ゲームクリエイター育成会議 オフラインミーティングに向けて

3月26日に開催予定のイベントに向けて、自分なりの問題意識をまとめました
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小野憲史 @kono3478

インターン中に能力が示せれば本採用になりますし、駄目なら終了後に別のインターンに行ったり、インターンで学んだスキルを生かしてポートフォリオを作成し、別の企業に応募します。こんな風にアメリカでは最初の職業を得るまでが大変です・・・と理解しています。#ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:33:41
小野憲史 @kono3478

そのため書類選考も日本のように「企画書2点」といった漠然としたものではなく、会社の業務内容に即した、具体的なものになります。GDC2018でも関連講演がありました。cgworld.jp/feature/201804… #ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:33:55
小野憲史 @kono3478

また、大手では書類選考に通った後、何回も面接(スカイプなども活用)が行われるのが一般的です。これは欧州でも同じで、解雇規制がアメリカより厳しいぶんだけ、最初の職を得るのが、より大変です。だから若年層ほど失業率が高くなり、社会問題化します。#ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:34:00
小野憲史 @kono3478

一方で教える側からするとツールの使い方を教えて、後はインターンでも独学でも良いから、自分で学べと言いやすい面があります。レベルはピンキリですが、書籍や動画教材も英語圏では潤沢です。これらを通して学生はゲームデザインを帰納的に学ぶのです。#ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:34:05
小野憲史 @kono3478

余談ですがアメリカでは良くも悪くも社会流動性が高いので、大手でも簡単にリストラされます。では彼らはどうするか。多くは就職活動をしますが、中にはインディになる者もいます。それで駄目でも、そこで学んだスキルをもとに、別の会社に就職したりするわけです。#ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:34:13
小野憲史 @kono3478

逆に自分のゲームを作るため、大手から独立してインディになる例もありますし、アメリカ以外の国に移住する例もあります。大手とインディでキャリアチェンジが頻繁なので、そこで経験を積みながらゲームデザインに関するメンタルモデルの幹を太くしていくわけです。#ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:34:20
小野憲史 @kono3478

ただ、雇用制度は国の文化と関係するので、欧米スタイルが良いとも思いません。新卒一括採用は学生に優しい制度です。可能性重視で採用し、社内で人材教育をして、エース級の人材に長く活躍してもらうのは、それなりの合理性もあると思います。#ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:34:28
小野憲史 @kono3478

もっとも、最近ではこのやり方がどんどん厳しくなっています。人材教育のコストが高くなる一方、企業間の競争が厳しくなっているので、企業で人を育てる余裕がなくなっているのです。特にゲームは業界の変化が非常に早いので、そのように感じます。#ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:34:34
小野憲史 @kono3478

その中でもプログラムやアートは過去からの積み上げがありますが、ゲームデザインには不足しています。そのため企業は学校に人材教育の基礎部分を肩替わりして欲しいが、学校側にはそのノウハウが乏しい。一方で新卒に求められるクオリティは高くなっています。#ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:34:59
小野憲史 @kono3478

もっとも最近では先人の知恵や研鑽から、おもしろさを生み出す普遍的な仕組みや、ゲームデザイン教育のメソッドが徐々に可視化されつつあります。専門学校だけでなく、大学で独自の研究のもとに、より普遍的なゲームデザイン教育を行おうとする例もみられます。#ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:35:08
小野憲史 @kono3478

ゲームジャムや、ゲームエンジン&ゲームデザイン関連書籍の出版点数増加、SNSでのサポートコミュニティなども増えてきました。ユニティの「あそびのデザイン講座」のように無償で配布されている例もあります。学生向けのコンテストも増えています。#ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:35:13
小野憲史 @kono3478

その上で求められるのが、学校教育と企業内教育の連結です。人材教育は一生をかけて続くものだからです。そのための環境も日本では不足しています。これは2015年にシンポジウムで感じたことです。mediag.bunka.go.jp/article/game-2… #ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:35:19
小野憲史 @kono3478

というわけで、まとめると「おもしろさの客観的指標はない」「おもしろさの度合いは人によって異なる」ことを前提に、「体験を通しておもしろさを感じさせるためのメンタルモデルを学生が主体的に作り出し、アップデートしていく姿勢について教える」うえで #ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:35:24
小野憲史 @kono3478

「学生に目標を設定し、励まし、対外的にアピールさせる」行為について、どのように教授すれば良いか、ということになります。その上で「人材教育について、学校と企業でどのように連携を取るか」という問題が加わるでしょう。#ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:35:31
小野憲史 @kono3478

ちなみに大学では卒業研究を通して、このことを学びます。学生が教員の指導のもと、主体的に研究テーマを設定し、仮説を立て、実験を繰り返し、そこから結論を導き出し、文章にまとめる行為は、分野の如何を問わず、幅広く応用可能です。#ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:35:39
小野憲史 @kono3478

美大などの一部大学や専門学校では、これが卒業制作に相当します。しかし、そこで大切なのは「何でも良いから作る」のではなく、「制作を通してメンタルモデルの幹を太くさせる」ことでしょう。そのためのノウハウやメソッドはまだまだ成熟過程ではないでしょうか。#ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:35:44
小野憲史 @kono3478

というわけで、書き出すだけで気が重くなりますが、これが日本のゲーム教育における現状ではないでしょうか? そのためには学校の教員の方だけでなく、企業の人事担当や、実際に現場で働いているゲームデザイナーまで、幅広い知見が必要になります。#ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:35:52
小野憲史 @kono3478

3月26日のイベントは、そのための第一歩であり、参加者間で問題意識を共有するための場にできればと思っています。本テーマに関心のある方なら、どなたでも歓迎ですので(当然、学生も!)、ぜひお越しいただければ幸いです。peatix.com/event/602873 #ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:35:57
小野憲史 @kono3478

余談:ちなみに学校ではライティングに関する、より直接的な授業もやっていますが、こちらは輪をかけて大変なように感じています。自分のナレッジは自分の経験に紐付いているため、何をどうしても生存者バイアスです。一般化して学生に伝えるのが難しいのです。#ゲームクリエイター育成会議

2019-03-13 11:40:00