私論 まどかはエヴァを超えたのか その① エヴァがもたらした「時代」 (97年~00年ごろ)

「まどかはエヴァを超えた!」と冗談交じりに語る人がいたので、おっさんの俺としてはいい機会なのでエヴァ以降自分が見てきたアニメや漫画、ゲームなんかをつらつら思い出しつつ、まどかが既存のアニメの何と違うのかを考えてみたいと思う。
1
karedo @susumu_karedo
エヴァ当時は高校生だった俺がリアルタイムで見ていたアニメの感覚からすると、エヴァから数年のアニメは「エヴァっぽいか、エヴァっぽくないか」の二つで分かれていたと思う。
karedo @susumu_karedo
この場合の「エヴァっぽいか、エヴァっぽくないか」というのは、「自分と何かのつながりを問いかける」回やテーマを扱った配分がすごく高い作品、と言い換えた方が良いかもしれない。
karedo @susumu_karedo
「何故自分はその場(戦場、現場)にいるのか、居て良いのか」「自分をどこかにつなぎ止める何かが欲しい」というのは、もちろんエヴァ前もいろんなアニメや漫画でも描かれてきた事だけれど、エヴァはとりわけそれが強かった。
karedo @susumu_karedo
その問いの配分比率が極端に強すぎた。以前にも書いたけれど、普通のロボット戦記アニメなら数話で終わる問いを大きくしすぎた。だから答えを話の途中で見いだす事もできなくなり、シンジ君の成長が「補完」されれば物語が終わる、という結末になってあの「おめでとう」になったんだと俺は思っている。
karedo @susumu_karedo
この問いと答えのバランスっていうのは、揺れれば揺れるほど面白いんだと思うんだけど、エヴァはバランスを崩しすぎて物語が崩壊し、視聴者のアニメに対する見方を大きく変えてしまった。その後、崩れたバランスの調整を他のアニメでも苦しむことになったんじゃないのかな。
karedo @susumu_karedo
だからその再調整を試行錯誤した作品を「エヴァっぽい」、そうでないものを「エヴァっぽくない」というカテゴリにして、当時のオタクである僕は取捨選択してた気がする。カテゴリに入れてから見ておくと、身構えてるぶん気は休まるわけだし。
karedo @susumu_karedo
「アニメに対する見方を変えた」というのは、物語をメタ化しはじめた、ということ。アニメを単なる物語ではなく、何らかの比喩として、自分とキャラを重ね、感情移入するだけでなく、キャラに降ってきた問いまで自分とも重ねる、むしろそれがメインの楽しみ方になる、というシフトのこと。
karedo @susumu_karedo
それと、最初に「エヴァっぽくない」ものが「エヴァっぽくなる」事も往々にしてあったと思う。ナデシコなんかは割とそんな感じだった。不意打ちを食らってものすごい辛いんだよね。身構えてたのもけっこう考えさせられて疲れるし。
karedo @susumu_karedo
そこからアニメや漫画、小説なんかでは、もうエヴァのように問いかけ、答えるという行為に疲れ果てたような気がするんだよね。「そこまで問わなくても世の中って回ってるよね」みたいな。
karedo @susumu_karedo
NieA_7なんかまさにそんな感じじゃなかったっけ。大げさな「問い」はあったけれど、まゆとニアの所帯臭い日常のリアルに答えがぼやけてしまう。それがまた一つの答えになっていて。
karedo @susumu_karedo
ただ別の流れとして、エヴァのもたらした問いと答えをデフォルメし、古典芸能みたいに「同じ事を繰り返すが手管は変える」みたいな洗練をしていった潮流もあると思う。それが「セカイ系」と言われるものなのじゃないか。
karedo @susumu_karedo
僕-セカイのつながりの希薄さが「問題」であるなら、そこに視聴者の喜ぶ「彼女」を入れる。僕-彼女-セカイという構造を取り、点と点を結ぶ線に「異能力」とか「メカ」いったものを配合する。この辺はエヴァよりずっと単純で、ずっと周到なんだと思うんだが、どうか。
karedo @susumu_karedo
一方、平行して「萌え系」がこの辺の混沌の中から一気に加速・爆発していった。折から美少女・ギャルゲーのブームが来ていて、単なるエロさではなく、「少女が救済する」「少女に救済される」作品が出回り始めた気がする。
karedo @susumu_karedo
あの時代はひどくみんなが傷ついていた。「癒やし」が流行語になったのも、99年~01年くらいじゃなかったか。
karedo @susumu_karedo
少し纏めると、エヴァの前後は、「ひどく傷つく」作品が多かった。登場人物が傷つく。見ている人も傷つく。救済されないまま引きずり続け、問題は解決されない。されても満足できるものではない。
karedo @susumu_karedo
傷ついた時代から癒しの時代へと変わり、「日常に帰る(日常系)」か、「PTSDのように擬似的に試す事で安全であることを再確認する(セカイ系)」か、「試さなくても女の子に救済される事を完全肯定する(萌え系)」へとシフトしていった気がする。
karedo @susumu_karedo
もちろんこれは超ざっくりの分け方で、そうでない作品も多々あると思う。実際にはこの3系統が複雑に絡み合ってるというのもあるだろう。

コメント

ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする