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編集部イチオシ
2019年6月5日

航空業界大乱闘、リージョナルジェットの乱

傍目に見てた限りこんな感じです!!!!(主観)
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サキノハカ @sakino_haka

*最近の航空業界大乱闘の経緯*

2019-06-05 20:36:10
サキノハカ @sakino_haka

ボーイング(アメリカ)やエアバス(フランス)が販売している大型ジェット機より一回り小さく、地域航空で運用されるリージョナルジェット市場は、ボンバルディア(カナダ)とエンブラエル(ブラジル)をツートップに発展し、それを三菱(日本)がMRJを開発しながら追う構図でありました。

2019-06-05 20:36:43
サキノハカ @sakino_haka

そこに動きがあったのは一昨年の秋くらいだったかな…、ボーイングとエアバスはもともと「機体の規模が違うから競合はしない」としてボンバルディアとエンブラエルのことはある意味放置していたのですが、

2019-06-05 20:37:25
サキノハカ @sakino_haka

デルタ航空(アメリカ)がボンバルディアの最新リージョナル機種であったCシリーズを大量発注すると発表したことで激震が走ったのです。 デルタ航空はアメリカの航空会社ですから、かねてからボーイングの大口のお得意さんでもありました。

2019-06-05 20:37:57
サキノハカ @sakino_haka

(適当なこと言ってすみません、デルタさんがCシリーズ発注したの一昨年の4月末でした!!お詫びして訂正致します) news.delta.com/delta-orders-s…

2019-06-06 14:43:37
サキノハカ @sakino_haka

またCシリーズはボンバルディアがそれまで販売していたボンバルディアCRJシリーズよりも大きくて、ボーイング737よりはちょっと小さいというサイズでした。 ボーイングはこのままCシリーズにアメリカ市場に食い込まれると737型の売上がやばいと慌てました。

2019-06-05 20:38:45
サキノハカ @sakino_haka

なのでボンバルディアに「カナダの州や政府からの補助金を使って不当に安く米国市場に売り込んでいる!」と訴訟をふっかけると同時に、米政府にCシリーズに対して莫大な関税をかけるように要請しました。

2019-06-05 20:39:02
サキノハカ @sakino_haka

ボンバルディアは当然激怒しました。 (なお当のデルタ航空は「少需要路線にちょうどいい小さめの飛行機を買いたいから買うんだ、お前んとこのなんて目的の路線にはでかすぎて不採算で買ってられるか」みたいなコメントをしました)

2019-06-05 20:39:54
サキノハカ @sakino_haka

関税訴訟はまあ面倒くさいので置いておいて、困ったボンバルディアは敵の敵に取り入ることにしたようです。すなわちボーイングのライバルであるエアバスです。あるいは逆で、エアバスのほうがボンバルディアに取り入ったのかもしれませんが定かではありません。

2019-06-05 20:40:49
サキノハカ @sakino_haka

エアバスとボンバルディアが提携し、ボンバルディアCシリーズはエアバスの販売網に乗ることになりました。

2019-06-05 20:41:23
サキノハカ @sakino_haka

ボーイングは焦ります。ライバルが目下悩みのタネのリージョナルジェットを売れるようになってしまった!どうしよう!うちもリージョナルジェット売れるようにならないとライバルに遅れを取る!! ボーイングは残るリージョナルジェットメーカーのエンブラエルに提携を打診します。

2019-06-05 20:41:43
サキノハカ @sakino_haka

ここで脱線。このエアバス-ボンバルディア、ボーイング-エンブラエルの構図に取り残されたのが、他でもない三菱でした。

2019-06-05 20:42:33
サキノハカ @sakino_haka

もともとボーイングと提携していましたが、ボーイングがいますぐ欲しかったのは即戦力としてのリージョナルジェットだったので、まだ開発段階のMRJでは対ライバル用の戦力にはならなかったのです。

2019-06-05 20:42:57
サキノハカ @sakino_haka

開発に打ち込んでいる間に、リージョナル市場でMRJのライバルになるはずだったボンバルディア機にもエンブラエル機にも、強力な後ろ盾がついてしまいました。どうしましょう三菱さん?

2019-06-05 20:43:35
サキノハカ @sakino_haka

さて話は戻ってボンバルディアですが、敵の敵に助けられた…かと思ったら、そう簡単にもいきません。Cシリーズは「エアバスA220」と改称し、Cシリーズという名前で呼ばれることもなくなってしまいました。

2019-06-05 20:44:10
サキノハカ @sakino_haka

最近になってCシリーズ合弁事業もエアバスが過半数出資となったことから、それまでの「Cシリーズ航空機リミテッドパートナーシップ」から「エアバス・カナダ リミテッドパートナーシップ」に改称、名実ともにCシリーズはエアバスさんちの子になってしまったのです。

2019-06-05 20:45:13
サキノハカ @sakino_haka

そもそもボンバルディアさん自体最近経営があまり思わしくはなく、CシリーズがA220になってしばらくして、同社プロペラ旅客機のベストセラーでもあったDHC-8の生産もバイキングエア(カナダ)に売却してしまいました。

2019-06-05 20:45:58
サキノハカ @sakino_haka

ボンバルディアさんは利益率厳しい旅客機事業は譲ってしまって本業の鉄道と残ったビジネスジェット部門だけに専念したい、との声明を出しています。 またエアバスはCシリーズが販売ラインナップに欲しかったのは勿論ですが、ライバルの牙城である北米に拠点を持ちたかったという側面もあるようです。

2019-06-05 20:46:45
サキノハカ @sakino_haka

一方ボーイング-エンブラエル組ですが、エンブラエルはもともとブラジルの国策企業として生まれ(その後民営化)、軍用機も開発していることからブラジルの国防を担う企業でもあります。

2019-06-05 20:47:40
サキノハカ @sakino_haka

そのためボーイングとの提携には国内の反発も大きかったのですが、最終的に「民間商用機部門だけ提携(軍用機とビジネスジェット部門はそのまま)」ということでまとまりました。

2019-06-05 20:48:22
サキノハカ @sakino_haka

しかしこちらも、エンブラエルの商用機部門は「ボーイングブラジル商用機(Boeing Brasil - Commercial)」に改称され、どうやら今後エンブラエルのリージョナルジェットもボーイングさんちの子になってしまうようです(機種名変更があるかどうかはまだ未定)。

2019-06-05 20:49:01
サキノハカ @sakino_haka

(なお「ブラジル」のスペルが英語の「Brazil」ではなくポルトガル語の「Brasil」であるのが、エンブラエルのブラジルの企業としての側面と建前だとしても独立性を立てたボーイングの良心だと言われているとかいないとか)

2019-06-05 20:52:49
サキノハカ @sakino_haka

で、三菱さんです。虎の子のMRJはどうなるんでしょう…本当にやっていけるのかな…と思っていたら、先日「スペースジェット」に改称するという報があり、どよめきが起こりました。なんでそんな名前に?

2019-06-05 20:53:22
サキノハカ @sakino_haka

開発が長引き赤字が増えていた事業でもあったMRJ、提携の名目で実質お嫁に出されてしまうのだろうか…との憶測も乱れ飛びましたが、本日さらに急展開がありました。

2019-06-05 20:53:45
サキノハカ @sakino_haka

エアバスが買わなかった方のボンバルディアのリージョナルジェット、CRJとその生産工場を買うことを三菱が検討している、というのです。買収が成功すると三菱の販売ラインナップが増えるだけでなく北米に三菱の生産拠点ができますが、その一方で国内生産の見通しは低くなるかもしれません。

2019-06-05 20:54:32
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コメント

kata_game @kata_game 2019年6月6日
三菱が必要なのは、航空機の設計開発部門もそうだけどもワールドワイドの航空機保守網とそのノウハウなんじゃないかなぁ
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トークンボロ @projectjswing 2019年6月6日
わかりやすいです。まとめありがとうございます。
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サキノハカ @sakino_haka 2019年6月6日
kata_game 確かにその要素もあると思います。CRJは1991年初飛行の飛行機ですし、現代ではたぶんあまり技術的に目新しいものではなく、またすでにCRJ100/200からCRJ700への長胴型化もしているので、機種としての発展性というか伸びしろももうあまり残っていないかもしれません。
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サキノハカ @sakino_haka 2019年6月6日
kata_game 三菱がほしいのはボンバルディアの生産体制及び保守整備の体制、その立地、安定した実績のあるネームバリュー、ある程度の販売網とあわよくば技術…という感じなのかも。
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片山 京 @Kyo_katayama 2019年6月6日
sakino_haka とすれば、MRJの耐空証明がとれるめどが立ったので販売方面の投資にでるのかもしれないですね。買収部門と合併させるから社名が変わるというのであれば、先のニュースとも整合性がとれますが、これは後知恵。
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sotoyama @sotoyama0 2019年6月6日
YS11から何も学んでいない・・・
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cinefuk 🌀 @cinefuk 2019年6月6日
愛知での製造を辞めるのかもしれないですね。商品名(ブランド)から「三菱」の名前を外しているのは、事業売却を視野に入れているのかも。 https://twitter.com/sakino_haka/status/1136239586429014016 『先日MRJを「スペースジェット」に改称するという報があり、どよめきが起こりました。なんでそんな名前に?』
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はやし・しのぶ @Hirarinmac 2019年6月6日
つかMRJ開発費でボンバルディアもエンブラエルも両方買えたよね……。
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サキノハカ @sakino_haka 2019年6月6日
Hirarinmac それはどうでしょう、お財布が痛んだのは三菱であってエアラインじゃないですからね。あるいは企業としてのボンバルディアとエンブラエルの買収のことを言っているのでしたら、なおさら全然違うと思います。
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サキノハカ @sakino_haka 2019年6月6日
Hirarinmac 三菱が「メーカー」ではなく「商社」としてボンバルディアとエンブラエルを両方買収しようとしたとして、今回のようにボーイングからの圧力で苦境に陥ったボンバルディアならまだしも、今回ブラジル政府がエンブラエルのボーイングとの提携を認めたのは「競合メーカーに巨大な後ろ盾がついてしまったからやむを得ず」なのであって、言い方は悪いですが航空機の販売網も販売実績もない日本企業のたかが三菱にはいそうですかと売ると思いますか?
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サキノハカ @sakino_haka 2019年6月6日
Hirarinmac できていたとして、両社の機種はサイズ的に競合しますし、もとより今みたいに大手2社からむしり取られるかぶちのめされるかして終わりだったと思います。
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せりかざんまい @selica_akeno 2019年6月6日
さて、エンブラエル大好きFDAの次期主力機材はどこになるのかな?
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サキノハカ @sakino_haka 2019年6月6日
(ところで完全な余談なんですけど、先日のイノベーションデイズでエアバスのCCOの言った「A220の莫大な開発コストはボンバルディア持ちだったので、エアバスはこの事業を拾うことでリスクやコストなしで恩恵を受けることができました」がほんとまじデリカシーなくて正直ですごいと思った。丸儲け…)(※Cシリーズの開発費にはカナダの税金も多分に使われています) https://twitter.com/HowardSlutsken/status/1130750726727241728
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アルビレオ@炙りカルビ @albireo_B 2019年6月7日
cinefuk 売却以外にも「(役員送り込めるレベルくらいの)大口出資をしてもらうためには三菱の看板はない方がいい」という狙いの可能性も。参加する方からしてみれば「うちが資金提供したから完成したのに、世間的には"三菱のジェット"なのはなー」ってのも気にするでしょうから
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さとうあきひろ @akihirosato1975 2019年6月7日
ボンバルディアと三菱って昨年訴訟になってたけど、そのへんって今回の件にどう影響してるのかなぁ。CRJシリーズを三菱が引き取る条件で、CシリーズとMRJが絡んだ訴訟の方は痛み分けで和解するとか普通にありそうな気がする。
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さとうあきひろ @akihirosato1975 2019年6月7日
あと地味に、COMAC ARJ21の量産ラインが徐々に立ち上がりつつ有るのも実は気になっている。ARJ21がEASAの型式証明取るなんて噂も出てるので、そうなるとMRJ改めスペースジェットにとってはかなり厄介。
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サキノハカ @sakino_haka 2019年6月7日
akihirosato1975 三菱がボンバルディアの元社員を雇い企業機密の不正入手をしたとされるこの訴訟は、4月上旬に一旦棄却され、5月に再訴したようだったので、今回のCRJの件はとても意外なものでした。
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サキノハカ @sakino_haka 2019年6月7日
akihirosato1975 ただ訴訟は「Cシリーズ(今後もエアバスの下で販売し続ける)の情報の漏洩」と「グローバル7000(ビジネスジェット。今後もボンバルディア本社が販売し続ける)の情報の漏洩」についてなので、「それはそれ、これはこれ」で訴訟は続く可能性も多分にあります。 https://www.flightglobal.com/news/articles/bombardier-refiles-mrj-trade-secret-lawsuit-458143/
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サキノハカ @sakino_haka 2019年6月7日
akihirosato1975 中国発(そして「初」でもある)のリージョナルジェット、ARJ21もなかなか注目株ですね! この機種はマクドネル・ダグラスの置き土産の上海工場から生まれ、まったくの新規機種…というよりは「MD-80改(短胴)」といった感じの佇まいではありますが、もちろんただ短くなっただけの焼き直しではなく、MD-80から下ること約30年の航空技術の発達をちゃんと取り入れたものとなっています。
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サキノハカ @sakino_haka 2019年6月7日
akihirosato1975 ただこの機種についてはやはりそれ自体のベース設計が新しくはなく、恐らくは発展性もまあまあ限られ、他メーカー機種に対してどこの性能が優れているとして他国へ積極的に売り込むというよりは、どちらかというと「航空機生産の基盤を育てるために」「決して失敗しないように作られた」機種なのではないかとも思います。その後に開発された中国発のナローボディ機、C919への布石としての側面ですね。
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サキノハカ @sakino_haka 2019年6月7日
実際、ARJ21の静強度試験は非常に難航し、なかなか目標の強度を達成することができず(MDの下請けとして言われた通り「作った」ことはあっても、設計も製造も自分とこでやって「造った」のは初めてだったんだから当然です)、7ヶ月かかってやっと目標をクリアしたとき技術者たちは泣いて喜んだそうなのですが、C919の静強度試験は無事最大負荷を首尾よく一発クリアしたとのこと。経験は産業の力になる、ということだと思います。
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サキノハカ @sakino_haka 2019年6月7日
出来上がってみたらアメリカ市場でリージョナル機として売り込める規格を重量オーバーしてしまったMRJ90(これでも大急ぎで設計変更して再試験しています)や、昨今の737MAXの問題を見ていても分かる通り、「思った通りのものを作る」ということ自体がほんとはかなり難しいのであって、国がサポートしながら高すぎない目標を設定して挑戦してクリアしていく中国の開発姿勢は、個人的にはなかなか良いなあと感じます。…なんか最近ロシアとワイドボディ一緒に作ろうとして売上の配分で揉めたりもしてるけど
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FFR31 @FFR31 2019年6月8日
これで概略ですか(汗) もし細かいところまで入れたら、どの位の文章量になるのでしょう・・・(怖)
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サキノハカ @sakino_haka 2019年6月8日
ところで聞いてください。もともとボンバルディアの航空部門はデ・ハビランド・カナダというイギリスの航空メーカー(デ・ハビランド)のカナダ支部みたいなのがルーツの片方だったのですが、上でちょっと触れたプロペラ旅客機のDHC-8を除くかつてデ・ハビランド・カナダで開発された機種(小型機や水上機などが中心)の製造権は、2006年にすでにバイキングエアに売却されていました。で、このたびDHC-8もバイキングエアに売却されたのに伴い、バイキングエアに旧デ・ハビランド・カナダ機種の製造権が揃い……
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サキノハカ @sakino_haka 2019年6月8日
デ・ハビランド・カナダが復活しました。なんということでしょう。 https://twitter.com/dehavillandAIR/status/1135486389775212545
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cinefuk 🌀 @cinefuk 2019年6月8日
sakino_haka sakino_haka 『デ・ハビランド・カナダが空に帰ってきた!』 https://t.co/Uaon29lvXJ 「ボンバルディアから3億ドルで買収」(カナダドルかな?)
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サキノハカ @sakino_haka 2019年6月8日
FFR31 (スミマセン、概略といったのはリンクを張った記事の内容をざっくり訳すとこんな感じという話です)
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