山本芳久氏の本に関するつぶやき:~2018年12月31日

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山本芳久 @201yos1

松本正夫『「存在の論理学」研究 』は、日本のスコラ哲学研究の最高峰の一つ。かなり難解なので、この分野に全く通じていない人にはお勧めできませんが、これだけ安くなっていれば、買いだと思います。世界に誇るべき独自の成果の一つ。p.tl/87cg

2013-12-03 22:34:50
山本芳久 @201yos1

スコラ学的な社会理論を応用した現代国家論としては、ジャック・マリタンの『人間と国家』が、少し古いが、基本的なものであり、よい翻訳もあるので取っつきやすい。p.tl/jKFu

2013-12-03 23:30:46
山本芳久 @201yos1

エチエンヌ・ジルソン『理性の思想史:哲学的経験の一体性』。20世紀最大の中世哲学史家であり、デカルトとスコラ哲学との関係についても優れた仕事を残したジルソンの、日本語で読める仕事の一つ。必ずしも読みやすい翻訳ではないが、200円は安い。p.tl/t28K

2013-12-03 23:49:42
山本芳久 @201yos1

中世哲学研究の必読書であるリーゼンフーバー先生の『中世哲学の源流』が、なんと、三分の一の値段になっているとは。本格的な中世哲学研究に興味のある人は、絶対買いです。p.tl/-_Ey

2013-12-05 00:27:40
山本芳久 @201yos1

キリスト教倫理については様々な著作があるが、絶対に読み過ごせないのは PinckaersのThe Sources of Christian Ethicsだ。実に見事な仕方で聖書・教父・スコラの理論を現代に生かし直す手がかりを与えてくれるp.tl/b0WF

2013-12-05 18:49:36
山本芳久 @201yos1

西洋の法伝統におけるキリスト教の影響について徹底的に分析したバーマンの大著『法と革命』。日本では神学をやる人が少なく、神学をやる人は大抵神学しかやらないから、西洋をその総体として理解するのに資するような領域横断的な仕事が発展しにくい。p.tl/5Np7

2013-12-05 20:34:45
山本芳久 @201yos1

「神秘主義をもって、何か著しく感情的な基礎の上に立つものと考える通俗的な誤解・・。トマス・アクウィナスの主知主義などもしばしばこの種の膚浅な批評の対象となった。・・神秘主義なるものの核心は根源的に知性的である」さすが井筒俊彦は専門外のトマスについても本質をつかんでいる『神秘哲学』

2013-12-06 14:12:20
山本芳久 @201yos1

稲垣良典『トマス・アクィナスの神学』を頂いた。最初の三章が書き下ろしで、後半の三章は神学大全の邦訳の解説から再構成されたもの。再構成部分についても、宗教観・キリスト論・秘跡論という仕方で体系化され、断片的な解説とはグンと違う印象。末尾に付されたトマスの「用語解説」も素晴らしい。

2013-12-14 11:53:46
山本芳久 @201yos1

坂口ふみ『天使とボナヴェントゥラ』はとてもいい本だ。ボナヴェントゥラについて本格的に論じられたほぼ唯一の邦文著作であるのみでなく、天使論を手がかりに遂行される、理性と信仰、不変と個物、質料と形相といった対概念の哲学的分析が非常に鮮やか。p.tl/XrjU

2013-12-16 23:54:13
山本芳久 @201yos1

「天心にとって茶は、宗教の顕われだった。天心にとって宗教とは、教祖も経典もない。それは美と人間をつなぐ一筋の道だった。」若松英輔氏の新刊『岡倉天心『茶の本』を読む』は、茶道に流れる普遍的な霊性を「美の宗教」という観点から捉え直した快著。p.tl/zlQI

2014-01-02 13:25:15
山本芳久 @201yos1

岩波文庫から文語訳の新約聖書が刊行された。聖典としての言葉の生きた力をありありと感じさせる日本語訳として最高水準のものだ。井筒俊彦訳のコーランのような言葉の力を有する口語の新旧訳聖書が生まれてくる為にも、文語訳が読まれる事は極めて大切だp.tl/guks

2014-01-17 16:31:08
山本芳久 @201yos1

教皇フランシスコの回勅『信仰の光』の日本語訳が刊行されます。この回勅をベネディクト16世による『神は愛』と『希望による救い』と纏めて読むと、信仰・希望・愛というスコラ的な対神徳が、現代でもカトリック思想の骨格を為している事が読み取れますp.tl/nBgW

2014-01-24 02:14:08
山本芳久 @201yos1

若松英輔『涙のしずくに洗われて咲きいづるもの』を頂いた。まずは装丁の美しさと手触りのよさに驚いた。アマゾンの画面とは比べものにならないくらい鮮やかだ。電子化し尽くせない書物のたたずまいの存在感を痛感させられた。死者論と文学・思想・国家論が絡まり合い、内容的にも驚くべき充実ぶりだ。

2014-01-26 14:48:34
山本芳久 @201yos1

今月末に邦訳が発売されるヨハネス・ロッツ『ハイデガーとトマス・アクィナス』は、ドイツ近現代哲学の影響下にトマスを解釈し直す超越論的トミズムの代表的な論者によるとても重要な著作だ。このテーマでもう一冊重要なのは、カプートによる下記の著作だp.tl/vizm

2014-01-28 11:50:46
山本芳久 @201yos1

ピーパー『愛について』は、日本語で読める、愛についての哲学的論考の中で最も優れたものの一つ。ピーパーはトミストだが、アウグスティヌス、ジンメル、ニーグレン、ドストエフスキーなど、実に多彩な題材を魅力的に料理している。絶版なのでお早めに。p.tl/0xQS

2014-02-13 11:49:49
山本芳久 @201yos1

日本では、残念ながら、カトリック系の人以外にはあまり読まれていないが、現代において信仰と理性の問題を考察するさいに出発点となるのは、ヨハネ・パウロ二世の回勅『信仰と理性』だ。『美徳なき時代』のマッキンタイアーも本回勅を詳細に分析しているp.tl/t5tw

2014-02-13 18:33:51
山本芳久 @201yos1

『教皇フランシスコ講話集1』を頂いた。二月に刊行された『信仰の光』は、実質的には前教皇ベネディクト16世が執筆したものであったので、学者肌の前教皇とは異なる現教皇の肉声が読みやすい日本語でまとめて読める初めての書籍として注目に値する。 p.tl/ogDu

2014-04-13 07:20:23
山本芳久 @201yos1

『新カトリック大事典』は実にすばらしい事典だ。哲学・神学関係の人名や概念について、他の専門事典では立項されてない項目を含めて、実に包括的で目配りの効いた記述が為されている。『イスラーム大事典』や『ユダヤ教大事典』も出てくれないだろうか。p.tl/KL4q

2014-04-18 23:28:04
山本芳久 @201yos1

岩波文庫の波多野精一『宗教哲学序論・宗教哲学』に付されている芦名定道氏による注解がすばらしい。波多野が依拠している古代から現代に至る様々な哲学者の思想に関する過不足ない平易な説明が実に見事で、注を見るために頁をめくる面倒を忘れさせる。p.tl/566c

2014-04-19 20:29:28
山本芳久 @201yos1

『カトリック教会のカテキズム』は、キリスト教についての体系的な概説書として超一級であるのみではなく、豊富に引用されているトマスや教父を現代に生かす道を探るための格好の手引きにもなる。徳倫理や法哲学や生命倫理に取り組む為の手がかりも豊かだp.tl/PczM

2014-04-22 20:09:11
山本芳久 @201yos1

フィリッパ・フット『人間にとって善とは何か:徳倫理学入門』を頂いた。英米圏の倫理学の代表的な論者の著作が日本語で読めるようになったのは画期的だ。アリストテレスだけではなくトマス・アクィナスについてもかなりの紙幅が割かれており参考になる。p.tl/f0rW

2014-04-23 15:27:12
山本芳久 @201yos1

中世哲学研究者のトマス・オズボーンが『トマス、スコトゥス、オッカムにおける人間的行為』という著作を書いたので紹介します。行為の原因、実践的理性、行為の評価という基本的諸問題について三者の思想を絶妙に対比させ論じています。読み応えありますp.tl/v5Nr

2014-04-27 18:19:48
山本芳久 @201yos1

ダントレーヴの『自然法』は、自然法論の入門書・概説書として最も定評のあるものの一つ。翻訳もしっかりしている。とても安くなっている。p.tl/LhFW

2014-04-28 17:43:17
山本芳久 @201yos1

稲垣先生の優れた翻訳で読みたいのであれば、『神学大全』の日本語訳のお薦めの巻は、第11巻の「習慣」「徳」、第12巻の「悪徳」、第13巻の「法」という選択肢になります。法哲学に関心がある人以外は、「徳」「悪徳」がお薦め。トマスは取っつきにくいという先入観は自然に克服されていきます。

2014-05-06 13:11:19
山本芳久 @201yos1

日本語で読める一番新しいトマス評伝は稲垣良典『トマス=アクィナス』(清水書院、1992年)です。これは本当にすばらしい本ですが、その後出版されたトレルの研究がトマスの評伝を一新したので、かなり古びてもいます。トレルの本は本当にお薦めですp.tl/Xecg

2014-05-07 13:46:09
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