尾上先生の勉強風景 (18) ボイヤー『神はなぜいるのか』

尾上先生がダーウィンのフォース(略)
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尾上正人 @9w9w9w92

「私たちの推論システムは、関連性によって——すなわち特定の前提から導かれる推論の豊かさによって——駆動される直観を生み出す。しかし多くの場合、これらの前提は推測にすぎない」409頁

2019-03-07 16:56:17
尾上正人 @9w9w9w92

「推論を生み出すために同じような前提(たとえば、先祖がまわりにいる、神が見ている)が異なるシステムによって用いられるという事実は、それぞれのシステムにおいてそれらの前提の重要性を強めるようにはたらく」410頁

2019-03-07 17:01:51
尾上正人 @9w9w9w92

「宗教的概念はつねに、すでにある心的システムを動員する。これが、宗教がありうる理由である。すなわち、進化の過程で私たちの心が得た性質——集団生活の営み方、他者とのコミュニケーションのしかた、推論の生み出し方——のゆえに、どんな人間集団にも…宗教的表象が見られるのだ」417頁

2019-03-07 17:10:23
尾上正人 @9w9w9w92

「哲学者のロバート・マコーリーは…[本書と]同じような論拠に立って、人間の心にとって宗教が『自然』であるのに対し、科学はまったく『不自然』だ、と結論している」418頁

2019-03-07 17:12:59
尾上正人 @9w9w9w92

「人間の心は、どんなおかしな超自然的信念も受け入れるようになったわけではない。逆に、洗練された多くの推論システムをもったことによって、ごく限られた種類の超自然的概念…だけを受け入れるようになった。…世界のどこでも宗教が共通の特徴をもっているのは、そのためである」421-2頁

2019-03-07 17:26:10
尾上正人 @9w9w9w92

「奇跡は人間の心にとって完璧な[宗教的]概念を生み出すように見えるが、それは、繰り返された淘汰の出来事の結果にすぎない。…推論生成の領域では、『招かれし者は多いが、選ばれし者は少ない』のだ」426-7頁

2019-03-07 17:34:03
尾上正人 @9w9w9w92

「宗教の本能といったものはないし、心にそういった特殊な傾向もないし、宗教的概念のための特別な性質もない。脳のなかに宗教の中枢があるわけでもない。…宗教的な心の代わりに、私たちが見出したのは、いくつもの見えざる手という物足りなさの残るものだった」[苦笑]427頁

2019-03-07 17:37:06
尾上正人 @9w9w9w92

(承前)「文化淘汰の見えざる手は、人々が獲得し伝達する宗教的概念を、その環境のなかで、もっとも説得力をもつように見えるようにするのだ。これが物足りないことだというのは、宗教が私たちの脳の単なる結果や副産物として描かれていて、これはとりたてて劇的なものではないからである」427頁

2019-03-07 17:41:17
尾上正人 @9w9w9w92

「宗教に憤慨し宗教を拒絶する人々も、彼らには大いなる誤りに見えるものの唯一の原因…人間の心が道を誤る、いわば分岐点——を見つけようとする。しかし、実際には、そういった単一の地点などない。なぜなら、宗教的概念に説得力をもたせているのは、さまざまな認知プロセスの共謀だからである」427-8

2019-03-07 17:45:51
尾上正人 @9w9w9w92

読了…わかりやすかった。前著↓で思弁全開だった部分が認知心理学(特に共同研究者ジャスティン・バレットの実験成果)に置き換わり、その分、意地悪に見れば著者のオリジナリティは減退した印象。文化人類学へのdisが消えたのは、進化学という安住の地を見つけたためかな? twitter.com/9w9w9w92/statu…

2019-03-07 19:02:04
尾上正人 @9w9w9w92

Boyer, Pascal. (1994) The Naturalness of Religious Ideas: A Cognitive Theory of Religion, University of California Press. 宗教の進化的研究で割と引用される本。私の世代だと、Boyer(仏音ボワイエ)と言えば「レギュラシオン理論」(ナツい)…この人も名前がパスカルだしフランス系かの?

2019-02-24 14:30:20
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