人口問題研究 第75巻 第1号~特集:第15回出生動向基本調査(その3)

人口問題研究 第75巻 第1号~特集:第15回出生動向基本調査(その3) 第15回出生動向基本調査(その3) 有配偶女性の人的資本、及び初期キャリアが出生力に及ぼす影響~女性就業と出生力の関係の再検討 第15回出生動向基本調査(その3) 日本における無子に関する研究 続きを読む
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Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

とりわけ正規公務員や正規民間大に就く女性の間で,子どもを持つ確率がより高いという結果が得られた.しかしながら,こうした関係は入職時から男女雇用機会均等法の影響を受けると考えられる1964-70年出生コーホートでは大卒者や正規公務員に就いていた者の間で

2019-04-07 18:29:41
Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

かえって有意なマイナスの結果が得られた.このことは,むしろ男女雇用機会均等法以降,初めて就業(継続)と出生の競合関係が見られるようになった可能性を示すものといえよう.

2019-04-07 18:31:42
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さらに,こうした傾向は1970-75年出生コーホートでは確認されず,若い世代では再び機会費用仮説が妥当しなくなってきている可能性が示された(探求課題2).

2019-04-07 18:31:42
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(。 ・ω・))フムフム 本研究の命題である,女性はその人的資本が高く,あるいは初期キャリアが安定的であるほど,出産や育児に伴う就業の中断によって生じる機会費用が大きいことから,結婚後も就業を継続する傾向が強く,その結果,ライフコースを通した出生力は低くなるという状況は

2019-04-07 18:31:43
Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

1964-70年出生コーホート,その中でも大学卒業者や初期キャリアが正規公務員であった女性に限って妥当し,それ以外については妥当しないことが示された.この世代は,男女雇用機会均等法の施行後に労働市場に参入しており,

2019-04-07 18:31:43
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大卒者を中心とする高学歴層や,公務員女性を中心とした安定的就業層にとって就業(継続)と出産,育児がライフコースにおいて競合する選択肢として意識されたことが要因と考えられる.また,初期キャリア別の分析結果からは,

2019-04-07 18:31:43
Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

公務員に代表される長期雇用を前提とした日本型人事制度を採用する職業は,最も充実した両立支援の対象となってきたにも関わらず,むしろそうした職業に就く女性の間で子どもを持たない確率が高いことが示されたことは,少子化対策のあり方を考える上で重要な視点を提示した

2019-04-07 18:31:43
Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

[PDF] 第15回出生動向基本調査(その3) 日本における無子に関する研究 / ipss.go.jp/syoushika/bunk…

2019-04-07 18:38:30
Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

日本の無子割合は,戦前生まれの女性では10%前後で増減しながら推移し,1940年代生まれで最低値を記録した後,1960年代生まれ以降で国際的に見ても高い2割超の水準に達していた.

2019-04-07 18:38:31
Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

不妊や健康上の理由の場合(非自発的無子)と,結婚・出産の延期や無子を望む等の場合(自発的無子)に無子をタイプ分類したところ,若い世代ほど大きく増えていたのは未婚型の自発的無子割合であった.

2019-04-07 18:38:31
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また,2項ロジスティック回帰分析により未婚で無子志向型の25~39歳無子女性の特徴を分析したところ,このグループでは低収入や異性の交際相手の不在により子どもを持つことをあきらめている女性が多いことが示唆された.

2019-04-07 18:38:31
Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

一方で30~49歳の有配偶女性の多項ロジスティック回帰分析では,無子と初婚年齢が強く関連していたが,無子志向型の無子女性については,結婚の解消経験や子どもとのふれあい経験の少なさといった要因も有意であった.

2019-04-07 18:38:31
Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

(。 ・ω・))フムフム 置換水準を下回る出生力水準に対する説明理論として,自己実現の重視,世俗化,避妊革命,結婚・家族観の変化に注目した第二の人口転換論(vandeKaa1987)や,ライフコース選好で女性の仕事と家庭の両立に関する就業行動を説明した選好理論(Hakim2003),

2019-04-07 18:38:32
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子どもの費用(とりわけ機会費用)と便益の比較考量や子どもの量と質の代替(Becker1960;Willis1973),経済環境の変化によるリスク回避(Mills and Blossfeld2005)といった観点で出生率低下を説明した経済学的理論,

2019-04-07 18:38:32
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公私の場におけるジェンダー平等度合の不均衡を出生力低下の要因とするジェンダー不平等論(McDonald2000)など,いずれも無子増加の説明理論として敷衍できる.しかし,無子の動向を説明する包括的理論は未だ登場していない(Tanturrietal.2015:41).

2019-04-07 18:38:32
Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

近年の研究においては,戦後出生コーホートでは「適切なパートナーの欠如」というパートナーシップ上の問題が大きいことが指摘されている(Hayford2009:2013;Berrington2017;Koppenetal.2017;Jalovaara and Fasang2017).

2019-04-07 18:38:32
Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

(・д・)ホォー 教育程度と無子の関連については,高学歴女性に無子が多いという知見が主流であるものの,近年ではさらに研究が進み,教育年数の多寡よりも,受けた教育分野の影響が大きいという分析結果も示されている.

2019-04-07 18:38:32
Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

例えば,教育・保健分野の教育を受けた女性は,高学歴者であっても無子となる確率が低いといった知見である(Neyeretal.2017;Bagavos2010).

2019-04-07 18:38:33
Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

(´ω`) 先進諸国で共通して無子割合が上昇している1960年代出生コーホート以降の若い世代では,確固たる無子志向者が増えたというより,結婚・出産の先送りの結果で無子になった者が多いとみられており,とくにパートナーシップの影響が大きいことが指摘されている.

2019-04-07 18:38:33
Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

出生動向基本調査の概要:第10回,第13~15回 pic.twitter.com/O19PLqorYO

2019-04-07 18:38:33
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Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

各調査データにみる無子女性割合:45~49歳 pic.twitter.com/bpapbJSyat

2019-04-07 18:38:33
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Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

全体の動きとしては欧米先進諸国の女性の無子割合の推移と似ている.1900年前後と1920年前後のコーホートで無子割合が高めで,1930~40年代出生コーホートは低く,戦後生まれの世代で無子割合が急増している.戦後生まれ世代では,

2019-04-07 18:38:34
Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

1950年代後半の出生コーホートで1890~1895年出生コーホートと同程度の無子割合に達した後,1960年代生まれ以降で急速に無子割合が伸びた.欧米先進諸国では,1960年代以降の若いコーホートでも,無子割合は1900年前後の世代よりは低いか,

2019-04-07 18:38:34
Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

比肩するレベルであることが指摘されているが(Sobotka2017),日本の場合は1960年代以降のコーホートの無子割合は過去コーホートに比べてかなり高い水準に達しており,データが取得できる範囲で,今までにない状況である

2019-04-07 18:38:34
Bot08(日本カネ不足協会 会員) @ropcb08

無子女性割合の国際比較:2010-11年に40~44歳(1960年代後半出生コーホート) pic.twitter.com/mY18ZVPelo

2019-04-07 18:38:34
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