アニメ『さらざんまい』1話考察 ～ツイッターのリツイートにたとえると～

しろうと @sirouto

アニメ『さらざんまい』は、ひと目見ただけでは難解だが、ネットの例に置きかえると理解しやすい。

しろうと @sirouto

たとえば、カッパは芥川龍之介の『河童』、箱ゾンビは安部公房の『箱男』の影響が、どこかにあるかもしれない。

しろうと @sirouto

しかし、「さら」1話を見た人なら、アマゾンの段ボールが、直感的に分かりやすかったはずだ。

しろうと @sirouto

それなら、他のものもネットのもので考えれば、分かりやすくなる。

しろうと @sirouto

ただし、分かりやすいことと、正しいことは別のことなので、『さらざんまい』が本来描くべきだったこととは別かもしれない。

しろうと @sirouto

でも、とにかく分かりにくいだろうから、まず叩き台として分かりやすいモデルを具体的に示したい。

しろうと @sirouto

さて、『さらざんまい』の人間のドラマの部分は分かるだろうが、カッパ関係の部分が分かりにくいと思うので、そこをネットで置きかえてみよう。

しろうと @sirouto

まずそもそもなんでカッパなのか。『ピングドラム』はペンギン、『ユリ熊嵐』はクマだったから、たんにそういう動物のマスコットを出すお約束だ、という説明もできるだろう。

しろうと @sirouto

しかし、「ユリ熊」では銃を持っていたが、「さら」では歌いながら戦うし、さらに全裸スケートをするなど、よく分からない部分が出てくる。ここをネットで説明しよう。

しろうと @sirouto

まず、カッパに変身するのはなぜか？　変身ヒーローのお約束だから、という説明もできる。『仮面ライダー』とか魔法少女ものの作品がそうだ。

しろうと @sirouto

そこをあえてネットで見立てを行うと、バーチャル空間での「アバター」のようなものと考えると、納得できる。

しろうと @sirouto

たとえば、ツイッターでもそうだが、ネット上のプロフィール画像がアニメアイコンだったり、猫画像だったりしても、当然本人とは別のものであると、誰もが理解している。

しろうと @sirouto

カッパに変身して歌いながら戦う、というのは一見現実離れしている。しかし、オンラインでアバターによって別のキャラになりきる、ということは、現実の人間もしている。

しろうと @sirouto

「なんJ語」みたいなネット上の隠語は、オフラインでは使わないだろうが、オンラインでは流通している。カッパに変身して歌って戦うのも、それと同じようなことだと考えると、分かりやすい。

しろうと @sirouto

つまり、『さらざんまい』のカッパに変身して戦う部分を、ネットバトルみたいにイメージすると、分かりやすくなる。

しろうと @sirouto

ここで本当は、ネット普及前の時代も、紙媒体でのペンネームや、仮面舞踏会などはあった訳で、アバター的変身はネットに限らないのだが、話をややこしくしないため、今は方便でネットのたとえに統一しておこう。

しろうと @sirouto

さて、「さら」1話の戦闘を見ると、尻子玉を抜くシーンの後に、全裸スケートで転送（漏洩）するシーンがある。

しろうと @sirouto

そして、カッパ王子のケッピが言うには、後者の転送=漏洩のフェイズが「さらざんまい」なのだという。これはどういうことか？

しろうと @sirouto

これはネットの「炎上」と考えると分かりやすい。ただこの炎上の比喩は前も使ったので、今回はより具体的に（炎上的な）「リツイートの拡散」でたとえてみよう。

しろうと @sirouto

『さらざんまい』を考えるときに、ツイッター民には、「リツイート」でイメージするのが分かりやすいだろう。

しろうと @sirouto

炎上するような事件があったとしよう。そのある事件が発覚する際の出来事をデフォルメしたのが、「さら」での尻子玉を抜くという行為だ。

しろうと @sirouto

これは「すっぱ抜き」や「パパラッチ」や「スキャンダル」とか、「秘密を暴露する」、という一種の暴力性と強く結びついている。だから、汚い、恥ずかしい、というネガティブなイメージから切り離せない。

しろうと @sirouto

しかし、尻子玉の後の全裸スケートで転送するシーンになると、一転して爽快な演出になっている。こちらの方がカタルシスを感じる真のクライマックスに思える。なぜ、そうなのだろうか？

しろうと @sirouto

ある種の事件が起きた当初は衝撃があるが、その情報が拡散されて評価が定まるフェイズでは、見ている者たちに一体感のようなものが生じる。

しろうと @sirouto

カッパ王子は「さらざんまい」とは「身も心もつながること」と言うが、炎上事件が起きた時のネットの連帯感のようなもの、とイメージすると分かりやすい。