谷分 章優(@himagine_no9)さんによる文化審議会著作権分科会基本問題小委員会(第1回)傍聴記
遠山氏「映画の著作権保護について、権利者側としてある行為に対し内容証明を出すか、訴訟を起こすかということは、たとえば自分の被害が無いものには(内容証明も訴訟も)やらない。100項目の事例について許される行為類型を作っている努力をされているが、」
2010-04-09 10:59:58遠山氏「著作権者側からすれば、それはたいした問題ではないなと。それよりも、著作権保護が「退化」していくのではないかと危惧している」
2010-04-09 11:00:56松田委員「フェアユースは権利制限で、実体法上の問題。オプトイン・オプトアウトは、許諾契約の正否の問題。分けて議論した方が良いのではないか」
2010-04-09 11:03:53城所氏「契約があればそれに越したことはない。しかし著作権の世界では、たとえば(日本の)出版契約は半分も結んでいない状況」
2010-04-09 11:04:16城所氏「ついでに遠山氏の話に補足。フェアユースで何でも良いというわけではない。許諾を取るのにものすごくコストがかかるということで、米国は私的複製をフェアユースで認めている(個別規定ではない)」
2010-04-09 11:05:10城所氏「コピーライトクリアランスセンターが出来た後の判例では、そこで許可を取るのが簡単だから(私的複製が)フェアユースだと認めなかったこともある」
2010-04-09 11:06:01中村委員「城所先生の(資料の)私見の部分で。プロ責法のセーフハーバーを著作権法で対処すべきとのお考え?」
2010-04-09 11:09:09松田委員「DMCAに基づいた制度設定を日本でするとすると、アップロードする側(個人)にどう対処するか。韓国ではスリーストライク制。そのバランスについてはどうお考えか」
2010-04-09 11:10:15松田委員「YouTube状態が日本でも起こり、遠山先生が心配されてる状況が進むのでは。個人相手に責任を追及する手だてがない。そうなるとプロバイダでスリーストライクということになりかねないのでは」
2010-04-09 11:10:47(スリーストライクを入れろという話ではなく、城所先生の話だとそうなりませんか、という趣旨。)
2010-04-09 11:11:06城所氏「(著作権侵害が)乱発されるようなら、バランスを取ることも必要になるのではないか」
2010-04-09 11:12:11松田委員「遠山先生に。ダビング10も「後退」である、YouTubeなどのような取り込みも「後退」だということになると、どうすればバランスが取れるのか」
2010-04-09 11:14:42遠山氏「原点はひとつひとつの許諾。映画では、どこか管理団体があってそこが勝手に利用許諾することはない。個別の利用契約ができるから。契約が締結できない、できにくいということから始まっているが、本当にそうかと。僕は契約はできると思っている」
2010-04-09 11:16:24遠山氏「米国脚本家・俳優・監督の組合がある。そうした契約を、労働条件を集合的に決めている。日本でもそういう努力がなされている」
2010-04-09 11:17:32遠山氏「すべて契約しろと言ってるわけではない。30条を撤廃してアメリカのフェアユースを入れろと(自分は)主張していた。録画して後で見ようというのを著作権者が訴えるわけがない。」
2010-04-09 11:20:01遠山氏「フリーテレビで流すのは見ることについては許諾しているわけだから、放送権料で対価の処理はできている。そこで個別に、後で見るために録画することまで対価を貰おうとはならない」
2010-04-09 11:20:11松田委員「現状のままいくと、契約で促進しようと同じように考えているのがなかなか推進できない。基本問題で考えるなら、著作権契約を洗い出す検討が必要なのではないか。そこでオプトインとオプトアウトは必ず出てくる」
2010-04-09 11:21:31松田委員「オプトインは従来の考え方と同じ。しかしオプトアウトがすべていけない、という状況ではなくなっているのではないか。それが許されるのがどの範囲かという議論になる」
2010-04-09 11:24:13苗村委員「Google Booksは「デジタル万引き」と形は似ているが、それが大規模・合法的。しかし対価を払う。私的録音録画補償金のような有料の複製もあって、そういったことも反対なのか。オプトインが著作権の本来だとするなら」
2010-04-09 11:30:50城所氏「フェアユースは無料。Google和解は、オプトアウトもお金を貰うこともできる。フェアユース推進派からすれば、判決を取ってほしかったという声もある。Google和解が既成事実になってフェアユースが認められない可能性も」
2010-04-09 11:31:19遠山氏「デジタル万引き、Googleも同じだと思う。土地の強制収容と同じように考えたいが、国がそれをやるには相当高度のテストが必要だと思う。Googleが「便利だ」というだけで、お金を一方的に決めて使えると」
2010-04-09 11:32:36遠山氏「人間はだらしないのでオプトアウトをするところまで頭が行かない。サイレンスの状況について、後に気づいて削除してもらえるというのなら分かるが。強制的に著作者の許諾なく利用できるというのはやめようと」
2010-04-09 11:33:00遠山氏「また対価の問題だけでなく、媒体の選択についてこだわりを持っている著作者もいるのではないか」
2010-04-09 11:33:10