ジョンお姉さんが解説する「元号でよくわからないことを言っている人」

よくわからないことを言っている人がいるので、調べてみたよ。 「梅花の歌」の序の元ネタが「蘭亭序」なのか「帰田賦」なのかという話はあちこちにあるからおいといて。 ここでは主に「文字」のお話。 長いけど前書き読んでから読んでね。 続きを読む
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●ただ脊髄反射でdisってる人

Kazuko Ito@HumanRightsNow 伊藤和子 @KazukoIto_Law

水を差すのもなんですが、、 「令」というのが「命令に従いなさい」っぽい印象。 その下で支配安定。。 独裁国家的な感じもするので、極力使いたくないわ。

2019-04-01 12:04:35

まるでわかってません。

「っぽい」「独裁国家的」というのはあなた個人の学の足りなさに由来する誤解でございます。

事実確認の不足からくる印象批判をするのが弁護士のお仕事なのでしょうか?よくわかりませんが。
 
 
 

●漢字の読み方がわかっていない人

小田嶋隆 @tako_ashi

令 訓義 [1] おつげ、神のおつげ。 [2] みことのり、ふれ。 [3] いましめ、おしえ、いう。 [4] よい、ただしい、めでたい。 [5] させる、せしめる、いいつける。 [6] もし、たとえ。 [7] 伶(れい)と通じ、めしつかい。 『字通』より

2019-04-01 11:46:21
Simon_Sin @Simon_Sin

そもそも「令」は「神のお告げを聞く人」からできた漢字なので「『命令』の他にも『令嬢』のような良い意味もある」というのはそれは「神のお告げに逆らわない良い娘」でしかない。裸馬に跨がって悪ガキ連中を率いて暴れるような娘はどんな高位高官の娘でも令嬢とは呼ばないだろ? twitter.com/knife9000/stat…

2019-04-01 17:56:48
日本国黄帝 @nihon_koutei

はぁ?一体どこにそんな意味があるのだ。「和を令する」の意味しかないし、英訳するのならば「Peer pressure(同調圧力)」だろうが! twitter.com/nhk_news/statu…

2019-04-03 19:08:39

※詩箋曰。令、善也。按詩多言令。毛無傳。古文尚書言靈。見般庚、多士、多方。般庚正義引釋詁。靈、善也。葢今本爾雅作令、非古也。凡令訓善者、靈之假借字也。『 說文解字注』

※詩においては、令とは善いことである。詩を調べると令の使用が多くみられる。伝は何もない。古文尚書には靈とある。般庚などあちこちにみられる。般庚正義の注釈は靈とは善であると説く。しかし今本(同時代のテキスト:隷書)の爾雅(類語辞典)には令とあり、当初のもの(靈)ではない。令を善の意味で使用する靈の假借字である。

假借とは
假借された文字は、その発音に新しい意味(この場合は「善」という意味)が付き、元の字の意味は消えてしまうという漢字の構造上のお約束だよ!
実際の運用上は「形と音は同じだけど別の文字」というレベルのお話です。

今回元号に使用された「令」は、本来は「令」字とは全く別の蝌蚪文の「靈」字(現在は消滅)であって、別個の概念の文字であり「(ものごとの内面、外見を問わない包括的な)善」の意味です。それ以外の意味は辞書的にもございません。

なぜ、「令」字に「よい」という意味がついたのか、というところからお勉強しましょう。辞書の引き方が中学生レベルです。

やりなおしましょう。
 
 
 

なうちゃん @nauchan0626

「令」という字には確かに「良い」という意味もありますが、それは上からの命により秩序化されたされた社会を「良い社会」という考えに通じるのです。それは命令に喜んで服従したがる日本人の臣民性を表しているのです。 5・3集会「令和 私の宣言」:朝日新聞デジタル asahi.com/articles/DA3S1…

2019-04-02 18:59:26
こうちゃん @kozohys2002

小林よしのりさんいいこと言うなあ! さらに言うなら「令」は王冠の下に人が跪いている図だから、やっぱり君主か支配者の命令の意味である。君主の命令だから、清らかで美しいという観念に結び付くのだろう。「令和」を見て、なんとなく冷たい感じがするのはやむを得ないのだ。blogos.com/article/367969/

2019-04-02 22:51:43

「令」が良いという意味になっているのは「命令」だの「秩序化された社会」になんかこれっぽっちも関係なく、「令」の音が「霊」に通じることから、霊の意味である「善」の意味を持たせて文字を借りた「假借(かしゃ)」という漢字古来の用法でございます。
『説文解字』は紀元1世紀頃の後漢の成立です。その註において、漢代の『爾雅』の成立までには令字に假借されている旨を記しているので、遅くとも紀元1世紀までには、詩文における「令」字の「善」という意味は確立し、多用されていたことになるわけでございます。

「令」を「善」の意味とする漢字の用法は、縄文後期(紀元前6世紀ころ)から弥生時代(紀元1世紀ころ)までに確立しております。日本人の臣民性?その頃の日本人は縄文土器でドングリ食ってるとか、やっと弥生式土器で米炊いてるかどうかという時期のお話ですよ?
何すか?臣民性って?(にっこり

そして清代に作られた康煕字典でもその意味は変わっておりません。「上からの命令」だの「使役」だの「秩序」などという意味は全く挿入されておりません。

「音が同じ」という極めて単純な理由で「良い」という意味でございます。はい。

本を調べる程度のお時間は十分過ぎるほどあると思いますので、皆様お勉強してください。
 
 
 

雪村悠佳◇9月上旬に短期連載やります @yukimura_haruka

なんと言われても命令の令だし巧言令色の令だしあと使役の意味もあるし、令和って和を押し付けられたりごまかすイメージしかない。 安倍らしいなぁ。

2019-04-01 13:09:54
雪村悠佳◇9月上旬に短期連載やります @yukimura_haruka

togetter.com/li/1334415 なんかこんなこと書いてる人要るけどそもそも仮借とか言ってる段階で既に本来の文字の意味から逸脱してるわけでさ。どっちが中学生並みなんだろう。 頭悪いなぁ。

2019-04-04 00:01:43

本まとめで学のなさを指摘されたと感じた方の精一杯の反論でございます。假借字も本来の意味で読むべき、というお話でございます。

それやると假借でなくなりますが?(笑

假借字の代表例は「豆」ですが、これは本来は植物の「マメ」ではなく、脚がある蓋つきの容器をかたどった形象文字「豆(トウ)」でございます。現代一般に使用されている漢字で「豆」字が容器の意味であったことを示すものとしては「豊」字があります。これは容器である「豆」に穀物が山盛りになっている形です。

ではありますがー(笑い

本来の意味で読め?いいでしょう。

「大豆」を「ああ、納豆の原料になるマメね」という人に、「本来の字義から離れている~マメと読む奴はバカ~」とか言ってる人がいたとしたら、また「来」という字を「くる」と読む者に「ばーか、それは植物のムギなんだよ!プゲラ!」とか言っている者がいたとしたら・・・

どちらがバカなんでしょうね。

その意味で「令月」の「令」ってどちらの意味なんでしょうね。

その判断はお任せします。
 
 
 

●欧米人に漢字の読み方を習う人

盛田隆二 🌐™ @product1954

ですね。orderは「秩序」ではなく、米国からの「注文」かもしれません。まあ「命令」と同じですが。 twitter.com/karusepu/statu…

2019-04-01 19:01:26
田村 @karusepu

@product1954 そのorderは命令の意味のorderだと思いますよ

2019-04-01 18:49:33

上述のとおり、「秩序」「命令」「注文」いずれの意味でもございません。
漢字・漢籍の知識がない漢字文化圏外の外国人に正しいことを伝えるのが特にジャーナリストにとっては「お仕事」だと思うんですが、よりによって漢字文化圏外の外国人の誤訳を逆輸入ですか?

それって、「知性」とか「教養」とか「正しさ」という面からどうなんでしょうね。
 
 
 

●論語読みの論語知らずな人

胡蝶蘭 @3SC5vunUPhy5Env

モーニングショー 歴史学者 本郷和人氏 令っていう漢字を漢和辞典で確かめてほしい。一番最初に良い意味が来るか、来ない。最初は命令の令。 「巧言令色鮮し仁」 口先がうまく顔色をやわらげて人を喜ばせ、媚びへつらう事は仁の心に欠けている。 そういう言葉を何で学者が令という字を使ったのかなと。 pic.twitter.com/Kuj1xy4618

2019-04-02 18:56:26

漢和辞典で「令」をひいて一番最初に「よい」という意味が来ない。当たり前です。「よい」という意味の「令」は假借字ですから。
命令の「令」の「音」も共通という点で字形を借りている「違う概念の文字」ですもの。字典の上の字義の優先順位は下がりますよ?それが何か?

「僕みたいな研究者」はジュンク堂あたりで買えちゃう漢和辞典だけで、基本の『論語集注』はおろか『説文解字注』とか『康煕字典』も読まずに研究をしておられるので?
それでテレビで論語の講釈しちゃうんです?

勇敢ですね。一般には「蛮勇」というかもしれません。

くう‎ʕ •́؈•̀ ₎🌐 ᑎO ᗯᗩᖇ 🌐 @kuu19660622

東京大学教授 歴史学者 本郷和人 氏 『巧言令色鮮なし仁』 「“仁”というのは儒教の中で1番大切な概念 “巧言”は言葉が巧みなこと “令色”は顔をつくること。要するに言葉をつくったり人に媚び諂ったりする。こういうヤツは仁という概念に1番遠い。そういう“令”って言葉をなんで学者が使ったのかな」 pic.twitter.com/aElTsnFWPb

2019-04-03 00:56:17

「巧言令色鮮矣仁」が「巧言令色」は「鮮矣仁」なので、「令」字には「仁」が欠けているので問題だというのも少しお勉強したら?という感じです。はい。
「巧」も「令」もポジティブで良いイメージなので、「立派な発言や立派な見た目」を評価することを戒める句であって、「巧」や「令」自体に「取り繕う」という意味があるなどとは孔子も申しておりません。はい。

「子曰、詩三百、一言以蔽之、曰思無邪」『論語 為政第二』
「先生がおっしゃった。詩経に一貫している理念は邪な思いがないということだ。」 

そこで、『詩経』の詩を一つ紹介しましょう。

「蓼彼蕭斯、零露泥泥。既見君子、孔燕豈弟。宜兄宜弟、令德壽豈」『詩経(周)・小雅 卷阿』

「茂ったヨモギから露がしたたっている。既に君子に会い、楽しく酒盛をした。兄としてよく、弟としてよい。素晴らしく徳のある人の長寿を楽しもうではないか」

日ごろから詩経の学習を弟子に勧めていた孔子は詩経の詩に「邪さはない」と明言しているわけですから、孔子が「令」字を「善」という意味で使用する詩経の用法を否定していなかったことは明白でございますね。

東大ではこの辺はお勉強されないのですか?

「そういう“令”って言葉をなんで学者が使ったのかな」って、多分選定した人は漢文の素養がないあなたよりも学があったからだと思います。

北村 肇(1952.3.14〜2019.12.23.) @bkhajime

命令の「令」だけでなく「巧言令色」の「令」、さらには「令旨」(皇太子の命令)の「令」でありふさわしくないと本郷教授。官邸ゴリ押しの結果がこれ。 huffingtonpost.jp/entry/reiwa-ha…

2019-04-03 21:46:35

天皇(皇帝)が使用する文字として令はふさわしくない、との本郷先生のお言葉ですが・・・

ここで、記録を見てみましょう。
『宋會要輯稿 禮四九 尊號』
嘉祐七年七月七日,詔曰:「季秋令月、其日辛亥、事天事親、卜用惟吉。」

皇帝御自ら「令月」って使っちゃってます。

命令の意味で使っていない?
そうですか。

『北史 列傳第十六 源賀』
帝令斬之。師奏曰。若陛下初便殺之,自可不關文墨,既付有司,義歸恒典。脫宿衞近侍者更有此犯,將何以加之。帝乃止。」

皇帝が「処刑しろ」と命(令)じたのを、部下の進言で中止していますね。はい。

本郷先生、マジで少しお勉強してください。「帝令」なんて用例は各王朝の正史にごっそり出てくる表現でございます。

はい。
 
 
 

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