【書き起こし】「依存症をめぐり注目される『ハームリダクション』とは何か」松本俊彦×古藤吾郎×みなみおさむ×荻上チキ▼2018年12月18日(火)放送分#ss954

依存症に対する、新たなアプローチ。基本的な考え方と、海外での実践例について。
1
前へ 1 ・・ 6 7 次へ
橋本 至 @kid75

それに対する警告ですとか、そういう支援がありますね。反響などは、「ハームリダクション反対」といったデモは私は見たことがないですし、普通に仕事に行ってそういう活動して帰ってくるというところで、受け入れられているのだろうなという感覚はあるのですけれども、

2019-03-19 22:59:13
橋本 至 @kid75

例えばこれがセーフインジェクションサイトってご存知ですかね?使用者が安全に注射できる、既成のサポートがあって注射ができる、これに関しては賛否両論があったような気がします。 荻:それは、例えばそういったスポットが地元にできることへの賛否などですかね? み:そうです。

2019-03-19 22:59:13
橋本 至 @kid75

荻:そういったものとして多くの人たちが反響として、つまり地元の治安などを気にして反対する人も中にはいるわけですけれども、一方で現場としては一つの効果的・科学的な治療法の一つとしてクライアントと一緒に考えながら対応していくという方針があるわけですね。

2019-03-19 22:59:14
橋本 至 @kid75

み:そうですね。例えばトロントでは初級ハームリダクション講座が市で無料でやっていたりすることもあるのですね。そういうことでハームリダクションとは何かということとか、それに関わるサポート行動とはどういうことなのかとか、そういう話だったと思います。

2019-03-19 22:59:14
橋本 至 @kid75

それは確か2日ぐらいかけて行っていた気がします。 荻:それだけ社会の、公共の選択肢の一つとして組み込まれているということになるのですね。 み:そういうことだと思います。 荻:分かりました。みなみさん、ありがとうございました。 み:ありがとうございました。 ~電話音声ここまで~

2019-03-19 22:59:14
橋本 至 @kid75

荻:実際にカナダではどういう対応がされているのかということを、みなみおさむさんにお話を伺いました。では日本ではどうなのか、いろいろなメールが来ております。紹介しましょう。

2019-03-19 23:03:45
橋本 至 @kid75

南:まずコロ助さんから。「ハームリダクションというのは、既に依存症になってしまった人に対しては確かに有効なアプローチなんだろうなということは理解できました。なので、欧米など違法薬物が既に蔓延してしまっている国で採用するのは分かります。

2019-03-19 23:03:45
橋本 至 @kid75

しかし、日本は世界的に見ても違法薬物の使用がかなり少ない国です。厳しく取り締まることで、依存症患者になる前の段階で食い止めることにかなり成功しているのではないでしょうか。アルコールやたばこなど、日本でも既に多くの依存症者がいる物なら、

2019-03-19 23:03:46
橋本 至 @kid75

ハームリダクションも検討する必要があるかもしれませんが、薬物については疑問を感じます。数少ない依存症患者にとってだけでなく、社会全体として、日本においても薬物依存のハームリダクションを導入することは、本当にメリットがあるんでしょうか」。

2019-03-19 23:03:46
橋本 至 @kid75

そして玉ねぎ小僧さんから。「ハームリダクションという言葉自体初耳だったんで、ネット検索してみましたが、日本ではなかなか受け入れられそうにない施策だなあと思いました。まずは具体的にどんな被害をどの程度低減できているのか、統計的な観点の説明が必要じゃないでしょうか。

2019-03-19 23:03:47
橋本 至 @kid75

マリファナや麻薬が合法されている国や地域だと公的資金も投入されてそうではありますが…」と。

2019-03-19 23:03:47
橋本 至 @kid75

荻:国によってハームリダクションのやり方が違いそうだよね、ということ。それからお国事情が違うので、日本では難しい・難しくないという議論を誰がするのかという話はさておくとして、日本では日本の議論が必要だねという話はお二人ともその通りだということですね。

2019-03-19 23:03:47
橋本 至 @kid75

古藤さん、日本での議論、どういった点が違うのか、そして必要になるのか、いかがでしょうか?

2019-03-19 23:03:48
橋本 至 @kid75

古:話し出したらきりがなくなってしまうのですけれども、確かに日本で使っている人の数は先進国の中では少ないのかもしれないと思うのですが、私がどうしてこの活動をするのかというと、ドラッグを使うことがある人に対する、あるいはその周りにいる家族やパートナーに対しての、

2019-03-19 23:06:53
橋本 至 @kid75

差別や偏見が本当に根深いということなのですね。日本には確かに依存症の回復プログラムはあるわけですよ。それは自助グループであったり、医療機関が行うプログラムだったりするのですけれども、それがうまくいくかいかないかはそのプログラムの内容だけではなくて、

2019-03-19 23:06:53
橋本 至 @kid75

差別や偏見がとても大きく影響していると思うのですね。そこにたどり着くまでが大変。SOSの声を上げられない、プログラムを提供しようとする人たちが育たない。差別や偏見があるから。家族もそれで相談ができない、抱え込んでしまう。

2019-03-19 23:06:53
橋本 至 @kid75

本人たちが社会復帰しようとしても、その人たちを受け入れようとしたがらないという問題もあるので、日本はどうやったら差別と偏見がどの位強いのかということを、先ほど統計という話もありましたけど、私は社会学者ではないのですけれども、

2019-03-19 23:06:53
橋本 至 @kid75

そういったスティグマの深さであったり差別や偏見がどれだけ強く影響を受けているのかということこそが、日本では研究すべき手法の一つになってくるのではないかと思っています。

2019-03-19 23:06:54
橋本 至 @kid75

荻:調査というのは統計だけではなくて、さまざまなインタビュー調査などによれば、やはり絶対ダメなことに手を出してしまった方が、使用によってさらに自尊心が低下して、依存症というのは何かドラッグなどを使う病気ではなくて、自尊心であるとかストレス状況だとかいろいろな状況が重なって、

2019-03-19 23:11:18
橋本 至 @kid75

何かに頼らざるを得なくなったときに、そこで頼らざるを得なかったのがお酒しかなかった、ドラッグしかなかったという状態のことを総称して言うわけですよね。となると、やはりその人の置かれていた環境のことを考え、なおかつ具体的に根拠のある仕方で改善をするのであれば、少ない多いではなくて、

2019-03-19 23:11:19
橋本 至 @kid75

少なかったとしても患者さんにハームリダクション的なアプローチをすると、より効果的に治りますよね、そうするとその方がみんなにとってお得ですよね、ということにつながっていくわけですよね。松本さんは日本での導入についてはいかがですか?

2019-03-19 23:11:19
橋本 至 @kid75

松:もちろん日本ではいくつか克服しなくてはいけない問題があると思います。一つは冒頭にも申し上げましたが、治療の場の安全がまだまだ保障されていない。お医者さんの中では患者さんの違法薬物の使用を知ったら通報してしまう人もいるのですね。

2019-03-19 23:11:19
橋本 至 @kid75

ここをどうにかしないと、ハームリダクション以前にアクセスして後悔するということがあり得るだろうと。それから古藤さんもおっしゃったのですが、ハームリダクションの活動の中で一つ大事なのは、スティグマの解消ということがあると思うのですよ。やはり人権問題だと僕は思っているのですね。

2019-03-19 23:11:19
橋本 至 @kid75

ハームリダクションの考え方は、薬物依存症者の人権を尊重し、自己評価を下げない。そうしないと支援機関につながれないのですよ。もちろん投稿されたリスナーの方々たちが言うように、最初の1回を防ぐことはとても大事だと思います。

2019-03-19 23:11:20
橋本 至 @kid75

しかしそれだけではだめで、使ってしまってやめられない人を社会から排除しておしまいにすることはできないと思うのですね。彼らが孤立せずに再び社会で居場所を見つけられるようにしなければ、やはり薬物の乱用防止はできない。現に覚せい剤取締法違反という犯罪は、非常に再犯率が高い。

2019-03-19 23:11:20
前へ 1 ・・ 6 7 次へ