アニメ『さらざんまい』1話考察 ~ツイッターのリツイートにたとえると~
SNSでの「つながり」を維持するために、「既読無視」しないようにとか、多くの人間が四六時中スマホを手放せなくなっている。これを時間的、精神的に搾取されている、という見方も可能ではないか?
2019-04-15 21:41:20スマホに貼り付いてる、というだけでなく、もっと大きな視点で言えば、ネットのSNSに貼り付くことで、もしかしたら社会全体の変革が遅れているかもしれない。それが欲望搾取。
2019-04-15 21:43:12ローマ帝国は「パンとサーカス」を民衆に与えて不満を抑えたが、その場しのぎの政治だったので、結局滅びた。すると、現代の「コンビニとスマホ」も、それに相当するかもしれない。
2019-04-15 21:45:12ネットで承認欲求を満たすシステムの裏側には、そのように欲望搾取という問題があるし、そもそも「表側」が正しいのかどうかも分からない。どういうことか?
2019-04-15 21:47:28ネットの炎上事件での一体感が承認欲求を満たすのは分かるとして、それがそんな絶対的な正義だとも思えまい。しばしば「野次馬の正義」であることも多い。
2019-04-15 21:48:25幾原監督の前作『ユリ熊』のユリとクマも、絶対的な善悪で割り切れない部分があったが、今回もカッパとカワウソは、そんなに善悪が明確でないのかもしれない。
2019-04-15 21:51:26また、かりに「さらざんまい」が今まで説明したような、ネットの連帯感だとして、しかしそれは『ユリ熊』の「ユリ」よりも、「透明な嵐」の方に近くなってしまうのではないか?
2019-04-15 21:54:55ぜんぜん他人とつながらないのでは、孤独で寂しい人生になってしまう。しかし一方で、中毒的につながりを求めてしまうと、絶えずスマホに貼り付くみたいな、ある種の搾取をされてしまう。
2019-04-15 21:58:21ツイッターをやっている人なら、フォロワーが減るのはすごく嫌だと思うが、それだけを気にすると、フォロワーを減らさないように空気を読みすぎて、自由な身動きが取れなくなってしまう。
2019-04-15 22:01:47欲望を全面的に追求すると、愛のつながりから外れてしまう。だから、「さら」の主人公は、女装のような形で「つながりたいけど、偽りたい」。しかし、秘密は漏洩してしまうリスクがある。
2019-04-15 22:10:121話終わりの方で「僕だけの、僕とハルカッパだけのつながりなんだ」と主人公が言う。だから、「リスクがあるとしても、大事なつながりを守る」というのが、1話のテーマに感じた。
2019-04-15 22:14:00優劣ではないが対比して、たとえば『けもフレ』が「けものはいても、のけものはいない」優しい世界だった。対して「さら」1話は、(秘密が漏洩して)のけものにされてでも、守りたいつながりを強調している。
2019-04-15 22:17:42もちろん、本作で描きたいのはネットだけではないだろうし、2話以降で、別の方向性になるかもしれない。だが私は、今後の展開を「当てる」より、生きる上で意味のあるメッセージを「読み解く」ことを重視している。
2019-04-15 22:22:27そろそろまとめに入ろう。『さらざんまい』1話を、ネットの比喩で読み解くと、分かりやすくなるだけでなく、見えにくかった問題点も浮かび上がってくる。
2019-04-15 22:23:30つながりは大事だが、つながりに合わせるだけでなく、欲望を捨てないこと。これは、スマホ中毒みたいなこの時代に、タイミングの良いメッセージだと思う。以上。
2019-04-15 22:26:39