尾上先生の勉強風景 (24) 日経サイエンスとか

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尾上正人 @9w9w9w92

「緩やかに進んだ『革命』…栽培家畜化は、様々な動植物の初期的栽培家畜化が数千年単位の時間をかけて現れているので、記録された中では最も緩やかな革命の1つであったに違いない」209-10頁

2019-05-15 03:20:42
尾上正人 @9w9w9w92

「最後の家畜はイヌであった。そしてその化石の骨は、植物栽培や他の動物の家畜化よりはるかに前の3万2000年前のものなのである。…家畜イヌ、つまり家犬で重要な点は、信頼できる肉の供給源を得ることではなかったということだ」213-5頁

2019-05-15 03:29:56
尾上正人 @9w9w9w92

「イヌが家畜化されたのは、理由があったのだ。…動物と共に生きたい、動物と密接に結びつきたいという人間の特質は、チャイルドが新石器革命と呼んだ食料安全確保の革命よりもずっとずっと前に作られた人間の遺伝的、行動的性質の一部であったために、イヌは家畜化されたのである」220頁

2019-05-15 03:42:49
尾上正人 @9w9w9w92

「コッピンガーの自己家畜化説…人間のそばから逃げそうにもなかった原始犬は、人間への攻撃性を弱めるという自己強化的なシステム(自己家畜化)を作り、群れの一員として人間を認めることを強めて、たくさんの残飯と最も親切な扱いを得たことになる」221頁 「地球ドラマチック」に出てたのこれかな

2019-05-15 03:47:50
尾上正人 @9w9w9w92

「遊動する狩猟移住民のもとで自己家畜化は起こらない…農耕の始まりや最初の村落の出現よりずっと前にイヌは家畜化されたことを示す新しい証拠は、コッピンガーの[自己家畜化]仮説を否定する。…発見された最古のイヌに驚くほど古い3万1680年前±250年という年代を与えたのだ」222-3頁

2019-05-15 03:54:23
尾上正人 @9w9w9w92

「ある意味で『生きた道具革命』は、産業革命のようなその後に起こった、もっと広く認められた革命に似た、ニッチ構築のはっきりした例であった。生きた道具革命によって、人間は自分自身の弱々しい能力をはるかに超えた力の源を利用できるようになった」236頁

2019-05-15 05:38:08
尾上正人 @9w9w9w92

「イヌは他の動物より飛び抜けて早く家畜化された。動物は、肉を得るため、つまり『歩く肉貯蔵庫』として家畜化されたという考えに根本的疑いを抱かせる事実である」237頁 pic.twitter.com/FxERpNASte

2019-05-15 05:42:44
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尾上正人 @9w9w9w92

「チャールズ・ダーウィンの従兄弟であるフランシス・ガルトン」265頁 →「ゴールトン」 「ホールデン(Haldane)」と並んで、訳者が進化生物学に知識があるかどうかの試金石固有名詞(デネット『ダーウィンの危険な思想』邦訳では「ハルデーン」になってた爆…石川幹人担当箇所)

2019-05-15 06:35:05
尾上正人 @9w9w9w92

アンドリュー・シャーラットの「二次産物革命」説…「紀元前3300年頃に始まった二次産物[乳、肥料、動力、毛など]革命が新石器農耕民をユーラシア大陸の周縁部まで成功裏に拡大させた…二次産物の利用への集中化が複合化社会の勃興を可能にしたのだという」267頁

2019-05-15 06:42:27
尾上正人 @9w9w9w92

「私は、シャーラットの言う『二次産物』こそ、実際に動物を家畜化するための主要な刺激、主な動機付けになったと推定している。…家畜にした動物を有益に変えたものこそ、シャーラットの『二次産物』だったのだ」268-9頁

2019-05-15 11:33:52
尾上正人 @9w9w9w92

「家畜の動物は、[石器とは別の]もう一種類の実際的な<身体的適応>なのであり、人が開発できる資源、人の要求する能力を拡大するのに利用できる道具だったのだ」271頁

2019-05-15 11:46:56
尾上正人 @9w9w9w92

「ウマは家畜化されていなければほぼ確実に絶滅していただろうほんの一例である。したがってすべての人間が動物に優しく振る舞っているわけではないが、人は家畜化した動物と共進化してきたのであり、その過程で両者ともその協約で利益を享受してきたのである」284頁

2019-05-15 12:13:31
尾上正人 @9w9w9w92

「霊長類のように他の動物よりずっとヒトに近い関係にある種は、それだけ彼らが本来もつ動物原性感染症を人間に移しやすい。彼らと私たちとの遺伝的な違いが、他の動物より小さいからだ。霊長類は地球上の脊椎動物全体の0.5%を占めるにすぎないが、人間の主な病気の20%に関与している」285頁

2019-05-15 12:20:20
尾上正人 @9w9w9w92

「メグ・ダリー・オルメルトは、『お似合いで(Made for Each Other)』という自著の中で、オキシトシンは動物家畜化と動物に対する人の影響力の基礎となる『主要な生物由来の成分』だったと唱えている」289頁

2019-05-15 12:27:10
尾上正人 @9w9w9w92

「スティーヴン・ブジアンスキーは、論議を呼んだ『野生の契約』で、家畜化された動物は家畜化を選んだのだ、野生から家畜への変身は人と動物との間の一種の相互契約だったのだと主張した」294頁

2019-05-15 12:58:28
尾上正人 @9w9w9w92

読了。ヒトの進化を石器→言語→家畜化で辿る書物だが、石器と家畜化が著者の専門領域でまた乗馬体験にも裏打ちされていて読み応えあるのに対して、言語論は専門外なためか記述が薄くて石器・家畜化との接続も良くない印象。河合さん「訳者あとがき」は素晴らしいので固有名詞表記を何とかしてよ(笑)

2019-05-15 13:18:24