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日向倶楽部世界旅行編第77話「オーラの衝撃、波紋の一撃」

準決勝第二試合、なかよし伊勢型と横須賀利根姉妹の試合が始まる。策を巡らせ勝とうとする日向、姉妹の力で勝とうとする利根姉妹、そして独自の思惑を秘めた伊勢、戦いの行方は…。
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三隈グループ @Mikuma_company

「筑摩、無茶をするでない!」 一方の利根は、日向との一対一を始めんとする筑摩を気にかけて叫ぶ。しかし、それを妨げるのが伊勢であった。 「にひひ…貴女の相手はこっち!」 「クッ…邪魔をするか!」 砲撃と共に向かって来る伊勢を前に、利根は回避と共に身構える。

2019-03-12 21:32:22
三隈グループ @Mikuma_company

試合が動き出した、両チーム共に分断され、一対一での戦いが始まる。 「押しつ押されつの戦いは、ここに来てまた五分に戻ります!どちらが制するのか!」 伊勢と利根、日向と筑摩、戦いは二箇所で同時に進む。

2019-03-12 21:33:32
三隈グループ @Mikuma_company

(横須賀のモルモットちゃん…その身体にある研究成果、じっくり教えてもらうよッ!) この状況を唯一喜んでいる伊勢は、二本の刀を構えて利根へ向かう。距離が離れていれば筑摩との合流を許してしまう、接近して引き付けるのだ。 伊勢は極めて近いレンジに突っ込み、砲撃をぶちかます。

2019-03-12 21:34:48
三隈グループ @Mikuma_company

「そんな攻撃など、当たりはせん!」 利根はそれを素早く避け、伊勢へと向かう。彼女は一刻も早く筑摩の救援に向かいたかったが、伊勢の的確な射撃と位置取りは背中を見せる事を許さない。 艦載機同士の戦いも膠着しているこの状況、利根は伊勢に向かわざるを得ないのだ。

2019-03-12 21:35:51
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砲撃を掻い潜り、利根は拳を構える。しかし伊勢はそれを知っていた、彼女は刀を構える、接近戦だ! 「刀のリーチを抜けられるかな?」 「自分の手を切らぬよう気を付ける事じゃな!」 二人は互いを挑発し合うと、それぞれの得物を弾き合う剣戟戦を行う!

2019-03-12 21:37:01
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利根の得物は、両手に備わる甲板型の小手。晴嵐の波紋を帯びたそれは、弾丸すらも弾いて砕く! 伊勢の得物は、独特の動きを見せる二刀。淡く青い光を帯びたそれは、弾丸すらも弾いて砕く! 両者違いはあれど、互いを弾き合う力を持つ!金属音を響かせながら、打ち込み、防ぎ、また打ち込む!

2019-03-12 21:38:11
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そしてその拮抗状態で先に仕掛けたのは、利根!より強い一撃での正面突破を試みる! 「滾る血潮が我が身を揺らす、唸る波紋が汝を揺さ振る!晴嵐、波紋掌底ッ!」 姿勢を低くし、利根は拳を引いて叫んだ!赤く淡い光が彼女の拳にまとわりつく、エネルギーが渦巻く!

2019-03-12 21:39:10
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利根は拳を開き、掌底打ちをぶちかます! (来るみたいだね…これは防いでみないと…!) 伊勢は素早く甲板を持ち直し、盾としてこれを防ぐ!その直後、大きな衝撃が走った!掌底打ちを防いだ伊勢は僅かに押し返され、その威力を実感する! 「結構やるねぇ…!」

2019-03-12 21:40:15
三隈グループ @Mikuma_company

伊勢は牽制射撃を行いながら態勢を立て直し、また二刀を構えて利根を迎え撃つ、利根の畳み掛けを防ぐ的確な状況判断であった。 大きな一撃があったものの、戦いは振り出しに戻る。お互い試合録画で互いの手の内はある程度知っている、戦況に大きな影響はない。

2019-03-12 21:41:29
三隈グループ @Mikuma_company

(ここまでは"知ってる"んだ…もう見たって奴だね…。もっと引き出させないと…) 伊勢は刀を振るい、再度利根へと接近する。それに対し利根は、両手を叩いて腰を落とした! 叩かれた両手からは、赤く淡い光が漏れ出す。そして彼女の両手の間に、その光が集まる!

2019-03-12 21:42:39
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その光は! 「集えよ蛍火、我が敵を討て!晴嵐、波紋弾ッ!」 赤い光弾となり、伊勢へと放たれた!光弾は真っ直ぐな軌道を描き、迫る伊勢へと直進する! 「…ッ!避けられる!」 伊勢は素早く身を翻し、この光弾を避ける。しかし利根の攻勢は、それだけでは終わらない!

2019-03-12 21:44:06
三隈グループ @Mikuma_company

「回避後というのは、隙が大きくなるのうッ!」 軌道を予測していた利根が、最短ルートで肉薄!伊勢の側面から襲い掛かる! 利根は再度波紋掌底を狙い、拳を引く。防ぎ切る事は不可能な一撃が放たれる! その瞬間だった! 「…ッ!?これは!」 「フフッ…」 伊勢の身体が、青い閃光を放った!

2019-03-12 21:45:26
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大きな衝撃が走り、水飛沫が高く上がる。その凄まじき衝撃波によって、利根は大きく吹っ飛ばされた。 「グッ…今のは…。いや、焦ったか…!」 彼女は唇から噴き出た血を拭う。伊勢の放った衝撃により、利根の制服は激しく破れ、彼女の身体も大きなダメージを受けていた。

2019-03-12 21:46:49
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そこへ、伊勢の声が響く。 「肉を切らせて骨を断つって言葉、あるでしょ?」 飛沫が消え、小さな虹のかかる水面に伊勢は立っていた。 「アレってバカだよねー…痛いし。切られる前にさっさと相手を黙らせれば良いのに。」 彼女はそう言うと、利根の一撃で破損した主砲を一基、投棄する。

2019-03-12 21:48:12
三隈グループ @Mikuma_company

「…最も、そうはいかないからストレスが溜まるんだよね…。…さて」 残る主砲は一基のみ。伊勢は二刀を構え、また加速する! 「まだ奥の手が残ってるんじゃないの?私に見せてみなよッ!」 一基の主砲をぶちかましつつ、彼女は前進!手負いの利根へと迫る!

2019-03-12 21:50:18
三隈グループ @Mikuma_company

「クッ…舐めるでない…!」 迫る伊勢を前に、利根は両腕を交差させて力を込める。その間無防備であったが、彼女は小さな動きで伊勢の砲撃を回避する! そして彼女が、両腕を解くと! 「…よし、問題はない。」 利根が負っていた身体の傷が、あっという間に塞がり、治癒した!

2019-03-12 21:51:26
三隈グループ @Mikuma_company

その姿を見て、伊勢の表情が一段と明るくなる! 「…再生した!確かに傷が、塞がっている!再生の光、良いものを見つけたじゃないのッ!アハッ!」 彼女はそう叫ぶと、二刀を交差させた!淡く青い光が刀に浮かぶ! (手がかりは少なかったけど、私の見立ては間違ってなかった!)

2019-03-12 21:52:44
三隈グループ @Mikuma_company

そして交差した刀が、青い閃光を放った、瞬間! 「もう少し見せてもらうよ、オーラ・シュートッ!」 青いサッカーボール大の光弾が、利根めがけて放たれた! 「波紋を放てるか、奴も!」 誰もが驚く攻撃だが、利根は動じずに避ける。その避けた先には、伊勢の砲撃が放たれている!

2019-03-12 21:54:14
三隈グループ @Mikuma_company

「こんなものッ!」 これも利根は鮮やかに避ける!不意打ちでない正面からの攻撃など、そう当たりはしない! 避けた利根は速度を維持したまま、両手をパァンと打ち鳴らす!赤く淡い光が漏れ出した! 「もう一撃じゃ!集えよ蛍火、波紋弾ッ!」 反撃の赤い光弾が伊勢へと放たれる!

2019-03-12 21:55:45
三隈グループ @Mikuma_company

しかし伊勢とて強き艦娘、同じ手はそう通用しない。だから利根は、まだ放つ! 「そらそらそらァッ!」 波紋弾が次々と放たれ、伊勢へと迫る。だがこの波紋弾は先程のものより速度が遅い、避ける事は難しくない! 「これじゃ話になんないよ〜」 伊勢は避けつつ、利根との距離を詰めていく。

2019-03-12 21:56:48
三隈グループ @Mikuma_company

が!伊勢は気付いた! 「…ッ!?」 利根の放った遅い波紋弾が、避けたはずのそれが、自身の周りにある事を! いや、周りにあるのではない。光弾達は明確に伊勢を! 狙っている! 「なるほど、こういう事も出来るのねッ!」 伊勢はそう言うと、その光弾から素早く距離を取る。

2019-03-12 21:58:00
三隈グループ @Mikuma_company

すると光弾達は、少しして一つ一つ弾け飛んだ! (やっぱり、手元を離れれば不安定…そう長く維持は出来ないよね…!) 伊勢は自らの能力と利根の能力を照らし合わせ、分析しつつ対処する。誘導する光弾とて、着弾しなければ意味がない、対処は出来る!

2019-03-12 21:59:03
三隈グループ @Mikuma_company

それは利根も分かっている!彼女は伊勢との距離を保ちつつ、波紋弾を次々と撃ち放つ! 誘導する遅い弾、直線に飛ぶ高速弾、双方を次々と放ち伊勢を追い立てる! 「当たらない、当たらないんだなぁっ!」 伊勢はそれらを避け、甲板で防ぎ、主砲で撃ち落とし、凌いでいく!凄まじき技量!

2019-03-12 22:00:25
三隈グループ @Mikuma_company

されど利根の猛攻も凄まじい!光弾を絶え間なく撃ち、伊勢に隙と休息を与えない! 「ハァッ!」 強さと強さが激突する、だが不利なのは伊勢だ!利根との距離が縮まれば縮まる程、光弾の密度は高まり、避けきれないリスクが上がっていく。加えて伊勢の主砲は一基のみ、中距離戦の手数で負けている!

2019-03-12 22:01:30
三隈グループ @Mikuma_company

しかし伊勢に、負ける気などさらさら無かった。彼女は不退転、回避と迎撃を繰り返しながら利根へ接近していく! そして! 「頃合いは、今だねッ!」 利根との距離が縮まり切った瞬間!彼女は刀を交差させ、青く淡い光を纏った! 青い閃光がもう一度、ほとばしる!

2019-03-12 22:02:37