ライトとゼロ

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事の始まり

とり @sssupple

ライトと呼ばれる男(モブ刑事視点) pic.twitter.com/Fdjc0o9kgw

2018-10-11 09:24:42
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とり @sssupple

ライトという名で言い伝えられていた男は、警視庁に入ってきた瞬間に「風見」という名に変わった。高木曰く、戻った。ざわつきはあったが、それでも彼の行動は的確だった。捜査本部で手に入れていた情報だけでなく、何処かから手に入れた情報を提示し、裏付けの捜査を指示した。

2018-10-12 07:58:29
とり @sssupple

刑事たちが出払って本部担当の高木他数人が数人が残っている。彼らのところに歩み寄る風見。高木は「相変わらずですねー」と笑う。風見はシニカルな笑いを浮かべながら、君こそ、と簡素な一言。それから風見が連絡を取った先と彼らに提示した情報を共有する。

2018-10-12 08:01:19
とり @sssupple

そこからは高木も現場に出て、捜査本部に風見が残る。高木と物部(モブ警官)が組んで出るが。何なんですかあの人と。「言ったろ、伝説のゼロの右腕。彼はもと公安の優秀な刑事だ。ゼロが居なくなったとともに彼もやめたけれど」数年前、大きな事件だった。高木は言う。

2018-10-12 08:03:42
とり @sssupple

一斉摘発の大捕物の際、爆発が起きた。ゼロと風見も巻き込まれ、風見は顔に大きな火傷。ゼロも左側半身に火傷を負ったと言う。「彼の顔の違う色の肌は、ゼロのものだよ」「確定ですか?」「間違いない。彼は、風見さんをとても大切にしていたから」

2018-10-12 08:07:24
とり @sssupple

「大切にしていたからって…」「僕はゼロの事も知ってるよ。だから言えるんだけど。ゼロのことを知っている人間が風見さんの顔を何て言うか、聞いたことない?」『ゼロのさいごのおくりもの』物部にとってそれは都市伝説のようなもので、高木が口にするまですっかり忘れていたような噂話だった。

2018-10-12 08:26:45
とり @sssupple

「皮膚移植ってさ。本当は広い面積の腿あたりから取るんだって。でも、ゼロは自分も死にそうなところで『僕の右腕を彼に、』って言ったらしい」彼は自分の右腕なのだと、本当の意味で右腕にするのだという執念すら感じた。「実際にどこの皮膚を使ったかは僕も知らないけどね」

2018-10-12 08:28:59
とり @sssupple

風見が来てから、一気に進展した。同時に入った爆破予告だが、それに関しては風見が協力者に回してしまったために高木たちは殆どノータッチ。問題ないと風見が片方だけの口の端を持ち上げて笑う。集まって来た情報は多いが、決定打がない。

2018-10-12 08:32:03
とり @sssupple

次にバラバラ事件が起きるであろう場所がわかった時点で、風見自ら乗り込む。「なんで、警察やめたんですか」物部が問う。「元々体格で目立っていたのに、こんな目立つ顔で動くと印象に残ってしまう。それでは仕事にならないんだよ。高木みたいな顔と体格なら続けていた」

2018-10-12 08:34:48
とり @sssupple

それから現場。罠を仕掛けてある。犯人が被害者に傷をつけようとした瞬間、カウントダウンの声。その声に乗るように、謎解きを披露する別の声。カツンカツンと近づいてくる足音。二つの声が「ゼロ」と重なった瞬間に光の下に踏み出したのは、かつて伝説のゼロと呼ばれた男だった。

2018-10-12 08:37:49
とり @sssupple

ラフな格好をしているが、黒一色のスタジャンから出ている左手はかつて酷い火傷をしたのであろう跡が見て取れる。会ったことのない人物だったが、彼が伝説のゼロだと物部にも十分に伝わった。オーラが違う。追い詰めていく過程の鮮やかさは、見たことがない。

2018-10-12 08:50:27
とり @sssupple

いや、一度だけ似たような感覚を覚えた。それは風見が捜査本部に入ってきて人員を捌いたあの瞬間だった。彼らには繋がりがあるというレベルの何かではない、どう見ても一体だった。ゼロが引きつった左腕を持ち上げた瞬間、「確保!!」風見の怒号のような声に、固まっていた体が反射的に動いた。

2018-10-12 08:52:40
とり @sssupple

犯人が連行されていく。「高木刑事、いえ。今は高木警部でしたか」「あはは、有難い事に…。生きてらしたんですね」「はは、おかげさまでかつての同僚に三途の川の手前で阻止されまして」「みなさんお元気でしたか?」「俺を船から落として現実に返すくらいには」

2018-10-12 08:55:05
とり @sssupple

「貴方の部下ですか?」「そうです。昔の俺に似て危なっかしいんですが」「今もそう変わらなかったが」「放っておいてください!」「昔の貴方に似ているということは、気は優しくて真っ直ぐってことじゃないですか」ゼロはそう言って柔らかく笑おうとした。ケロイドのせいで引きつっていたけれど。

2018-10-12 08:56:52
とり @sssupple

「またなにかあれば僕も風見も力を貸しますよ。ただし、僕はレアキャラなので、手順は踏んでもらわなければいけませんが」「レアキャラって…」「今の僕は表立って動ける立場ではないんですよ。許してください。召喚に苦労するSSRだと思ってもらえれば」

2018-10-12 08:58:34
とり @sssupple

彼は、具体的な手順は示さずに風見と帰っていった。

2018-10-12 08:59:08
とり @sssupple

普通に歩いていた降谷が、途中で膝から崩れ落ちる。そのまま背負う風見。「格好つけましたね」「後輩の前だからな、つい」「眠ってください。帰りますよ」次に目覚めるのはいつになるかわからない身体抱いて、右腕は本体を連れて帰った。

2018-10-12 09:04:25

メインストーリー

とり @sssupple

一話、邂逅 連続事件の幕開け。最初は連続誘拐事件に関わっていた物部(新米モブ刑事)が右往左往していたところで、切断された女性の腕が見つかった。捜査本部が割かれ、人手が足りなくなり始めた中。「物部くん、この人を呼んできてくれないかな?」高木警部に言われた場所に行くと、その人は居た。

2018-10-14 09:59:26
とり @sssupple

二話、焦燥 目の前に現れた男は、フランケンシュタインのような顔の縫われた大男だった。手伝ってくれるらしい彼は捜査本部にやってきた。仕切り始めたが、指示が的確だった。高木が「風見さん」と呼んだ男はライトと都市伝説のように言われていた男だ。物部は彼と行動を共にすることになった

2018-10-14 10:05:42
とり @sssupple

三話、怪物 物部たちは犯人の目安はついたが、どう動くかが全く読めない。「◯◯時、此処に来い」ライトからの言葉に物部と高木は素直に向かう。待機していた自分たちの前に現れたのは犯人と、知らぬ足音。朗々と謎を解く彼は、伝説のゼロ。ライトの本体だった。

2018-10-14 10:12:47
とり @sssupple

四話、想像 頭の中に浮かぶ。それは、想像。生々しい手の感触を持ってしても、刺した包丁も刺された被害者もいないのに、彼らは口を揃えてやってくる。「私が人を刺しました」凶器も被害者もいない。そんなものを捕まえるわけにはいかないが、人数が人数で、放っておくわけにもいかなかった。

2018-10-14 10:17:55
とり @sssupple

五話、創造 ライトは連絡先は渡してこなかった。再度彼のところに向かうが、そこにゼロはいない。「一緒に居ないんですね」その言葉にライトは少しだけ寂しそうに笑った。ついに、起こった。どう見ても犯人の男と、どう見ても犯人でない女。けれど女は言う。「私があの人を殺したのを覚えている」と。

2018-10-14 10:26:39
とり @sssupple

六話、送像 感触と映像。彼らは一つの映画で繋がって居た。小さな映画館で同じ映画を見た人たちが、同じことを訴えている。想像力が豊かであればあるほど入り込みやすかったのだろうと、ゼロが言う。そして、潜在的に願望があったからこそイメージの中で殺してしまったのだろう、とも。

2018-10-14 10:34:17