「ヤオイ(BL)はゲイ差別か?」
昨日買った書籍に「ヤオイはゲイ差別か?」という寄稿があった。執筆者は堀あきこ氏 ⇒ セクシュアリティの多様性と排除 (差別と排除の〔いま〕 第6巻) (差別と排除の「いま」) 好井 裕明編著 http://t.co/489tkjq
2011-05-08 20:49:08執筆者の堀氏は1992年のフェミ系ミニコミ誌「CHOISTR」にて、ゲイの佐藤雅樹氏の投稿「ヤオイなんて死んでしまえばいい」という連載から続いた『やおい論争』をテーマに、果たして「ヤオイはゲイ差別か?」を論じている。
2011-05-08 20:54:19佐藤氏の論点はフェミニストがポルノ批判運動で論じた「見るー見られる」という関係をヤオイ愛好家はゲイに当てはめていることへの不快感、ヤオイが美しい男性を描いていることで「見当違いな価値観」で美化し、ゲイを抑圧しているというと批判している。
2011-05-08 20:59:45しかしここで執筆者の堀氏は、ヤオイ批判するゲイ男性は「ヤオイとオタクとオコゲの違い」を理解していない場合が多いので佐藤氏のヤオイ批判は、ヤオイに対してのイメージ先行で語っていたので、ヤオイそのものへの批判としてピントがずれていたと論じる。
2011-05-08 21:04:07しかし「ヤオイはゲイ批判か?」を読んだ私からすれば佐藤氏のヤオイ批判に肩を持つ必要性は感じないものの、堀氏のヤオイ擁護論にいささかの違和感を感じる。
2011-05-08 21:06:02まずヤオイ批判として「美しい男」と言う表現が、ゲイは美しくなければならないとゲイを抑圧するのではという意見に対して、堀氏は「漫画描写はデフォルメが当たり前。ゲイ男性向け漫画もデフォしているじゃないか」と一蹴する。しかし私から見たらヤオイ漫画のデフォルトは行き過ぎではないかと思う。
2011-05-08 21:10:33「ヤオイはゲイ批判か?」には上半身裸で銃を構える男性の背後からくわえタバコの年上男性が後ろから支えているというヤオイ漫画の表紙の挿絵がある。現実的に上半身裸で銃を構えるのは法治国家ではありえないデフォルメ描写ではないかと。
2011-05-08 21:15:59堀氏が例に挙げたクマヒゲ系・スーパーガチムチ系のゲイ漫画だって肉体やヒゲ・体毛もデフォルトじゃないかと論じているが、ゲイ漫画に出てくる人物はリアルに居てそうな程度のデフォであり「美しい男性」を描いているヤオイ漫画の擁護になっていない。
2011-05-08 21:21:20佐藤氏のヤオイ批判に「男性カップルがまるでヘテロ男女のように描かれている、これは異性愛社会に隷属させるステレオタイプの表現」に対しての堀氏の反論はヤオイ漫画はステレオタイプで描いているのは作者=読者の共通認識であり、
2011-05-08 21:28:09「ゲイを逸脱と見るステレオタイプ」が社会的通念あるのでストーリーを盛り上げるツールとしてヤオイではそういう解釈がまかり通っていると堀氏は論じる。堀氏はヤオイ漫画に「異性愛規範性」があることを認めている。ずいぶん無責任な批評ではないか?
2011-05-08 21:35:49堀氏はゲイ漫画だって挿入が描かれていてヤオイ漫画と変わらないじゃないか、「薔薇族」の文通欄は主導権を取る年上とそれに甘える年下が主流だと論じる。ゲイ漫画はマスターベイションのツールであって過激な性描写が売りであり、また出会い系は主導権を明確化しないと効率よく出会えない側面がある。
2011-05-08 21:39:59堀氏はヤオイはゲイを記号としてファンタジー=うそゲイを扱っていることに自覚的だが、現実のゲイにヤオイ愛好家の視線は向いておらず、押し付けもしていないと論じる。本当にそうだろうか?それはセクシュアルマイノリティ側からのヤオイ視点を感じるか否かを調べる必要性はあるのではないか?
2011-05-08 21:46:18セクマイ側からの意見として「ヤオイが男性同士の設定である以上、無関係ではない」「ヤオイは現実のゲイをすでに・常に参照しているのだから、ヤオイがファンタジー・フィクションと主張するのは誤りである」という主張に対して堀氏はホモフォビアの問題を提示する。これは論理の飛躍ではないか?
2011-05-08 21:51:20つまりセクマイ側から「あんた達(ヤオイ愛好家)は我々に視線を既に常に向けている」という意見に対して、目に見えず多くの人が抱える心理的奥底にある「ホモフォビア」を持ち出すのはセクマイ側からのヤオイ愛好家の監視があるか否かの問いを堀氏は無視していると言える。
2011-05-08 21:56:29溝口彰子氏がヤオイ漫画の中にあるホモフォビアとして「オレはホモなんかじゃない」と言うセリフがたびたび作品の中に登場するとヤオイ批判を展開する。しかし堀氏は恋愛対象の性別を超え異性愛者である性的指向を越えた愛の物語、それがヤオイだと溝口批判をヤオイ美化で避けようとする。
2011-05-08 22:03:22ココまで来ると「ヤオイはゲイ差別か?」の執筆者の堀あきこ氏が、ヤオイはゲイ差別していないと論じるのは力不足であるし、この方にヤオイとゲイを同時に語るのは不適格ではないかと思えてしまう。堀氏はバイセクシュアルというセクシュアリティの存在や「性のグラデーション」という考えが抜けている
2011-05-08 22:09:39以上、堀あきこ寄稿の「ヤオイはゲイ差別か?」に対する私の批判でした。掲載されている書籍はこちら ⇒ セクシュアリティの多様性と排除 (差別と排除の〔いま〕 第6巻) (差別と排除の「いま」) 好井 裕明編著 http://t.co/489tkjq
2011-05-08 22:19:56むしろ「あらゆる困難を乗り越えた純愛」的に語られる一種のファンタジーと言えると思います。RT @micchi: (略)堀氏はバイセクシュアルというセクシュアリティの存在や「性のグラデーション」という考えが抜けている
2011-05-08 22:17:07.@micchi さんの「「ヤオイ(BL)はゲイ差別か?」」をお気に入りにしました。//…個人的には差別や批判とはやはり違う気がする。あ、腐女子達が「ホモ」という言葉を簡単に使っていたりするのを見ると、ちょっとひっかかる時はあるかなぁ…知らないのが悪いって意味ではなくてね。
2011-05-08 22:52:50@micchi 拝読しました。堀氏、佐藤氏、お互いに批判対象への知識が薄いように思えます。今のBLは多様化していて、それこそガチムチも不細工受けも普通に特集組まれる程度には好まれているんです。ただ、やはり一部作品や愛好者にゲイ差別的視線が含まれていることも否定できないとも思います
2011-05-08 22:53:02