園児RPGテキスト外伝「宵の流星と暁の詩」第六章

無銘海姫 @Mumeinight

（これまでのあらすじ）togetter.com/li/1362528 #mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

【「宵の流星と暁の詩」第六章前編】 #mmytxt

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―ポポースカ山中森林地帯― #mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

燐光竜の体高はクリナゴの背丈の三倍はあり、その巨躯の所々が威嚇的に発光している。クリナゴは杖に魔力を込め素早く踏み込む！「イヤーッ！」「GYRUUU！」燐光竜が丸太めいた巨腕を振るう！彼女はこれを瞬時に見切って回避！オフホワイト外套が風にはためき、フードが脱げる。 #mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

杖を掲げたクリナゴの周囲に十二のプレートが展開！「『風』！『力』！」杖先の宝玉に魔力が注がれる！「ソニックスラッシュ！！」「GYAUUU…！」三日月型の衝撃波が立て続けに叩き込まれ、着実に燐光竜の外殻を削り取る！「GYRUUU！」燐光竜はクリナゴに蒼白火球を放つ！ #mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

「『水』！『護』！アクアドームシールド！！」半球状の水の壁が杖先から展開し、火球を無力化する！「イヤーッ！」クリナゴは水煙の中から一気に踏み込みをつけ加速、杖の一撃を叩き込む…！ #mmytxt

柊 @hiiragi_r_t_d

技のオンパレード！クライマックスという趣だぜ　#MMYTXT

無銘海姫 @Mumeinight

―同刻・ポポースカ船着き場― #mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

「着いたわ」ムメイはシカナが船着き場の石畳に立ったのを見届けると、自分の体に結んだロープを解き適当な杭に繋ぎ替えた。港に戻った漁船ではトグル留めコートを着た海の男達が魚を陸揚げしている。村では寒さを物ともせず子供たちが駆け回る、牧歌的な風景だ。 #mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

シカナがふと呟く。「…懐かしい…」その言葉は、ムメイにも確かに聞こえていた。彼女が海面に立って兜をずらすと、シカナと目が合う。何処かの家の親子が聞き覚えのある『うた』を口ずさむのが聞こえる。二人は暫しの沈黙の後、頷いた。 #mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

「じゃあ、行くよ」「待ってるわ」歩みを進めるシカナをムメイはそっと見送る。 #mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

その時激しい地響きが大地を揺るがす。森の方からだ！だがシカナが足を止める事はない！「ムメイさん…必ず、必ず戻って来るから！！」足早に遠ざかる彼女の背中を目に、ムメイは口をついて言葉が出た。「信じてる…わたし信じて待ってる…！！」 #mmytxt

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柊 @hiiragi_r_t_d

今や彼女は待つ側の人間ではない……走れ！　#mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

コセンとオオトリの戦いは熾烈を増していた。コセンの太刀筋は精密さと力強さを併せ持つが、オオトリの首狩りナイフ二刀流はそれを悉く受け切る！七本槍の戦士としての戦闘能力は十分備わっているのだ！「イヤーッ！」激しい刀の打ち込み！「イヤーッ！」斬撃をナイフで受ける！ #mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

「イヤーッ！」鍔迫り合い体勢からオオトリがカウンター突きを放つ！コセンは刀を体に引き付け、そこから弾く！高度な反射神経の為せる業だ。「ナメるな！イヤーッ！」オオトリは下段蹴りを繰り出す！フェイントか？何らかの特殊なアーツか？コセンの戦士の勘が『危』を告げる。 #mmytxt

柊 @hiiragi_r_t_d

コセンの第六感！アブナイだ！　#mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

「イヤーッ！」コセンは側転回避！CRAAAASH！！破砕音と共にもうもうと砂煙が上がる！オオトリの足からは太い鎖…隠し鉄球である！直撃すれば脚を砕かれていただろう。だがオオトリの視界内にコセンの姿は無い！「まさかっ…！？」オオトリが振り向く。 #mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

「イヤアアアーッ！！」「グワーッ！？」背後からの強烈な一撃！分厚い毛皮コートの背中が裂け、オオトリが地面に突っ伏して倒れる！再び油断なく構えるコセン。これこそ彼が東国武者修行で身につけた必殺の奇襲術…シノビ・エクスキューションだ。 #mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

「背後から斬りかかるとは、卑怯者め」「あんただけには卑怯とは言わせないぜ…さて」地面に倒れたままのオオトリにコセンは刀の切っ先を向け、問い詰める。「イツキは何を企んでいる」 #mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

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無銘海姫 @Mumeinight

クリナゴの敏捷な攻撃一つ一つが確実に燐光竜の体力を削る。「GYAUUU！」燐光竜の巨体が砲弾めいて向かってくる！クリナゴは杖を構えた！「『土』！『力』！グラビティプレッシャー！！」全てを繋ぎ止める大地の力が不可視の鎖めいて燐光竜の動きを封じる。 #mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

巨体が地面に叩きつけられ、土煙が上がる！「ARUUU…」「『火』！『金』！」燐光竜は未だ動けぬ。クリナゴが構えた杖先の宝玉が輝く！「ブレイジングシュート！！」まっすぐに放たれた熔鉄の矢が燐光竜を射抜く。小爆発が連鎖的に起き、外殻の破片が飛び散る！「…GAUUU…！！」 #mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

外殻を破砕し体内まで炎熱で穿つ必殺の一撃…そして、土煙が晴れた…！ #mmytxt

無銘海姫 @Mumeinight

赤い…禍々しく赤い眼が光った！「GYA…ARUUU…！」「イヤーッ！」クリナゴは危険を察知しサイドステップ！ZAAAAP！！直後血のように紅い破壊熱線が何条も放たれ、風を、大地を灼く！（何処からこんな力が！？）彼女のその疑問は、すぐに解ける事となった。 #mmytxt