ツンデレと美少女ゲームの流行をふり返り、キャラクターとコンテンツ環境の関係を考察(と、TVアニメ『YU-NO』8、9話の感想)

「ツンデレ」と美少女ゲームの流行を軸にして、キャラクターとコンテンツ環境の関係を語ります。それと、(ほとんど澪の話だけですが)テレビアニメ版『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』8、9話の感想です。
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しろうと @sirouto

この「ループ」構造も、尺が長いストーリー環境が前提になっている。似たような話を繰り返すわけだから、短い尺では採用が難しい。『ひぐらし』とかもそうだけど、ものすごく尺が長い。

2019-06-16 22:44:00
しろうと @sirouto

また別の角度から見ると、「なろう」なんかのWeb小説サイトは、作品全体の尺が長くても、連載形式になるので、個々の話は短くなる。そして、ランキングに入るために、短いスパンで評価されたいという動機が強い。

2019-06-16 22:47:19
しろうと @sirouto

なろうの環境に合うヒロインは、ツンデレより「チョロイン」だという気がする。たとえば、今期アニメの『賢者の孫』のヒロイン(シシリー/青髪の娘)も、冒頭からもう惚れてる感じ。

2019-06-16 22:49:38
しろうと @sirouto

つまり、インターネットの普及で、ソシャゲやWeb小説なども普及した。そこでのコンテンツ環境は、基本無料で見られるため競合が多く、短い期間で評価される必要がある。これがパッケのエロゲ/ギャルゲと違う。

2019-06-16 22:51:39
しろうと @sirouto

まとめると、ツンデレは尺の長いストーリー環境に最適化したキャラなので、その環境が変わればまた別のキャラが流行する、ということだ。たとえば、なろう的チョロインのように。

2019-06-16 22:56:23
しろうと @sirouto

なろう系だけでなく、きらら系のヒロインの方を見ると、最近は「コミュ障」が小流行してると思う。前期の『わた天』、今期の『ぼっち』。ただし、わた天の原作は百合姫だけど、ここで細かい分類はやらない。

2019-06-16 22:59:28
しろうと @sirouto

あるいは「厨二」キャラとかも小流行だと思う。『ガヴリール』のサターニャとか、『このすば』のめぐみんとか。

2019-06-16 23:04:19
しろうと @sirouto

ガヴリール原作がキューンなのは、大ざっぱにきらら系に合流させるとして、このすばはなろうでしょ、っていうツッコミはありうる。

2019-06-16 23:05:33
しろうと @sirouto

でもそもそも、インド象もアフリカ象もいるように、生態系では移住が起きるので、ここにいるから他にはいない、といったアリバイのようなものではない。

2019-06-16 23:06:53
しろうと @sirouto

なろうでも『リゼロ』は、ループ系の物語だし、レムはチョロインよりはツンデレに近い系統のヒロインだと思う。でも、それがなろうで多数派かというと疑問で、チョロインの方が全体では多そう。

2019-06-16 23:07:53
しろうと @sirouto

そもそも、なろうの代名詞とも言える「異世界転生」も、別になろう系作品が独自発明したものではなくて、先行作品のアイディアを移住させてきたものだろう。前述のルイズの『ゼロ使』だって、異世界転移だし。

2019-06-16 23:12:34
しろうと @sirouto

だいたい、「輪廻転生」という概念が仏教にあるのだから、「転生」という考え方は大昔からあるわけで、なろうの異世界転生ブームも、バリエーションでしかないだろう。

2019-06-16 23:13:44
しろうと @sirouto

「ツンデレ」の方も、「ツンデレ」という言い方じゃないけど、別の何かで昔から表現されてたんだろう。代替候補がパッと思い浮かばないけど、「女心と秋の空」とか、何かそういう感じ?

2019-06-16 23:14:54
しろうと @sirouto

ただ、「物語のパターンは昔からある」とか「物語のパターンはもう出尽くした」っていうのは、みんな言いたがるんだけど、ここで言いたいのはそれだけではない。

2019-06-16 23:16:17
しろうと @sirouto

パターンは昔からあって、それが循環してるだけかもしれない。でも、あるパターンが流行する背景には、それなりのエコシステムがあるはずだ、というのが今回のツンデレ論のバックボーンになっている。

2019-06-16 23:17:11
しろうと @sirouto

カードゲームのメタが変わっていくように、流行のキャラやストーリーのパターンは変わっていくだろうけど、たんなる偶然だけではなくて、その時代のエコシステムに、合うものと合わないものがあるはず。

2019-06-16 23:18:21
しろうと @sirouto

従って、かりにキャラやストーリーがすべて出尽くしたパターンでしかないとしても、どのパターンが今の時代に合うのか、というのが戦略だし、それによって差が出てくるだろう。

2019-06-16 23:20:18
しろうと @sirouto

「パターンは出尽くしたのだ」というと、そこでもう世界の真理は分かったとばかり、思考停止してしまう人が、なぜか驚くほど多い。しかし、どのパターンを選ぶかが、まさにコンテンツの生存戦略なのだろう。

2019-06-16 23:22:00
しろうと @sirouto

「全てパターンは出尽くしたから、新しい表現はもう不可能」と私は考えない。川の流れは、ずっと一定で不変なのか、つねに新しいのか。「万物は流転する」というように、ここでは後者の生成的な考え方を取ろう。

2019-06-16 23:29:32
しろうと @sirouto

「YU-NO」の話に戻ると、澪が一周回って、ツンデレブーム以前の古風なヒロインなのだとしても、今の時代に合った何かなのだろう。

2019-06-16 23:30:09
しろうと @sirouto

さて、今回の話をまとめると、ツンデレが尺の長い環境に最適化したキャラであるように、キャラやストーリーのパターンは、その時代のコンテンツ環境に合わせて流行するし、そこに生存戦略があるということ。

2019-06-16 23:31:58
しろうと @sirouto

といったところで、今日はこの辺でお開きにします。ありがとうございました。

2019-06-16 23:32:21