【R18】絶倫ペアの情交模様・EP1・運命的な邂逅
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「兎も角、来てくれ。幹事なんで、どうしても頭数を揃えないと面目立たないんだよ。頼む!」 誰もいない空間に向かって頭を下げている継兄の様子が目に浮かぶ。言い方は多少強引だけれど、継兄は相手の事情を無視して我を押し通すような人ではないから。 #twnovels
2019-03-21 21:59:19「解りました。行きます。場所と時間を教えてください」 「助かる! 詳細はメール見てくれ。あ、猛の分の参加費は俺が出すから、金は気にしなくていい。突然で本当にすまん!」 電話は切れた。借りを作りたくはないけれど、向こうからの頼みだし、金のことは甘えておこう。 #twnovels
2019-03-21 21:59:49スマートフォンが震えた。継兄からのメールだ。 「場所は・・・陸男さんの大学の近くか。って、六時? すぐ出なきゃ間に合わないじゃんっ」 机に出したタブレット・コンピュータをそのままにして、慌てて出掛ける支度にかかった。服はどうしよう。ま、制服でなければ何でも良いだろう。 #twnovels
2019-03-21 22:00:40継兄の通う大学へは、最寄り駅から電車で四駅。大学の西側なら三駅だけれど、敷地が広いから、東の端に近い指定された会場ならもう一駅行った方が近い。アパートから駅まで自転車を飛ばし、ホームに辿り着くのとほとんど同時に電車が入って来た。 #twnovels
2019-03-21 22:01:40土曜日の夕方ということもあって、なのか、車両の中はそこそこ混み合っている。ぼくは入口近くの手摺に掴まって立っていた。少し離れたところに、同じ高校に通う女の子が三人。周りの迷惑にならない程度の声量でお喋りをしている。ぼくと同じ一年のようだが、見覚えはない。 #twnovels
2019-03-21 22:02:17明後日から中間試験だというのに、今まで学校にいたのだろうか、余裕だな、いやいや、学校で勉強していたのかな、などと取り留めのないことを考える。窓の外を、近く、遠く、一軒家や高層ビルが流れてゆく。間も無く沈もうとする陽の光を浴びて紅く染まり、反対側に影を落とす。 #twnovels
2019-03-21 22:02:44独り暮らしを始めて二ヶ月弱。一週間か二週間に一度、水月に会うために瀬山家へ帰る時に利用する路線だけれど、まだ景色には馴染めない。見慣れるまでにはもう暫くかかるだろう。水月の四歳の誕生日まであとひと月ほど、誕生日プレゼントを用意しないとな。今年は何にしよう。 #twnovels
2019-03-21 22:03:25高架を通る電車の窓から見える景色に木々が増えた。継兄の通う大学だ。継兄は自宅から自動車で通学している。鉄道を使うと乗り換えが二回あるので一時間以上、乗り継ぎが悪ければ一時間半近くかかるが、自動車なら三〜四十分の距離だ。 #twnovels
2019-03-21 22:05:51ぼくはまだ、自動車は無理だけれど、バイクの免許を取ろうかと考えている。瀬山家との往復に掛かる時間を短くできれば、それだけ長く水月と一緒の時間を過ごせるから。 電車が高架を降り、速度を緩めた。下車駅が近い。 #twnovels
2019-03-21 22:06:17この辺りは、大学の学園祭に来たくらいで不案内だ。目的の店まで、迷わずに行けるかな? まあ、継兄が地図を送ってくれているから、なんとかなるだろう。合コンね。どんな人たちが来るのかな。どっちにしろ、ぼくは数合わせだ。あまり気負う必要もないだろう。 #twnovels
2019-03-21 22:06:54合コン当日、あたしたち女子六人は大学西口駅に集まって電車で隣の東口駅まで移動した。大学の構内バスで東区まで行ってもいいのだけれど、駅からの方が会場のお店に近かったから。集まったみんなは、綺麗にお化粧してドレスアップしている。 #twnovels
2019-03-21 22:08:33対してあたしは、いつものシャツブラウスとデニムパンツ。顔には紫外線カットと保湿用のローションを塗っただけ。 「もっと着飾ってアピールしないと、男も寄ってこないよぉ〜」 そう忠告してくれたのは、情報工学科の阿佐美 結香(あさみ ゆか)。彼女は派手な赤いワンピース姿。 #twnovels
2019-03-21 22:09:29さらに左胸に、蝶を模ったブローチを着けている。 「いいのいいの。これでヒくような男に用はないから」 あたしは笑った。 「そういう考え方もあるね。もうちょっと地味な服装が良かったかな」 そう言って自分の姿を見下ろしたのは同じく情報工学科の本杢 遊理子(ほんもく ゆりこ)。 #twnovels
2019-03-21 22:10:02花の刺繍の入った清楚な白いワンピースを着て、左胸には花を模したブローチ。結香ちゃんと合わせたのかな。 「それは、わたくしに対する当て付けかしら?」 遊理子ちゃんに応じたのは紫藤 亜綺子(しとう あきこ)。口調に棘が感じられるけれど、口だけなのはみんな解っている。 #twnovels
2019-03-21 22:10:45建設工学科の彼女の服装はこの中で一番派手。 黒い絹のロングドレスに、同じ生地の、中指のリングで留めるアームカバーまで着けている。首に掛けたペンダントヘッドに光る宝石は紫水晶かな? いったいどこの夜会に行くのよ、って感じ。それでさっきの台詞なんだろうな。 #twnovels
2019-03-21 22:11:36「いいんじゃない? それぞれの個性が出ててさ。これでみんな同じような格好だったら逆にヒくでしょ」 女子側幹事の未乃莉ちゃんが纏めるように言う。彼女は淡い黄色のブラウスに白いパンタロンを合わせている。 #twnovels
2019-03-21 22:12:21集まった中では大人し目の服装だけれど、首に掛けた四重のネックレスと手首のブレスレットは、普段の彼女には似つかわしくない。今の服装には合っているけれど。みんなテンションが高めなのは、合コンへの期待の現れなのかな。 #twnovels
2019-03-21 22:12:48紗世理はひとり、静かに微笑んでいる。彼女は淡い水色のツーピース。アクセサリーは身に着けていない。飾り気のない清楚な服装は彼女らしい。化粧もナチュラルメイクで普段の彼女の雰囲気を損なっていない。 #twnovels
2019-03-21 22:13:16あたしみたいにまったくの普段通りもどうかと思うけれど、他の四人ほど着飾るのもどうかと思う。紗世理みたいに、普段の自分を消すことなく少しだけ背伸びする。そのくらいがちょうど良い。それが解っているなら、あたしも少しくらいお洒落しとけ、って話しだけれどね。 #twnovels
2019-03-21 22:13:57瀬山くんが予約したのはお洒落な洋風レストラン。その個室にあたしたち女性陣が通された時、男性陣は既に着席していた。一斉に立ち上がってあたしたちを迎えてくれるものだから、ちょっとどきりとしてしまった。 「お待たせ。あれ? 一人少なくない? あたし、人数間違った?」 #twnovels
2019-03-21 22:20:23女性側幹事の未乃莉ちゃんが男性側幹事の瀬山くんに尋ねる。 「ごめん、直前で都合悪くなった奴がいてさ。代わりは呼んだから、・・・もうすぐ来るよ」 瀬山くんはスマートフォンを見て──多分、時刻を確認したんだろう──から答えた。 #twnovels
2019-03-21 22:20:56「自己紹介はそいつが来てからにして、最初の飲み物頼んどこう。最初はソフトドリンクか弱いのにしとけよ」 後半は男性陣に向けられた。 「解ってるって」 「最初から酔い潰れるわけにいかないもんな」 男女向かい合ってテーブルに着き、それぞれ飲み物を注文する。 #twnovels
2019-03-21 22:21:44