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しいたけ @zidaiokure_21th
先日の大河ドラマ「いだてん」で、森山未來演じる若き日の古今亭志ん生が、初高座の直前にワニラなる食べ物を食べていた部分が描かれていて、牛めしの安物みたいなもんとたけし志ん生がさらっと述べていたのだが、実際のところ、どんな食べ物だったのだろう。 twitter.com/ksk18681912/st…
近代食文化研究会@「牛丼の戦前史」発売中 @ksk18681912
大河ドラマ「いだてん」で、若い頃の志ん生がワニラを食べるシーンが出てきたそうで、質問をいただいております。 bit.ly/2I2KGAt ・なぜ犬が睨むのか ・安い牛めしとはなにか 志ん生の説明だけですと、ちょっとわかりにくいので補足説明させていただきます。
近代食文化研究会@「牛丼の戦前史」発売中 @ksk18681912
”「ワニラ」ってえのは、安い牛めしのことでして俗に「カメチャブ」ともいいました。どうして「ワニラ」かってえと、屋台で食べている客の足の下で「ワン公が睨んでる」…そいつをつめて「ワニラ」ってんですが誰がつけたかオツな名前であります。 ”
近代食文化研究会@「牛丼の戦前史」発売中 @ksk18681912
これが昭和39年の『びんぼう自慢』における志ん生の説明だそうです(原文を読んだことはありませんが5ちゃんねるからコピーしました)。 確かに、なぜ犬が睨むのかがわからないですね。
近代食文化研究会@「牛丼の戦前史」発売中 @ksk18681912
ワニラ、あるいはワンニラと呼ばれたのは牛めしだけではありません。 焼鳥、串かつ(当時の言葉で串フライ、肉フライ等)も「ワンニラ」と呼ばれました。 現在執筆中の「牛丼、串かつ、焼鳥の戦前史」は、ワンニラに関する本なんです。
近代食文化研究会@「牛丼の戦前史」発売中 @ksk18681912
史上もっとも有名なワンニラの犬は、忠犬ハチ公です。 これは戦前~戦後のレトロ写真さんから、渋谷駅前の焼鳥屋台とハチ公。 bit.ly/2LsTEcn 戦前の牛めし、串かつ、焼鳥の屋台の周辺には、ハチ公のような犬がうろついていました。
戦前~戦後のレトロ写真 @oldpicture1900
1934年(昭和9年)頃、晩年のハチ公です。さすがに秋田犬だけあってこうして見ると大きいですね。 pic.twitter.com/gBnXAwBPrQ
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近代食文化研究会@「牛丼の戦前史」発売中 @ksk18681912
なぜ犬が睨むかというと、ときおり肉が降ってくるからです。 なぜ肉が降ってくるかというと、噛み切れない肉を客が道路に吐き出すからです。 なぜ噛み切れないかというと、正肉ではない、得体の知れない肉を使っていたからです。
近代食文化研究会@「牛丼の戦前史」発売中 @ksk18681912
これは『浅草あれこれ話』(酒井俊)に載っている、戦前の牛めし屋台のイラストです。 ”牛めし屋の屋台の周囲にはいつも犬がウロウロしていて、噛めないスジなどを客が捨てるのを待っている。” しかしながらスジなどはまだ、上等な肉の方です。 pic.twitter.com/0TkIJqWKJz
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近代食文化研究会@「牛丼の戦前史」発売中 @ksk18681912
”同二十五、六年の頃から、牛めしの流行出したことといったら、赤犬の肉だなんかといったくらい、これもいい匂いをさして、おいしそうでした。一杯一銭三厘で、冬分はあったかく、女でも何でも、みんな喰べていました”
近代食文化研究会@「牛丼の戦前史」発売中 @ksk18681912
これは『女百話』(篠田鉱造)に記載されている、明治半ばの牛めし屋の回想です。 実際に犬肉が使われていたかは疑問ですが、得体の知れない安い屋台肉料理には、犬猫の肉を使っているとの噂はつきものでした。焼鳥にも同様の噂がありました。
近代食文化研究会@「牛丼の戦前史」発売中 @ksk18681912
”木下の屋台店で売っていた牛丼は、繊維が多く、色もどす赤い馬肉だった。” これは昭和15年の小説『放浪』(織田作之助)から。 小説ではありますが、主人公が働いていた屋台の牛めしには馬肉が使われています。
सतूप(浮屠) @bot25026838
昭和30年代までオカンの実家近辺に『定期的に馬肉売りに来る人』いたので馬肉自体は思ったより流通してたのかな…農耕用の廃馬だろうけど(群馬南部) twitter.com/ksk18681912/st…
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@bot25026838 戦前の東京はカジュアルに馬肉を消費していました。吉原土手のけとばし屋は有名でしたし、もっとも安い肉としてお好み焼き、串かつ、煮込み、焼鳥などにも利用されていました
近代食文化研究会@「牛丼の戦前史」発売中 @ksk18681912
他にも牛の頭部とか皮とか、得体の知れない肉のエピソードには事欠きません。 詳しくは「牛丼、串かつ、焼鳥の戦前史」において書かせていただきますが、そんな「肉」の中には噛んでも噛んでも噛み切れない肉や、本能が食べてはいけないと命じ、吐き出さざるを得ない肉があったわけです。
近代食文化研究会@「牛丼の戦前史」発売中 @ksk18681912
そんな路上に吐き出されていた肉を処理していたのが、犬というわけです。 なので、牛めし、串かつ、焼鳥の屋台には犬がつきものだったのです。 これは戦前~戦後のレトロ写真さんから、昭和11年の銀座の焼鳥屋台です bit.ly/2A52kkG
戦前~戦後のレトロ写真 @oldpicture1900
1936年(昭和11年)。夜の銀座。既に電光掲示板での時刻表示が見えます。屋台の焼鳥の匂いに釣られたのか、犬が遊びに来ています。 pic.twitter.com/xQ2LsRmfKM
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近代食文化研究会@「牛丼の戦前史」発売中 @ksk18681912
もう一つの疑問 ”「ワニラ」ってえのは、安い牛めしのことでして” ですが、この志ん生のいう「安い牛めし」とはどういう意味かというと、おそらく志ん生の生年が明治23年であるということと関係しているのかと思います。
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戦前の牛めしの肉質にも変遷がありまして、下層労働階級が食べていた牛めしが中流階級に広がり、屋台から一般の食堂へと牛めしが広がるにつれ、次第に肉質がよくなっていったのです。
近代食文化研究会@「牛丼の戦前史」発売中 @ksk18681912
明治23年生まれの志ん生は、得体の知れない肉を使っていた頃の「安い牛めし」と、中流階級が食べるようになった「安くない牛めし」の両方を体験していたことでしょう。 なので、屋台の牛めしは犬が得体の知れない肉のおこぼれを期待する、安い方の牛めしであると表現したのだと思います。
近代食文化研究会@「牛丼の戦前史」発売中 @ksk18681912
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「#いだてん」

コメント

ブラキストン線の向こう側 @cupsoup2 2019年4月6日
当時の新聞を読むと、怪しい食べ物として「川越チャブ」なる単語が出てきますが、ワニラの別名みたいな感じでしょうかね
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