)似たような形の宗教的概念や規範を発達させる特定の種類の心的伝染を説明することである…宗教的概念にも、テンプレートがある…宗教的概念は、そのもととなる特定の情報がそれぞれの人間の間で違っていても、(ほぼ似たものとして)まとまる63

2019-03-06 04:53:08
尾上正人 @9w9w9w92

「人類学者から見ると、なにかがそれほど多様ではない理由は、まさに、それが文化的だからである。すべてのことは等しく伝達されるわけではない。なぜなら、心のなかのテンプレートは、ほかの人々からの情報を取捨選択し、そうした情報から予測可能な構造を作り上げるからである」64頁

2019-03-06 04:56:24
尾上正人 @9w9w9w92

「私たち[人類学]に欠けていたのは、人々がある種の考えや信念をとり、ほかの考えをとらないように仕向ける人間本性の側面の適切な記述であった」64頁

2019-03-06 04:59:27
尾上正人 @9w9w9w92

「宗教的観念には必ず、創造された存在や行為者がもつ不思議な性質が含まれている」75頁 前著 The Naturalness…で「直観に反する」と言ってたやつね

2019-03-06 10:00:47
尾上正人 @9w9w9w92

「人間が想像するものはふつうは、制約からの解放——心が概念の束縛から自由になったがために、どんな概念の組み合わせも等しく可能で、等しくよいといった知的な自由競争状態——なのではない。想像されるものは、実際のところ、動物や道具のテンプレートのような心的構造のつよい制約を受ける」83頁

2019-03-06 10:16:28
尾上正人 @9w9w9w92

「宗教的表象は、2つの条件を満たす心的表象の組み合わせである。宗教的概念は、第1に、存在カテゴリーからの特定の期待に違反したまま、第2に、ほかの期待は維持する」83-4頁

2019-03-06 10:21:37
尾上正人 @9w9w9w92

「宗教的概念は、ある新しい対象を、⒜その存在カテゴリーをまず示し、⒝それが、同じ存在カテゴリーに属すほかのものとは違う特殊な特徴をもっていることを示すことによって、(ある程度明確に)記述する」84頁

2019-03-06 10:23:25
尾上正人 @9w9w9w92

「宗教的概念はつねに、活性化されたカテゴリーに関して反直観的情報を含んでいる。…[信ずる者にとっては]自然なこと…しかし、これらの概念は、『存在カテゴリーによって与えられる情報に矛盾する情報を含んでいる』という意味では、依然として直観に反している」87頁

2019-03-06 10:50:48
尾上正人 @9w9w9w92

「人々が実際にもっている宗教的概念…それは、ひとつの文化において持続性があり、わずかに変化した形で、多くの異なる文化にも見られるような概念である。それらの概念が成功し、広まっているのは、特別な性質をもった概念だからと説明される」95頁

2019-03-06 11:39:36
尾上正人 @9w9w9w92

「宗教的概念は、⒜存在カテゴリーと⒝特定のタグをもっている。…『よい』例ではみな、タグは、存在カテゴリーによって与えられる情報のいくつかと矛盾していた。私が、情報のすべてではなく、いくつかと言ったことに注意してほしい」97頁

2019-03-06 11:45:44
尾上正人 @9w9w9w92

「宗教的概念では、該当するデフォルトの推論すべて(反直観的要素によって自ずと排除される推論以外のすべて)が維持されるのだ」98頁

2019-03-06 11:50:53
尾上正人 @9w9w9w92

「⑴限られた違反と、⑵ある概念から維持された推論を組み合わせるという一般的なプロセス——すなわち、『デフォルトの』推論——は、人間の思考によく見られる現象である」99頁

2019-03-06 11:54:23
尾上正人 @9w9w9w92

「人間は自然に、これらの[変則的な]例を、⑴通常の概念の例と、⑵それに加えられた小さな変化(その概念の特性に少ししか影響を与えない)との組み合わせとして考える。これはまた、存在カテゴリーからのデフォルトの期待を用いることによって、超自然的概念を作るやり方でもある」100頁

2019-03-06 11:57:49
尾上正人 @9w9w9w92

「文化的伝達の不思議な側面…つまり、超自然的概念について、人々は多くを言われなくても、詳細な表象をもつという側面を説明する。…それは、心がたくさんの情報を与えて、ほかの人の与える断片的情報を補完するからである」100-1頁

2019-03-06 12:01:24
尾上正人 @9w9w9w92

「さまざまな人々が似たような表象をもっているというのは…どの人の心のなかの…テンプレートもよく似ているからである。文化的伝達は安上がりだ。私たちの心のなかのテンプレートはただで注文に応じ、コミュニケーションの労力を軽減してくれる」101頁

2019-03-06 12:05:35
尾上正人 @9w9w9w92

「超自然的概念どうしがよく似ていることは、存在論的違反と維持される推論の組み合わせの点から説明される。共通の特徴は、概念自体にあるのではなく、それらを生み出すテンプレート——存在カテゴリー、違反タグ、そして違反の影響を受けないすべての推論の使用を指示するレシピ——にある」104-5頁

2019-03-06 12:14:24
尾上正人 @9w9w9w92

「かなり短めの超自然的テンプレートのカタログだけで、文化的にうまくゆく概念の範囲をほぼ網羅できる」105頁

2019-03-06 12:18:32
尾上正人 @9w9w9w92

「文化的概念は、淘汰された概念である。これらは、獲得と伝達のサイクルを通して、ほぼ同じような形で生き残ってきた」106頁

2019-03-06 12:23:18
尾上正人 @9w9w9w92

「[著者らの実験から]人々は、直観的期待に違反している人工物や人や動物についての叙述のほうを、違反を含んでいない叙述よりも、はるかによく思い出せる。違反は確かに目立つ。…(超自然的テンプレートに見られる)存在論的期待への違反が『単なる変則』よりもよく思い出せる」107-8頁

2019-03-06 12:28:36
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